小倉 唯

小倉 唯

【小倉 唯 インタビュー】
コロナ禍でもある時代に、
非常に意味のあるシングルになった

陰ながらみんなを支えて導いていく
今の自分が表現できる母性を意識

カップリング曲の「ハートフォレスト」はタイトルどおりの温かい楽曲ですね。この曲を初めて聴いた時、どんなイメージを持たれましたか?

曲自体に温かさとかやわらかさがあって、その中に芯があるというか。まだ見えない光を目指していくような、優雅でハートフルな楽曲だと思いました。なので、母性みたいな、何もかもを包み込んであげる壮大な気持ちで歌えるといいのかなと。今の自分だからこそ表現できる世界観にできたらいいな…そんな第一印象でしたね。

母性というのは具体的にどういうイメージでしょうか?

何があっても受け入れられる心の余裕みたいなものではないでしょうか。素直に受け止め、包み込むようなやさしさ…起こること全てを理解した上で、進んでいく人の背中を押すといったイメージです。

歌い方に関しても強さは意識されました?

やさしさや温かさというのはもちろん、気持ちに余裕を持つというか。一番先頭に立って行進して歌うんじゃなくて、一番後ろでみんなを支えて後押しする…山登りをしている時の一番後ろにいる先生みたいな(笑)。陰ながらみんなを支え導いていく、そういう距離感を意識して歌いました。

ちなみに《大丈夫 だいじょうぶ》の歌詞のところは漢字とひらがなになっているんですね。

私もここがすごく印象的に感じたので、実際に作詞をされた磯貝佳江さんに“これってどんな意味なんですか?”と訊いてみたんですよ。そうしたらこれは技法らしくて。同じ言葉をあえて違う字体で並べることによって印象づけになる、ということを教えてもらいました。

次の作詞活動に生かせますね。

その時は私も“なるほど、参考になる!”と思ったのですが、最近ライブの練習をしていたら、なんと自分もその技法を使っていたことを発見してしまったんです。「pyua purely」(2021年3月発表のシングル「Clear Morning」収録曲)の歌詞で《絶対ゼッタイ》と書いてあって! ちゃっかりと使いこなしていたのでびっくりしました。

もうすでにそのテクニックを使っていらしたとは!(笑) あと、歌詞の中で《あたりまえにある そう思っていたものの全てが/あたりまえじゃなくなっても》とありますが、小倉さんが当たり前に思っていたことが当たり前ではなくなったことというのは?

当時は当たり前だったけど、その時の当たり前が実は大事なことだったんだと気づかされる瞬間というのは、やはり何度か経験がありますね。環境的な変化もそうですし、友人や家族との距離感に関しても、自分の年齢とともに日々変化していくと思います。出会う人、去る人含め、変化していく毎日はいつもすごく不思議に感じます。

だからこそ、ひとつひとつの出会いが大事なんですね。

そうですね。あと、コロナ禍ということで、今は母と離れて暮らしているんですけど、今までずっと一緒に生活していたので、いつもだったらゴミ箱のゴミがいつの間にか消えてたのに、ずっとあるな〜みたいな(笑)。自分が捨てない限りあるという当たり前さに気づかされたというか。自分が動かないと何も動かないんですね。

魔法じゃなかったんだと(笑)。

はい(笑)。魔法じゃなかったというのは、やはりすごいことですよね。自分で置いたティッシュのゴミひとつにしても、今まで知らない間に消えていたのは当たり前じゃなかったんだと。母の偉大さを改めて感じます。

期間限定盤には「ハートフォレスト」のMVも収録されますね。

とてもファンシーで幻想的なMVになっています。ミニチュアで森を作っていただいたんですが、そこに合成で私もミニチュアサイズになって、光を探し求めるといった内容なんです。妖精さんみたいなイメージ。あえてダンスをしていなくて、リップパートのみの構成なんです。そういったMVは、今までにほとんどなかったので新鮮でしたね。MV撮影でダンスシーンがないと、こんなにも平和なんだというか(笑)、緊張感がいつもと全然違いました。そういう意味でも、全体的にやわらかい表情ができたのではないかと思います。

そんな今回のシングルは小倉さんにとってどんな作品になりましたか?

コロナ禍でもある時代に、非常に意味のあるシングルになったんじゃないかなと。大変な想いをされている方も多い中で、「Fightin★Pose」は“何があっても挫けない、負けない”というポジティブなメッセージを届けられると思いますし、打って変わって「ハートフォレスト」はそんな困難な状況を抱えたみなさんを温かく包み込むような曲になっていて。そういった2面性がうまく表現できたと思うので、何年か経過したのちにまた改めて評価されるような作品になったらいいなと思います。

あと、毎回小倉さんは新しい作品を発表するたびに新しいことにチャレンジされていますが、今後やってみたいことは何でしょうか?

次はMVの監督をやってみたいですね。あとは、久々にセルフプロデュースのシングルも作りたいな、とか。すごく長い目で見ると、いつかはガールズグループや他の方をプロデュースするといったことにもチャレンジしてみたいです。

取材:キャベトンコ

シングル「Fightin★Pose」2021年8月11日発売 KING RECORDS
    • 【期間限定盤】(CD+DVD)
    • KICM-92096
    • ¥1,980(税込)
    • 【通常盤】(CD)
    • KICM-2096
    • ¥1,320(税込)
小倉 唯 プロフィール

オグラユイ:多くの話題作で活躍する声優でありつつ、2012年に「Raise」でアーティストデビュー。18年には初となる単独アリーナ公演を成功させ、19年に行なった自身3度目のライヴツアーでは6都市7公演を大成功に収め、約20,000人を動員。20年には全楽曲のサブスクを解禁した。小倉 唯 オフィシャルHP

「Fightin★Pose」MV (Short Ver.)

「ハートフォレスト」MV (Short Ver.)

OKMusic編集部

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