【インタビュー】竹島 宏 20年目に見
えた世界と新曲への想い

2021年に20周年を迎える竹島 宏。コロナ禍においても、コンサート、配信ライブ、YouTube、Twitterと活動の幅を広げ、ファンを喜ばせている。6月2日には最新曲「向かい風 純情」を発表。この曲は、『大富豪同心2』(NHK BS時代劇)の主題歌で、『大富豪同心』の主題歌「夢の振り子」に続いて、踊りも見どころな歌謡曲。今回、この曲についての思いやコロナ禍で発見したこと、20周年となる2021年の活動などについて話を訊いた。

取材・文:仲村 瞳

ビート感が沸き上がり、しっくりきたレ
コーディング

ーー最新曲「向かい風 純情」を初めて聴いた時の印象はいかがでしたか?

『大富豪同心2』(NHKBS時代劇)の主題歌というお話を聞いてから聴かせていただきました。今回、踊りもありという前提で先生達(作詞家・松井五郎、作曲家・都志見 隆)も作ってくださっていて、テンポ感が心地良いなあと思いました。それと同時に、松井先生の歌詞にも、さすがだなぁと深いメッセージ性を感じて、良い曲をいただけたという第一印象でしたね。
ーーキャッチ-な歌詞とメロディですし、聴いているとテンションが上がります。

そうですね。サビも色んなことに立ち向かっていけそうなフレーズです。松井先生と都志見先生の作品は、僕の中ではハードルが高く難しいなと思いながら歌うことが多いのですが、「向かい風 純情」に関しては、すんなりとレコーディングを終えることができました。
ーーレコーディング時のエピソードはありますか?

「うん、いいんじゃなあい」というのが先生方のいつものセリフなんですけど、“もうちょっとしっくりくるものがないかな? もう一回歌いたいな……”と思って、最後に歌い直したバージョンが今のCDになりました。自分の中でのビート感と、曲の個性と、うまく重なり合う瞬間、その時にしっくりくるというか……。僕の中での満足感というより納得感みたいなものが上がるというか、今回の「向かい風 純情」ではそれがうまくいった気がしました。
ーー今回、歌詞で特に好きな部分や、特に意識して歌われたのはどんなところでしょうか?

前半はわりと歌詞に重点をおいて、日本語がクリアに聞こえるような状態を目指して歌いました。僕の場合は、滑舌が全体的にぼんやりしていることがあるんです。それをAメロの部分は意識して歌うようにしました。あとは、疾走感のある歌なので、発声にもスピードを感じてもらえるような音色を目指して、サビを歌わせていただきました。やっぱり一番は、「なんだい 向かい風くらい なんだい 向かってけばいい」とか、キャッチ-な所でどれだけ皆さんにインパクトを残せるかというところです。ただ、今回の歌は全体的に細かいところはそれぐらいで、全体的なビート感が今回の歌の肝かなと思います。
ーービート感なのですね。何回歌われたのですか?

6回歌って、そのビート感というのが沸き上がってきたのが、一番最後に録り直した時だったと思います。それまでは、音楽と一緒に合わせてビートを出していたという感じでした。オーケストラは先に録ってあるので、そこに何かが生まれることはないように聞こえるんです。そこで、自分がビートを感じながら歌うことによって、オーケストラをリードしているような状態で歌えたのが今回の最終的なものです。レコーディングの途中まではオーケストラと一緒に歌っているという感じでした。「せーの」で一緒に同じ指揮者を見ているというような……。最後のテイクは僕が指揮者で、竹島のビートに合わせて皆が演奏してくれているような状態になれたと思います。その時にしっくりくるというか。都志見先生も最後に「つかんだね」と言ってくださいました。
ーーそこに到達できる方というのは少ないのではないでしょうか?

大御所と呼ばれる、ヒット曲をお持ちの方は到達されているのではないでしょうか。僕の中では、スタンダードナンバーのヒット曲を作るためのポイントというかツボみたいなものが見えたのが今回のレコーディングだったかなと思います。これからまた、色々な歌と出会ってきた時に、そこを目指してレコーディングをしたり、お客様の前で歌うことができるようにしたいです。例えば、竹島に興味がない人が聴いても「お、なんか今回の歌いいね、竹島君」みたいに言っていただけるような状態になるんじゃないのかな、という気がしますね。
ーー今年の1月に配信された、YouTubeの『新春放談』もすごく面白かったです。あの中で竹島さんが、コロナ禍において「自分を見つめ直す時間が増えた。自分の音源を聴き返す時間が増えた」と仰っていましたが、そういったことも今回のレコーディングに影響しているのでしょうか?

大きくあると思います。自分の歌を聴き返す時間に加え、コロナ禍でもう一つ鍛えられる機会がありました。それは、配信ライブです。配信ライブは、ライブ感やホールの残音がほぼカットされた状態です。でも、ライブということで、ものすごく興奮してテンションを上げて歌うのですが、自分の嫌なところも良いところも全部伝わってしまいます。お客様は、どう受け止めてくださっているのかわかりませんが、レコーディングや公開レコーディングに近い状態が配信ライブだったので、僕にとっては非常に鍛えられました。毎回、より精度を上げていこうと試行錯誤しています。オリジナル曲もその時の体調や声の状態でピッチが甘いとか、リズムが走っているとか、悪くないけど言葉が流れちゃってるとか、調子悪そうだけど、この歌は良く聞こえるな、とか、そこを自分なりに客観的に分析することができました。コロナ禍で、外に出られない状況ではありましたが、観察する時間、復習する時間、フィードバックして次につなげる時間に費やすことができました。そういう意味では、有効なおうち時間の過ごし方ができたのではないかと思います。
ーーコロナ禍でたくさんの発見があったのですね。

はい。自分が完璧だと思っているものが、お客様にとっては完璧ではないこともあるし、自分がダメだと思っている部分が逆にお客様には、“そこがほしかった!”と受け止められることもあると感じました。僕は、乙女座のA型なので、「ほぼ完璧な状態じゃないと嫌だ。自分が許せない!」と、自分でハードルを上げてしまいがちです。そのくせ、できないと自己嫌悪で「ウワー!」となっていたのが、最近は「それも全て今の自分だから」と思い、仕事に取り組めるようになりました。
ーーYouTube『竹島宏.TV!』の「お家で歌っちゃいます!!」も面白いですね。アカペラで伴奏と歌も歌われているのが良いです。マイクのように持っている「夢叶える棒」はご自宅のサボテンなのですか?

はい。少し前にいただいたものです。本当はマジックか何かを持って歌おうと思ったんですが、サボテンと一緒がいいかな、と。そのサボテンにたまたま「夢叶える棒」という別名が付いていることを言ったら、ファンの皆さんが喜んでくださって。何人かの方が同じものを買い求めてくださったみたいです。
ーーそういうことだったのですね。「竹島宏 自宅配信」シリーズでは、過去のライブ映像が見られるのも良いですね。

あの時は、何をしていいかわからない状況だったので、そういえば、昔の記録用に撮っている映像があったなと思いアップしました。画質も音もそれ用に撮っていないのですが……。皆さんの気分転換にでもなったらいいなと思いまして。
ーーもう少し新曲についてお聞きしたいのですが、ミュージックビデオの撮影は、今回どうされたのですか?

今回、『大富豪同心2』の本編で役者さん達も踊っていらっしゃるので、それを活かしながら、竹島 宏なりの振付を考えていただいて、ミュージックビデオの中では踊らせていただいています。インパクトもあって、笑われるかもしれませんが、わかりません(笑)。見ていただかないと(笑)。
ーーダンスも進化されて凄いですね。

今回のミュージックビデオ撮影の前日に、いつも振付をお願いしている先生が、地方にお母様の看病に帰らなきゃいけないというタイミングになってしまったので、送っていただいた動画を見ながら一人で練習しました。先生は「いいんじゃない?」と、上手くなったのではなく、「覚えが早くなったね」と言ってくださったので、まあ、良かったです(笑)。
ーージャケットの写真はどんなことをイメージされていますか?

時代劇の主題歌なので、「和服でも着ちゃう?」「ちょんまげでも付けちゃう?」とか色々な案がありましたが、最終的にはアーティストに徹しようということになりました。AタイプとBタイプで写真が違うのですが、両方とも青い色の衣装を着ました。それは僕の中でサムライブルーというか「ジャパンブルー」というイメージです。時代劇と何か通ずることはないかなと思った時に、時代が変わっても心意気みたいなものは一緒だろうなということで決めました。僕も自分の世界で頑張っていくし、この主人公の八巻卯之吉(やまきうのきち)さんも見廻り奉行の同心の世界で頑張っていくとか、そういう色々なこととつながると感じまして。ジャケットのデザイナーさんには、「向かい風の中で華麗に舞うようなイメージで、花びらを散らしてください」とお願いしました。
ーー素敵です。今までの写真よりも男性的な雰囲気のように感じます。

強い意思を感じるような視線を意識しました。ミュージックビデオも、わりと目を意識しています。今まで見たことがない表情を見ていただけるのではないでしょうか。このジャケット写真と違う、動きのある竹島 宏の見る先には何があるんだろう? と想像していただけるような映像と写真に仕上がったと思っています。

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