『風雲!大阪城音泉~曲者編~』3日
目は打首獄門同好会、キュウソネコカ
ミ、POLYSICSが登場、天気に翻弄され
た記憶に残る1日

風雲!大阪城音泉~曲者編~ 2021.7.31(SAT)大阪・大阪城音楽堂
関西のコンサートプロモーター清水音泉が7月23日(金・祝)と、7月30日(金)~8月1日(日)の4日間にわたり、大阪城音楽堂にてライブイベント『風雲!大阪城音泉』を開催した。
7月31日(土)は、「曲者編」と題し、打首獄門同好会キュウソネコカミPOLYSICSが出演。新型コロナウイルスの感染拡大防止ガイドラインに基づき、入場時の検温・消毒・マスク着用を済ませた観客が席間を空け着席すると、まずは主催の清水音泉・男湯こと田口真丈氏が挨拶。感染症予防対策に加え、熱中症対策についても呼びかけた。本イベントは、再入場OKということで、気分が悪くなったときや体調に不安を感じたときは、大事をとって場外で休むことができる。
キュウソネコカミ
ステージ下手側に設置された和太鼓の後ろから、POLYSICSより拝借した黒いバイザーとド派手なオレンジの袴姿で現れたのはキュウソネコカミ・オカザワカズマ(Gt)。「僕ギターなんですけど……大役を承ったので気持ちを込めてやらせていただきます!」と鮮やかに太鼓を打ち鳴らし、一番手の「曲者」POLYSICSを呼び込んだ。
POLYSICS
3人の登場と同時に会場はスタンドアップ、そしてハンズアップ。「『風雲!大阪城音泉~曲者編~』始まるぞー!!」とハヤシヒロユキ(Vo.Gt)が高音ボイスで爆上げし気合を入れる。フミ(Ba.Vo)とハヤシのツインボーカルと高速ビートがパンキッシュな「Young OH! OH!」から流れるように頭上手拍子の「Let’ s ダバダバ」へ。文句なしに楽しい展開に頭上クラップの音も強くなる。フミのベース音のみが響く中、声は出さずにダバダバの大合唱!
POLYSICS
「やってきたぜー!大阪城ーー!!」MCへ突入してからもテンションの高さは持続かと思いきや、「さっき楽しそうにダバダバ言ってたけど、メガネの下はすごい死にそうな顔してた(笑)」(ハヤシ)とあまりの暑さに参っている様子。この日の大阪の最高気温は35.2度。肌が痛いくらいの日射しがじりじりと降り注いでいたのだ。そんな中、「大阪のイベントは久しぶり! 壱番風呂だけど、熱めの温度設定にしてるんで最後まで燃えていこうぜ!」と手加減なしのライブを宣言した。
POLYSICS
「MEGA OVER DRIVE」「Crazy My Bone」の快楽的なサウンドと轟音が脳天を揺らし、ヘドバンやジャンプなどその場で暴れられる最大限の方法を駆使して身体を動かすオーディエンス。「暑いけど気持ちいい! いい湯だ!」と言うように、中盤になると少し風も吹いてきて、日射しも弱まってきた。
「新曲ができたので、タイトルは決まってないけどやっちゃおうかな?」(ハヤシ)「仮タイトルは?」(フミ)「『がんばれ田口くん』にしとこうかな(笑)」(ハヤシ)と急遽仮タイトルが決定した新曲が披露された。ドライビンなギターリフとギターソロが炸裂するロックサウンドが新鮮だ。
POLYSICS
続く「TOISU!」コールでは、フミがサンプラーで観客の「TOISU!」を再現する合理的なコール&レスポンスで盛り上げる。これには腕の振りマックスで応えるしかない。「さらにお風呂の温度を上げちゃっていいかな!」と煽り後半戦へ向けてギアをあげると、「シーラカンス イズ アンドロイド」では心配になるくらいアクション激しく、会場を沸騰させていく。「Funny Attitude」のスぺーシーでハードコアな展開に翻弄され、「SUN ELECTRIC」で最後は倒れ込みギターをかきならすハヤシ。濃厚なナンバーがつまった後半を全身全霊でかけぬけた。自らが鳴らす音楽へ信頼感と、どんな時でもオーディエンスの愛に溢れた人間味あふれるライブでアツすぎる壱番風呂を終えた。
POLYSICS
POLYSICSが終わって間もなく、雲行きが怪しくなってきた。急遽ステージにはテントが設置され、観客は雨具の準備をしながら転換の様子を見守った。
キュウソネコカミ
呼び込み担当は、キュウソグッズを身につけた打首獄門同好会・河本あす香(Dr.Vo)。力強い打音で弐番風呂・キュウソネコカミを紹介すると、オリンピック開会式さながらにドラクエSEとともに5人が行進してくる。芸が細かい。「追い炊きしていくぞー!!」(ヤマサキセイヤ/Vo.Gt)「曲者揃いの今日を楽しもうぜ!」(ヨコタシンノスケ/Key.Vo)2人の咆哮が響くと、降り出した雨の中バンドマンの心意気を見せつける「The band」でスタート。観客はジャンプで応え、全員の手が左右に振られる。「テントなんかいらんから暴れまわりたい!」と言わんばかりに、雨が強まるほどにエモさが増していく。
キュウソネコカミ
「ポカリ伝説」では、イベントの公式ドリンク(!?)かのようにポカリスエットのペットボトルを掲げる人も。雨は降っているが空は明るい。小雨がミスト状に降り注ぎ、体の熱を冷ましてくれる。揺れるポカリスエットと相まって夏らしい光景が広がる。
「フィジカル曲者バンドのキュウソネコカミです! コロナのせいで武器奪われまくり!」と嘆くセイヤ。「曲者として呼ばれたからには、普段大きなステージではやらないクセ強めの曲をやります!」との宣言にファンは歓喜! その宣言通り、「クーラーがきいた涼しい部屋でオリンピックを観るのにベストマッチな曲」という「MUKI不MUKI」を。まさに今聴くべきレア曲だ。
キュウソネコカミ
「記憶にございません」ではヨコタが「釣られて声を出すべからず」と書かれたプラカードを掲げ、「ハイハイハイ!」とハンドマイクを会場に向けるセイヤの煽りに、賢く無言を順守する観客(心の中では大声)に対し、ヨコタが「よくできました」のプラカードを出す。プラカードの文字はオリンピック開会式のようなフキダシ風になっていた。また芸が細かい。制限がある中のライブでも、あの手のこの手で楽しませてくれる工夫になんだか胸があつくなった。
キュウソネコカミ
「今やサブスクでも聴けない!」という「困った」では縦横無尽に暴れまくるセイヤ。売りであるフィジカルクセを出しまくる。そしてお馴染みの「社会のしがらみ」を各面に書き連ねたダンボールが登場! 中には「真面目に自粛してる人のほうがたった1回の飲み会で感染しそう。自分を貫け! 流されるな! 断る勇気を持て!」というコロナ禍への注意喚起も。しがらみを出しつくしたあとはダンボールに飛び込んでフィニッシュへ。
「不安だらけやと思うけど、この瞬間だけでも俺らについてきて! 病気は治せないけど元気を与えることはできる!」(セイヤ)と言うと「ビビった」では、今日イチのジャンプとダンスが後方まで会場を埋める。そんな光景が雨の匂いとともに夏の想い出となっていくよう。「ハッピーポンコツ」では、お互いにカメハメ波をくりだし合って力を与え合う5人とオーディエンス。そこにはたしかに元気玉が見えた。
キュウソネコカミ
そしてこれだけでは終わらないのが彼ら。「お願いシェンロン」では、スケートボード状の筋斗雲が登場。「これで2往復したら感動できるハズ」と謎の新種目でセイヤ選手が見事ステージを2往復すると、審査員(メンバー全員)から10点満点を獲得。「日本代表ヤマサキセイヤ金メダル!」(ヨコタ)と金メダルが授与された。ラストはメンバーが支える巨大筋斗雲に乗って、ジョン・レノンの「イマジン」をBGMにハケるという哀愁漂う曲者感をステージに残し、熱狂と笑いの中、幕となった。
POLYSICS
キュウソのライブ終了と同時に嘘のように雨が止んだ大阪城音楽堂。涼しくなり夕暮れ前の青空がのぞく。トリの曲者を呼び込むPOLYSICS・ヤノマサシ(Dr)は殿様姿。ちょんまげを揺らしながら太鼓を叩く姿に釘付けに。
打首獄門同好会
参番風呂の打首獄門同好会は、「今、憎さが最高潮だ!」と嘆く「新型コロナウイルスが憎い」からスタート。こんな時にライブができる喜びをイントロダクション的なナンバーに。どんな苦境もエンターテインメントに昇華する、転んでもただでは起きない精神は頼もしく、とびきりの安心感を与えてくれる。
打首獄門同好会
「足の筋肉の衰えヤバイ」では、衰えを感じないjunko(Ba.Vo)の軽やかなプレイに見惚れる。「あいかわらず不自由を強いられていますが、その場から動けなくても、スクワットくらいはできるのでは?」(大澤敦史/Vo.Gt)と筋肉の衰えを気遣う筋肉ソングが続く序盤。「筋肉マイフレンド」では、大澤がイントロでライトハンドを炸裂させると、筋肉名をデスボイスで紹介。「みんなもやってみよう」とVJに表示されると、全員(客席から袖のスタッフまでも)が手を頭の後ろに組み、もくもくとスクワットする光景はクセでしかない。
打首獄門同好会
続いて「ただ手を叩くだけではつまらない。日本人の魂を揺さぶる三三七拍子はいかがでしょうか!」と呼び掛け海鮮メニューに合わせて三三七拍子をくりだす「島国DNA」もただただ楽しい。「夏にしかやらない曲をやります。14~15時を思い出して聴いて」と始めた「なつのうた」は、トロピカルなボサノヴァとデスメタルサウンドの繰り返しがたまらない。
MCタイム(休み時間)はしっかり座って休憩。健康第一ということを観客も心得ている。「今日は天気が一番の曲者だ」と語る大澤。キュウソと出番が前後だった2019年の『イナズマロックフェス』でも打首獄門同好会演奏時には晴れていたが、キュウソが始まると豪雨にみまわれたという話になり、「うちは晴れバンド。キュウソネコカミと前後で組むと何かが起こるというジンクスがある。今日はあの時と同じ。これはデータとして残しておかないと!」と全国のフェス関係者に注意を呼び掛けた(笑)。
打首獄門同好会
後半に突入すると空が暗くなり、照明も映える時間帯に。「きのこたけのこ戦争」では、怒涛のドラムと「きのこたけのこ」シャウトが夏の夜に映える。「歯痛くて」のアカペラ音頭からのめくるめく怒涛の曲展開に圧倒され、歯周病の怖さにビビッているといよいよライブも終盤へ。
「コロナ禍でライブができなくて、去年最初にライブをやったのが大阪。春のツアーファイナルが中止になり、さまざまなフェスが中止になり、3ヵ月近くライブができず、やっと今日ライブができたのも大阪。今日の予定がなかったら心が腐りきっていたかも。いつも元気づけてくれる、支えてくれるみなさんに感謝します!」
打首獄門同好会
「乗り越えたら、またライブハウスやフェスで会いましょう!」と、自由が開放されていない出口の見えない現状で、音楽・ライブができることへの喜びや感謝を繰り返す会長の気持ちのこもったMCに会場から大きな拍手が送られた。
「今日は俺たちがみなさんのかわりに声を出すから!」とキラーチューン「日本の米は世界一」でヘドバンも飛び出し、フロアはクライマックスの熱狂へ。最後は「明日の計画」で、しばらくは元気でいられるだけのパワーをたっぷり充電させてくれた。
打首獄門同好会
取材・文=岡田あさみ 撮影=Viola Kam (V'z Twinkle)

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