【Half time Old インタビュー】
音源を聴くだけで満足できる
クオリティーにしたかった
自分の中に好きなものがあって
行きたい場所に向かっていけたらいい
そして、『au三太郎シリーズ』のCMソングになった「みんな自由だ」もバンドにとって大きな経験だったと思います。
鬼頭
僕らもびっくりする出来事でしたよ。タイアップが決まったという連絡を受けたのは、ちょうどスタジオで練習している時で。
内田
ひと段落ついたタイミングで、マネージャーから“決定しました!”とLINEが来てたんだよね。
鬼頭
知らせを聞いてメンバーはみんな平然を装っていたんですけど、うっちーだけは拳を突き出して“YEAHー!”みたいなことをしてきて、よく分からないキャラになっていた。
鬼頭
嬉しかったけど、プレッシャーもありましたね。今までのシリーズを担当されてきたのが、錚々たるアーティストばかりなので。とにかく頑張りました。
もともとある楽曲(原曲は作曲家スコット・ジョプリンの「ジ・エンターテイナー」)をアレンジしたことはどうでしたか?
鬼頭
そもそも「ジ・エンターテイナー」はみなさんに馴染みがあってすごく人懐こいメロディーの曲なので、僕らが自分たちの色をかなり出してもポップで聴きやすい仕上がりにはなると思っていました。歌詞を書かなかったのは初めてでしたけど、自分の根本と真逆のことを歌っているわけじゃないし、むしろフィットする感じがあって想像以上に気持ち良くやれて面白かったです。
小鹿
本当に自分たちらしく演奏させてもらいました。メロディーがほぼ決まっている中で個性を出すには、やっぱりアレンジが重要で…激しいカッティングやロックなギターソロは僕そのまんまって感じですね。
内田
飽きさせないというか、ずっと聴いていられるような曲にしたいと思っていましたね。リズムアレンジとかも含めてみんなで話し合って、セクションがわりと目まぐるしく変わる楽しい感じにできました。ラスサビの前あたりで、今までやってこなかったEDMのニュアンスをいい塩梅に入れてみたり。
阪西
CM尺に取り組むのも新鮮でした。まず1分の中でテンポと構成をいろいろ考えながら作って、そこをクリアーしてフルサイズのものを完成させていくっていう。フルでも3分弱の短い曲なんですけど、いかに展開をつけていくかみたいな工程が思い出深いです。
YouTubeドラマ『世田谷ベランダの恋』主題歌に起用された「アセスメント」についても聞かせてください。
鬼頭
当初はサビがまったく違うメロディーで、AメロやBメロのムードを受けた感じだったんですけど、それがあまり僕の中でしっくりきていなかったんです。最終的にどうせならもっと明るく爽快なメロディーにしてしまおうと、がらりと変えたのが今の完成形なんですよ。そのおかげで歌詞も希望がある方向に向かえた気がしています。だから、より明と暗のコントラストがはっきりしましたね。
「アセスメント」のアクションシーンありのMVも面白かったです。YouTubeのコメント欄を見ると“ドラマからきました!”という感じの反応が多くて、「みんな自由だ」と同じく「アセスメント」がHalf time Oldを知るきっかけになった方も多いみたいですね。
阪西
そういう反応はたくさんいただけていて、本当にありがたいです。もっと知ってもらえるように僕たちも頑張ります!
「なにもの」も今作のキーになる曲だと思います。ストリングスなどが効いた室内楽的なアレンジも素晴らしかったです。
鬼頭
等身大な内容にいろいろな情景描写を入れつつ、どんな人にでも当てはまるような曲になればいいなと思って歌詞は書きました。
《何もできないけど僕がいれるのは 「何者になるの?」を聞かずにいること》のラインが印象的だったのですが、ここに込めた真意というのは?
鬼頭
僕自身“将来はミュージシャンになりたいんだ!”という想いでバンドをやってきたんですけど、その過程で周りから“具体的にどうするの?”“どんな道筋を辿って夢を叶えるつもりなの?”みたいな重圧をかけられることがすごくあったんですよ。自分の中でどんなに強く純粋に思っていたとしても。なので、この曲で言いたかったのは、それを聞かずにいることを肯定する…逃げではなくて、誰かにうまく説明できなかったとしても、自分の中でしっかり好きと言えるものがあって、たくさんの経験を積み重ねながら、行きたい場所に向かっていけたらいいんじゃないかと思ったんです。
全国5カ所を回る『「ステレオアーモンド」リリースワンマンツアー“発芽”』も控えていますが、今後に向けての展望などをお願いします。
阪西
コロナ禍の状況はまだ変わっていないので、ライヴのやり方だったりどう動いていくかをしっかり考えていきたいです。どうすればお客さんにより楽しんでもらえるかとか。知ってもらえている方には忘れられないように、Half time Oldとまだ出会ってない方には見つけてもらえるように。最初にも話しましたけど、いい曲を作っていくことを一番大切にしたいですね。
内田
4人で常々言っているのは、このバンドで音楽を続けていきたいってことですね。音楽に対してもそうだし、メンバーに対しても誠実でいられたらと思います。
小鹿
札幌と福岡でのワンマンは約2年振りなので、制限された状況下ではありますけど、“ライヴって楽しいんだぜ!”という気持ちをお客さんに思い出させるようなツアーにしたいです。
鬼頭
うん。今ならではのライヴの楽しみ方を僕らが提示してあげたいと思っているので、ぜひツアーへ遊びにきてください!
取材:田山雄士
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ミニアルバム『ステレオアーモンド』2021年10月27日発売
ZEN MUSIC
- 【初回盤】(CD+DVD)
- UPCH-7604
- ¥3,300(税込)
- 【通常盤】(CD)
- UPCH-2235
- ¥2,200(税込)
『「ステレオアーモンド」リリースワンマンツアー“発芽”』
11/14(日) 北海道・札幌SPiCE
11/28(日) 福岡・Queblick
12/09(木) 東京・TSUTAYA O-EAST
12/11(土) 大阪・UMEDA CLUB QUATTRO
12/26(日) 愛知・Zepp Nagoya
ハーフタイムオールド:名古屋出身の4人組ロックバンド。鬼頭大晴(Vo&Gu)の描く“現実を切り取った日常”“現実への希望”を表現する詞の世界観と唯一無二の歌声から、多くの若者から支持される。2019年、数々のライヴサーキットにて入場規制、大型フェス『FREEDOM NAGOYA 2019』『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』へも出演。20年にはau三太郎シリーズ「みんな自由だ」篇 TVCMソングを担当し、同曲はYouTubeにて1,000 万回再生突破!Half time Old オフィシャルHP
「アセスメント」MV
「エール」MV
「ステレオアーモンド」
新曲ダイジェスト