ワンマンライブ『さくらしめじのゼップでロッ菌!』(Photo by 鈴木友莉)

ワンマンライブ『さくらしめじのゼップでロッ菌!』(Photo by 鈴木友莉)

さくらしめじ、
約1年越しに開催した
ワンマンライブのレポートが到着!

 デビュー8年目に突入したフォークデュオのさくらしめじが、7月18日(日)に東京・ZeppDiver City(TOKYO)で1日2公演に及ぶワンマンライブ『さくらしめじのゼップでロッ菌!』を開催した。

 朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」に出演中の髙田彪我(たかだ・ひょうが)と小説家としての活動も行う田中雅功(たなか・がく)によるさくらしめじは、コロナ禍による中止を経て、実に1年越しの開催となった本公演で、新しい一面を見せてくれた。これまでが<フォークデュオ版:さくらしめじ>だとしたら、この日はタイトル通りに<ギターロックバンド版:SAKURA-SHIMEJI>。それぐらいの大きな変化が感じられるステージとなっていた。

 まず、会場に集まった数多くのきのこりあん(ファンの総称)をざわつかせたのは、二人のヘアスタイルだった。バンドに続いて、ダメージデニムで登場した雅功の髪は人生初という金色に染められており、彪我はオールバックにセット。さらに、お馴染みのアコースティックギターではなく、二人ともがエレキギターを抱えており、本編で演奏された全15曲中11曲がエレキギターに焦点を当てたバンドアレンジとなっていたのもこれまでにはない試みだった。

 ライブは、2019年の夏に開催し、さくらしめじが初めてエレキギターを手にした全国ライブハウスツアー「ドッ!菌!青春!18本ツアー」に向けて二人で製作したギターロック「青春の唄」で勢いよく幕を開けた。雅功の挑発的な煽りに、きのこりあんが総立ちとなって応える中、雅功が反抗期の苛立ちをぶつけたダンスロック「でぃすとーしょん」、彪我が街に溢れるリア充カップルにミサイルを放つミクスチャーロック「たけのこミサイル」と、それぞれの自作曲を連発。そして、「TRACK1」と題した昼の部では、彪我が速いパッセージのギターリフを弾き、雅功がハンドマイクを持って歌うというスタイルでRADWIMPS「会心の一撃」を熱唱。夜の部である「TRACK2」では役割を交代し、雅功がギター、彪我がヴォーカルでKANA-BOON「フルドライブ」をカバーした。二人で作った曲、雅功曲、彪我曲、それぞれがソロでヴォーカルを務めるカバー曲と、最初の4曲で「さくらしめじ」というアーティストの要素を多面的に見せる構成となっていた。

 最初のMCでは雅功が「今日はロックですから、バンバン歌っていきますので、この調子でよろしくお願いします」とあいさつ。「朝が来る前に」は、ピンスポットの照らされた雅功がエレキギターの弾き語りで歌い始め、どんなことがあっても歌い続けていく決意を表明。さくらしめじの楽曲の中でも特に二人の追っかけやハーモニーが多い「スタートダッシュ」からは、雅功のみがエレキからアコギに持ち換え、メドレーのように繋いで会場の熱気を引き上げていった。心に届く言葉をテーマにした告白ソング「先に言うね」や素直に謝ることができない葛藤を描いた「あやまリズム」ではクラップとダンスで盛り上がり、「Bun!Bun!BuuuN!」では、二人はハンドマイクでステージ上を走り回りながら、いつものタオルではなく、さくらしめじ史上初となるサイリウムを回してオーディエンスのテンションを上げ、会場全体を一体にするほど大いに盛り上げた。

 ここで、二人ともアコギを手にしたあと、「ポケットからきゅんです」のひらめとコラボした女性目線の片想い曲「ストーリーズ」、男性目線の失恋をテーマにしたクールなR&Bナンバー「別れた後に僕が思うこと」と趣の異なるラブソングを続け、幅広い一面をアピール。そして、サイリウムを使った旗揚げゲームで楽しんだあと、雅功の「まだまだロックに盛り上がっていきましょう」という呼びかけを合図にラストスパートへと突入。「ねこの16ビート」では彪我の荒々しくシャウトでオーディエンスを踊らせ、中学生時代から歌ってきている「おたまじゃくし」はでみずみずしいダイナミズムを放つと、雅功が「お待ちかねの新曲をやります!」と語り、エレキギターのリフから始まるダンサブルなギターロック「わがままでいたい」を初披露。心の奥底から<今、ここにいる>ことを叫んだあと、10月に秋ツアーを開催することを発表。そして、ラストナンバーを前に、雅功がこの日のためだけに作られたバックドロップを振り返りながら、「ロックってなんだと思う?」と彪我ときのこりあんに問いかけるように語り始め、「曲調じゃないよ。エレキがあるかないかじゃないよ。アコギじゃないかどうかも関係ない。ロックは心の在り方だと思うんですよ。僕らは中学1年生の頃から変わらず、ずっとフォークデュオだったけど、そんな中でも、『でぃすとーしょん』のような激しい曲もやってきた。だから、僕らがフォークだと言えばフォークだし、ロックだと言えばロックなんです。それは、僕らだけじゃなく、みんなもそう思ったら絶対にロックになる。ロックは心の持ちようだから。だから、今日は最後の最後まで一緒にロックしてください。よろしくお願いいたします」と手を挙げた。会場から温かい拍手が沸き起こるなかで、最後に、<一人じゃないから大丈夫だよ>というメッセージを込めたエールソング「同じ雲の下」で爽やかで力強い歌声を会場全体に響き渡らせ、<また会おう>という音楽を通した再会の約束を交わしてステージを後にした。

 アンコールではアコースティックギターを持って、二人だけで再登壇。<TRACK1>では、言葉を通じた確かな繋がりを感じさせるメッセージソング「合言葉」を切々と歌いあげ、<TRACK2>では、まず、彪我が「世の中的になかなか会えない時期が続いているなかで、できないこともいっぱいあったし、悔しいこともたくさんありました。でも、今日、このライブでしか味わえない楽しさがあったと思います。今だからこそできる、最大限の楽しさをみんなと作れたと思う。今日、ここ、この会場に集まってくれてありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えた。その言葉を受け、雅功は自身が作曲し、二人で作詞した「イントロダクション」を急遽、アンコールに追加。きのこりあんへの「ありがとう」という気持ちを込めたレア曲だが、彪我はどうしても歌い出しが出て来ず、<Zepp DiverCityで久々に見れたみなさんの笑顔>〜と即興で歌詞を作って歌唱。笑顔と拍手に包まれる中、最後に、2年前のライブハウスツアー「ドッ!菌!青春!18本ツアー」の追加公演に向けて二人で作った楽曲で、現状はまだ音源化されていない「天つ風」を熱唱。改めて、フォークデュオとしての優しく温かい歌声とハーモニーの素晴らしさを再確認させた彼らは、秋に全国ツアー「さくらしめじの秋のツアー〜シイノトモシビ〜」を開催することも発表した。

 なお、この日、初披露した新曲「わがままでいたい」が7月19日(月)に配信リリースされる。また本公演TRACK2(2部)の模様が、8月26日(木)23:00〜24:30にMUSIC ON TV!(エムオン!)にて放送されることが決定した。

ライター:永堀アツオ
カメラマン:鈴木友莉

<セットリスト>
『さくらしめじのゼップでロッ菌!』
M1.青春の唄
M2.でぃすとーしょん
M3.たけのこミサイル
M4.会心の一撃(RADWIMPS:TRACK1)/フルドライブ(KANA-BOON:TRACK2)
M5.朝が来る前に
M6.スタートダッシュ
M7.先に言うね
M8.あやまリズム
M9.Bun!Bun!BuuuN!
M10.ストーリーズ
M11.別れた後に僕が思うこと
M12.ねこの16ビート
M13.おたまじゃくし
M14.わがままでいたい(新曲)
M15.同じ雲の下
<ENCORE>
EN1.合言葉(TRACK1)/イントロダクション(TRACK2)
EN2.天つ風(TRACK2)
ワンマンライブ『さくらしめじのゼップでロッ菌!』(Photo by 鈴木友莉)
ワンマンライブ『さくらしめじのゼップでロッ菌!』(Photo by 鈴木友莉)
ワンマンライブ『さくらしめじのゼップでロッ菌!』(Photo by 鈴木友莉)
ワンマンライブ『さくらしめじのゼップでロッ菌!』(Photo by 鈴木友莉)
ワンマンライブ『さくらしめじのゼップでロッ菌!』(Photo by 鈴木友莉)

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • POP TUNE GirlS / 『佐々木小雪のイラスト花図鑑』
  • POP TUNE GirlS / 『涼水ノアの、ノアのはこぶ絵』

新着