現代音楽アンサンブルの最高峰と称さ
れる室内オーケストラ、アンサンブル
・アンテルコンタンポランの公演が開

2021年8月29日(日)神奈川県立音楽堂にて、音楽堂ヘリテージ・コンサート『アンサンブル・アンテルコンタンポラン』が開催される。
アンサンブル・アンテルコンタンポラン(以下 EIC)は、世界にあまたある現代音楽アンサンブルの最高峰と称される室内オーケストラ。20世紀を代表する指揮者・作曲家だったピエール・ブーレーズが、当時の文化大臣、ミシェル・ギー、著名な芸術支援者ニコラス・スノーマンの協働と支援を受けて設立した「ソリストたちのアンサンブル」だ。31人のアンサンブルのメンバーは全員がソリストとしての優れた力量と活動実績を持ち、20~21世紀の音楽への情熱を共有している。
マティアス・ピンチャー(音楽監督・指揮)  (c)Franck Ferville
そんなEICを率いるのは、音楽監督のマティアス・ピンチャー。本公演でも音楽監督・指揮を務める。EICは、作曲家の細川俊夫の強い推薦で、今年のサントリーホールサマーフェスティバルのメインパフォーマーを務めるが、今回、音楽堂ではサントリーホールと共同招聘という形で、EIC側と綿密な相談を経てホールの特性に合わせたオリジナルプログラムを披露する。また、水戸芸術館での演奏も合わせて、三館全て違うプログラムで公演を行う予定とのこと。
アンサンブル・アンテルコンタンポラン  (c)EIC
音楽堂では、定番のブーレーズ、同館を運営する神奈川芸術文化財団の芸術総監督である一柳慧の曲に加え、現代フランスの最高峰、グリゼイや、EICが今大注目しているアイスランド出身の女性作曲家、アンナ・ソルヴァルズドッティルなど、コアな現代音楽ながら、きらめきと薫りにみちた最高峰の演奏に浸れるプログラムが用意されている。
音楽学者:沼野雄司 コメント
究極の中途半端が炸裂させるモダニズム
1976年。パリでひとつの現代音楽アンサンブルが誕生した。仕掛け人は、20世紀の現代音楽界を代表する知性、ピエール・ブーレーズ。彼が目論んだのは、「室内楽」と「オーケストラ」という二極の中間で、どちらにでも対応できる精鋭たちによる演奏団体を作ることだった。
実に中途半端なサイズ。しかし、時には1人で3人分の力を発揮し、時には3人が1人のようにふるまいながら、この団体は音楽史の新しいページを次々に開拓していった。現在にいたるまで次々に設立されることになる「現代音楽アンサンブル」の草分けにして最高峰、それがアンサンブル・アンテルコンタンポランだ。
音楽におけるモダニズムの究極を体現するこの団体が、この夏、横浜に上陸する。奇しくも場所は、日本のモダニズム建築を代表するホール、神奈川県立音楽堂。ちなみにもうひとつ、面白い符号がある。この音楽堂、座席数が1,054席、すなわち大ホールでも小ホールでもない、中途半端なサイズなのだ。中途半端とモダニズム。とてつもないケミストリーの予感がするではないか。
曲目が実に刺激的だ。創立者ブーレーズ、怪人リゲティ、スペクトル王グリゼイ、日本が誇る一柳慧、そしてアンテルコンタンポランが強く推薦する若手二人。彼らが書いた、このアンサンブルのための音楽が8月29日、音楽堂で炸裂する。あとは我々が目撃するだけだ。

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