ロックンロールの成立に
大きな影響を与えた
シスター・ロゼッタ・サープの
『ライヴ・イン・1960』

シスター・ロゼッタ・サープのこと

サープは1915年生まれで、母親が教会のゴスペル歌手兼ブルースマンドリン奏者で、彼女は幼少期から母親を真似てゴスペルを歌いながらギターを弾くようになる。6歳の頃にはギターと歌で巡業を始めているので、かなり早熟のプレーヤーである。彼女のギタースタイルは、ジャズとブルースの中間的なフレージングが特徴で、ゴスペルに合う演奏スタイルを試行錯誤しながら身につけたものだろう。

39年に最初のソロレコード「ロック・ミー」をリリースする。このレコードがゴスペル界において初のミリオンセラーヒットとなった。前述の『フロム・スピリチュアル・トゥ・スウィング』に出演したのは38年で、自身のレコードデビュー前に大物たちと共演しているのだから、デビュー前から相当に人気があったと思われる…というか、当時はギターを弾く女性自体が珍しいのに、独創的なギターを弾きながら歌を歌い、曲も書いているのだから相当注目されていたはずである。

そして、サープは40年代に入ると早くもエレキギターを手にして活動するようになる。

ロックシンガー、
ソウルシンガーへの影響

彼女の出すレコードはヒットを重ねる。エルビス・プレスリーは「学校が終わると家に走って帰り、ラジオ局WELOから流れるシスター・ロゼッタ・サープのギターと歌に聴き入っていた」(『ロックを生んだアメリカ南部 ルーツミュージックの文化的背景』ジェームス・M・バーダマン、村田 薫共著、NHKブックス)そうである。

他にもヴォーカリストとして、サープの真似が得意なリトル・リチャードにはデビューのきっかけをお膳立てし、ジェリー・リー・ルイス、アレサ・フランクリン、ティナ・ターナー、ジョニー・キャッシュ、アイザック・ヘイズらにもカリスマ的パフォーマーとして大きな影響を与えている。

ギタリストの面で言えば、チャック・ベリーは「デビューしてからずっとサープの真似をしているだけ」とインタビューで答えているぐらい彼女のギターに影響されているのだ。もうこうなると、ロックンロールはシスター・ロゼッタ・サープが生み出したものと言ってもいいのではないだろうか。

OKMusic編集部

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