鈴木康博

鈴木康博

【鈴木康博 インタビュー】
身近なことだったり、
ふとした時に感じられることを
歌っていきたい

今を一生懸命に生きることが大事

さらに、シティミュージックに通ずる味わいの「2050」やハードロック感のあるユニゾンリフを活かした「現実ってヤツは」、グラスミュージック/カントリーっぽい「世代間格差」なども注目です。

「2050」はサビを見つけるのに結構時間がかかりました。最後まで“これでいいのかな?”と思いながら作る…みたいな(笑)。最終的にいいところに落とし込めたと感じているし、言われたようにシティミュージックっぽさがありつつ、アコギを押し出すことで独特な感じにできたのも良かったんじゃないかと思います。

同感です。ギターソロも聴きどころで、中間のソロは後半のフュージョンっぽいフレージングがお洒落ですし、アウトロのソロはホット&アーバンな味わいが光っています。

いやいや、そんなにすごいソロじゃないから(笑)。世の中にはうまい人がいっぱいいるし、僕はアドリブで弾けないんですよ。なので、いつもメロディーを作っていく感覚で、ソロも考えています。僕はエレキギターを始めた年齢が遅くて、ちゃんとギターソロを弾くようになったのは27歳くらいになってからじゃないかな? みんな中学生とか高校生の頃からエリック・クラプトンやブルースとかのギターソロをコピーしていて、いろんなフレーズを知っていたけど、僕は全然なかった。いわゆるディストーションサウンドでギターソロみたいなことをやり出したのは、Bostonをコピーしてからだったんです(笑)。そのあとEaglesとかも好きになって、そのへんを夢中でコピーするようになりましたけど。そういう流れだったので、速弾きはあまりできないし、スケールとかも知らないんですよ。「2050」のフュージョンっぽいフレーズもジャズ/フュージョン畑の人がああいうフレーズを弾く時は理論に基づいてスケールを選ぶことが多いと思うんですね。僕はそういうことは疎いのでバックのコード進行に合うメロディーを探したら、こうなったという感じです(笑)。

理論やスケールを知らなくても良い音楽を作れることの証と言えます。「2050」の歌詞は“テクノロジーの進化が早くて、すぐに新時代がやってくる”ということを歌われていますね。

最近はカーボンフリーだなんだという言葉をよく聞くけど、実現するのか、未来がどうなっていくかは誰にも分からない。そういうことをテーマにした曲を書きたいと思ったんです。僕は未来に対して特に期待もしていないし、かと言って闇雲に“昔は良かった”と言う気もないんですよ。今を一生懸命に生きることが大事だと思っていて、「2050」はそういう想いを書きました。

変化も受け入れようという姿勢に若々しさを感じます。続いて、「現実ってヤツは」にいきましょう。

さっき話したように林家木久蔵師匠が歌詞を書いてくれて、“不条理な世の中に文句を言うよりも前向きに生きようよ”ということを歌っています。楽曲的にはライヴの時にフックになる曲が必要だということで、ちょっとロックテイストのギターを活かしたものを作ろうと。それで、ギターにディストーションをかけて遊んでいたらできたような感じです。年齢を重ねると激しいものを避けるようになる人が多い気がするけど、僕はやりたいんです。ライヴでこういう曲をやることで、お客さんが喜んでくれることを知っているから。今もライヴがやれているからこそ、そういう気持ちになるんだと思うし、ステージに立っていなかったら違ったと思います。

この曲も鈴木さんにとってのリアルであることは、楽曲に無理をしている感じがまったくないことからも伝わってきます。「現実ってヤツは」はブルージー&エモーショナルなギターソロも魅力になっていますが、ソロを弾くか弾かないかはどんなふうに決めているのでしょう?

ライヴをする時に楽なように、なるたけギターかハーモニカでやるようにしていますけど、ソロを弾きたいと思っているわけでもなくて。曲を作る時はいつも間奏の楽器は何がいいかを考えて、ギターやハーモニカ以外の楽器が合うと判断したら迷わずそうしますね。とはいえ、今はコロナ禍で誰かに弾いてもらうわけにいかないから、今回はサンプリングでなんとかするというイージーなやり方をしました(笑)。

イージーではなくて、底力を感じます。コロナ禍で苦しい中でも自分がやれることをやろうと決めたミュージシャンもいれば、発信することをやめてしまったり、音楽から離れてしまったミュージシャンもいますし。鈴木さんは完全に前者で、本当に音楽が好きなんだなと。

まぁ、他にやることがないからね(笑)。

どうなのでしょう? 音楽以外にやることがないのではなくて、音楽よりも楽しいと思えることがあまりないんじゃないですか?

あぁ、確かにそうですね。僕は昔ゴルフがすごく好きだったんですけど、ゴルフは腕の筋を使うから、それで左腕の筋を痛めてしまったことがあって。そうすると、ギターを弾く時に薬指とか小指が動かせないんですよ。それでゴルフはやめたから、そうやって音楽を選んできたのかもしれないですね。

OKMusic編集部

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