「オペラとダンスがお互いにリスペク
トを」東京二期会がニューウェーブ・
オペラ劇場『セルセ』を上演~指揮は
鈴木秀美、演出は中村蓉

東京二期会が二期会創立70周年記念公演 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』新制作(作曲:ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル)を、2021年5月22日(土)~23日(日)めぐろパーシモンホール大ホールにて上演する。
『セルセ』は、東京二期会が『ジューリオ・チェーザレ』(2015年)、『アルチーナ』(2018年)に続いて、世界的古楽チェリストであり指揮者である重鎮・鈴木秀美を迎えて贈る本格的バロック・オペラ上演。紀元前480年頃のペルシャの宮廷を舞台に、コミカルな恋愛劇が繰り広げられる。題名役のセルセが歌う「Ombra mai fu」が有名だが、それ以外にも様々な魅力的なアリア、二重奏がちりばめられている。
指揮:鈴木秀美 photo by K.Miura
演出・振付は気鋭の振付家・ダンサーの中村蓉。小野寺修二、近藤良平、故・室伏鴻ら著名振付家の作品に出演し、自作では横浜ダンスコレクションEX審査員賞・シビウ国際演劇祭賞、エルスール財団新人賞など数々の賞を受賞している。オペラに関しては、東京二期会『ジューリオ・チェーザレ』(2015年)で振付を担当し、2018年にドイツ・マインフランケン劇場にて上演されバイエルン放送が選ぶ年間ベストプロダクション10に選ばれた『ニクソン・イン・チャイナ』(演出:菅尾友)でも振付を務めた。このたびの『セルセ』がオペラ演出デビューとなる。
演出:中村蓉 (c)前澤秀登
歌手もニューウェーブ・オペラ劇場の名にふさわしく新進を抜擢(キャストは日替わり)。ダンサーは中村理、北川結、池上たっくん、久保田舞、田花遥、山田暁(両日)。合唱は二期会合唱団。管弦楽はニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ(NBO)。
《ものがたり》
ペルシャ王セルセは、将軍アリオダーテの娘ロミルダを見初めるが、王の弟アルサメーネと恋仲であることを知り、弟を宮廷から追放する。
一方、セルセには異国にアマストレという婚約者がいた。彼女は変装しペルシャにやってきていたが、王が別の女性に惹かれている様子を目にして嘆き悲しむ。
また、ロミルダの妹アタランタもアルサメーネに一方通行の想いを寄せていた。彼女はアルサメーネからロミルダ宛の手紙と嘘をつき、二人の仲違いを企む。
かくして、王とロミルダの結婚式となるはずだったが、将軍アリオダーテは王の命令を読み違い、ロミルダをアルサメーネに嫁がせてしまう。王は激怒するが、そこに変装を解いた婚約者アマストレがあらわれて・・・

公演に先立ち、4月24日(土)めぐろパーシモンホール小ホールにて「ヘンデル『セルセ』公演 プレトーク&コンサート」が行われた。
はじめに演出の中村がオペラ『セルセ』の物語や今回の演出について解説する。
自身が携わるコンテンポラリーダンスについて、「同時代性という意味があり、今生きている人が生み出すダンスのスタイルです。その人自身、その人の人生、その人が生きた時代が、振付や構成・作品にとても反映されます」と紹介。「オペラとコンテンポラリーダンスは対照的に思われるかもしれません。でも、バロック・オペラには即興があったり、歌手がオリジナルで歌い方を考えアレンジする部分があったりします。その余白に親しさを感じました」と胸中を明かす。
中村蓉
「登場人物全員が愛くるしいキャラクター」である『セルセ』の物語を「要するにラブコメです」と笑わせつつ、描きたいのは彼らの「恋愛気質、愛の本質」だという。ダンサーたちは、その愛を「見守る」存在。「楽しい、面白い、愉快な2時間半をお届けしたいです。オペラとダンスがお互いにリスペクトをきちんと持ち、骨の髄まで融合し合った時に、新しい表現としてニューウェーブ・オペラ『セルセ』が完成すると思っています」と抱負を語った。
その後、コンサートが行われ、雨笠佳奈(ソプラノ/『セルセ』アタランタ役)、澤原行正(テノール/『セルセ』セルセ役)が『セルセ』から愛にまつわるアリアを2曲ずつ披露。演奏を上尾直毅(チェンバロ/『セルセ』通奏低音)が務めた。

雨笠佳奈
澤原行正

最後に演者を代表して澤原が挨拶。「これまでにない新しい刺激を受けて、毎日充実しています。蓉さんのトークにもありましたが、お互いのジャンルにリスペクトを持ち、皆で一丸となって、これまでにない、これ以上ない舞台を創り上げていきたいと思います」と意気込んだ。
東京二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』公演チラシ
取材・文=高橋森彦

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