ブリティッシュロックの
新機軸を生み出した
トラフィックの4thアルバム
『ジョン・バーレイコーン
・マスト・ダイ』

本作『ジョン・バーレイコーン
・マスト・ダイ』について

結局、ソロアルバムとなる予定のアルバムはトラフィックの再結成(3人のみ)アルバムとなる。パワーハウス、ブラインド・フェイス、ジンジャー・ベイカーズ・エアフォース等への参加はウインウッドの音楽性の幅を広げることになり、これまでにない新しいスタイル(今でこそフュージョンやジャズロックという言葉があるが、当時にしたら画期的なサウンドであった)のロックを提示することになる。この時、ウインウッドはまだ22歳!

収録曲は全部で6曲。1曲目の「グラッド」はアルバム唯一のインストで、ブリティッシュ的な旋律とプログレの香りもする新生トラフィックに相応しい佳曲となっている。続く「フリーダム・ライダー」はタイトなリズムで、跳ねるようなウインウッドのベースとクリス・ウッドの管(サックス&フルート)が素晴らしい。「エンプティ・ページズ」では、当時まだ珍しかったエレピをウインウッドは使っていて、ソロの部分ではジョー・サンプルのようなプレイが聴ける。タイトルトラックはブリティッシュトラッドの有名な曲で、ペンタングル、バート・ヤンシュ、フェアポート・コンヴェンションなど、多くのアーティストが取り上げている。この曲でウインウッドはアコースティックギターを弾いているのだが、彼はギターも実に上手い。

本作はソウルやブリティッシュトラッド風味に加え、ジャズファンク的な要素もある。実験的でありつつポップな部分も感じさせるなど、のちのソロ時代のウインウッドを予見させるような深みのある内容になっている。最も初期のフュージョン作品でもあり、スティーヴの早熟かつ天才ぶりがよく分かるアルバムに仕上がっていると思う。

TEXT:河崎直人

アルバム『John Barleycorn Must Die』1970年発表作品
    • <収録曲>
    • 1. グラッド/Glad
    • 2. フリーダム・ライダー/Freedom Rider
    • 3. エンプティ・ページズ/Empty Pages
    • 4. ストレンジャー・トゥ・ヒムセルフ/Stranger to Himself
    • 5. ジョン・バーレイコーン/John Barleycorn (Must Die)
    • 6. エヴリ・マザーズ・サン/Every Mother's Son
『John Barleycorn Must Die』(’70)/Traffic

OKMusic編集部

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