メモリアル・イヤーを迎えた大野雄二
に聞く、ルパン三世、犬神家の一族、
思い出の人物たち

60年近い経歴をもち、いまもなお第一線の音楽家として、作曲、ライブ、レコーディングなど日々精力的な活動を続けている大野雄二。その長いキャリアの中でも、2021年は幾つかの大きなエポックが重なる特筆すべき年になった。一つは自身が80歳を迎えたこと。そして彼が長年音楽を担当してきた「ルパン三世」がアニメ化50周年という大きな節目に到達したこと。加えて10月からはテレビシリーズ最新作「ルパン三世 PART6」が放送スタートし、オリジナルサウンドトラック1「LUPIN THE THIRD PART6~LONDON」が販売中、2022年1月26日にはオリジナルサウンドトラック2の発売も控えている。さらに、放送日前日より大野の手がけたルパン関連の音源約1200曲、計75作品がサブスクで一挙に解禁。まだまだ他にもエポックがあるのだが、それは後ほど文中で触れていこう。

ともあれ、そんなメモリアル・イヤーに行われた今回のインタビューでは、「ルパン三世」の音楽についてはもちろんのこと、ルパン以外の仕事にまつわるエピソードや忘れられない人物たちとの思い出、他のインタビューではなかなか聞けないであろう脱線トークも含めた多岐にわたる話題を、思いのままに語って貰った。
■ルパン三世の音楽制作について
やはり、まずはルパンから話を始めたい。現在放送中の「ルパン三世 PART6」は、次元大介役が初代声優の小林清志から新たに大塚明夫へとバトンタッチしたことや、辻真先や湊かなえ、押井守ら豪華なゲスト脚本家陣が手がける凝りに凝ったシナリオなど、SNSでも毎週のように大きな話題となっている。そんな今回の物語は1クール目ではイギリスを主な舞台にしているが、近年のルパンは、イタリア(PART4)、フランス(PART5)と、特定された国をメインに物語が展開されている。こうした舞台設定は音楽作りに影響を与えているのだろうか。
「あまり強くは意識していないね。でも、なんとなく日本人の中ではイギリス=ロックみたいなのはあるじゃない。まあロックだって元々はアメリカなんだけどさ。これは僕の考えだけど、アメリカは一言でいえばウケなきゃ終わりの国だから、音楽の作り方もすごくマスに向けられてて、売れることを前提にしてるロックが多い。だけどイギリスは人口もさほど多くない中で、いつかはアメリカや世界に出て活躍したいっていう人たちがやってるわけだから心構えが違うし、ロックもどこかクールでひねくれていてカッコいいんだよ」
今回のOPを飾る「THEME FROM LUPIN III 2021(ルパン三世のテーマ 2021)」は、Lupintic Sixのメンバーでも唯一のロック畑出身である和泉聡志の豪快なギターが大フィーチャーされた、テーマ史上最もロッキンな仕上がりになっているが、それはつまりイギリス=ロックという単純な発想にあえて沿ってみたということだろうか。
「そう。すごくわかりやすくイギリスを捉えた感じかな。でもね、もし仮にその国のイメージをはっきり出した曲を書いたとしても、視聴者はそこまで意識して『わぁ、イタリアだから云々』なんて言わないし、それにルパン自体がそもそも“よくわからない人”なわけよ。だからそこはあまりこだわらなくてもいいと思っている。そういえば昔さ、CMの仕事でスポンサーから『インドっぽく』って言われたので、シタールを使うような本気の曲を書いていったら『何やってんだ君? 中華で言うならチャチャチャチャ・チャンチャン・チャンチャンチャ〜ンみたいなくらいのインド感でいいんだよ』と言われて『なるほど~』と思ったよ(笑)。」
「ルパン三世 PART6」では、3人の個性的な女性シンガーによるタイプの異なるボーカル・ナンバーが3曲披露されているのだが、そのどれもが実に魅力的。1クール目のエンディングテーマでバート・バカラックを思わせる可憐な曲調の、アカリ・ドリチュラー「MILK TEA」。挿入歌でどこかミステリアスな雰囲気が漂う、稲泉りん「FOGGY LOVE」。2クール目のエンディングテーマでほろ苦くアダルトな、藤原さくら「BITTER RAIN」。それぞれの曲について伺ってみた。
「『MILK TEA』は実は一晩で一気に書きあげたんだよ。アカリちゃんの声を聴いて彼女が歌うのを意識して作ったから、オーダーメイドだよね。EDのアニメーションがすごく合ってるしお洒落だね。『FOGGY LOVE』は少しロンドン感を出したつもり。ちょっと暗くて雨が多いようなメロディの作りをして、正直にというかストレートに作っていない感じを出した。少しひねくれているのがイギリスぽいかも。『BITTER RAIN』は大人の歌で、『MILK TEA』とは対極の感じかな。一種の歌謡曲みたいにしたら面白いかなと思って、そんな感じをサビ後とかにわざと入れている。それをさくらちゃんが歌ったらどうなるかっていう実験でもあったかな」
「BITTER RAIN」がエンディングを飾る「ルパン三世 PART6」の第2クールは2022年1月から放送されるが、同じ1月の27、28日には東京国際フォーラム ホールAにて、「~大野雄二80歳記念オフィシャル:プロジェクト~ 映画『ルパン三世 カリオストロの城』シネマ・コンサート!and大野雄二ベスト・ヒット・ライブ!」(https://yujiohno80th-concert.com/)が開催される。年はまたいでいるものの、今回のメモリアル・イヤーの総決算ともいうべき一大イベントだろう。タイトル通り演目のメインとなるのは宮崎駿監督の「ルパン三世 カリオストロの城」だが、その音楽はテレビシリーズで聴けるスタイリッシュで都会的なテイストとは少し異なり、優しく牧歌的な雰囲気を感じるのだが、それは何故なのだろう。
「宮崎さんからも『のどかに、のどかに』と言われていたしね。カリオストロが他のルパンの音楽と違うのは、宮崎監督が好むようなものを意識して作ったからかな。アクションシーンみたいなところでも、(テレビシリーズのように)それほどハードボイルドにはしていないんだ。すごく古いお城で戦うとかさ、それはいわゆるシティ派のルパンじゃないから。僕が特にこだわっていたのは主題歌『炎のたからもの』でボビーというロック・シンガーを使ったことかな。あれは本来もっと綺麗なソプラノで歌うべき歌なんだけど、わざとそういうシンガーを選ばなかった。それが聴き手からしたら(いい意味で)不思議な感じに聴こえるんじゃないかな」
続けて大野は「宮崎さんは物語の枝葉の部分を描くのがすごく上手い。だから何回観ても面白いんだよね」と魅力を語ってくれたが、それほどの名作ゆえ、劇中のセリフや効果音はそのままに生の音楽を合わせていくシネマ・コンサートというスタイルは、プレッシャーも相当大きいのではないだろうか。
「そもそもカリオストロの映像に生演奏を合わせるなんて言ってしまえば無茶振りなんだよ(笑)。映画では後から編集して絵に合わせて音を付けてるんだけど、あれを全部譜面に合わせてやろうってったってできっこない。シネマ・コンサートの依頼が来たとき思わずウンて返事しちゃったんだけど、後になってなんで引き受けちゃったんだろうって思うくらい、難しいことだった(笑)」
冗談めかしてはいるものの、2019年に行われた前回の「ルパン三世 カリオストロの城」シネマ・コンサートは大成功を収めているのだから、なんだかんだでミッション・インポッシブルを可能にしてしまうプロ中のプロ音楽家なのである。しかも驚くべきことに、大規模オーケストラの演奏にも関わらず前回はリハーサルは2日だけだったというが……。
「僕らからしたら2日もやんのって感じ。だってLupintic Sixなんて練習しないんだから(笑)。ウチのバンドはメジャーリーグ方式だから、各自スプリングキャンプが仕上がった状態で来いよと。皆でやるのはフォーメーション決めとかそういうことだけ。ようは下手だったらクビになるだけなんで、そのぶん家で練習してこいってこと。だいたいジャズ系で育ってる人はロックやポップスと違って金がない世界でやってるので、リハーサルなんてやったら『ペイできるのか!』って怒られちゃう。だから2日できるだけでありがたいわけ(笑)」
■ゴダイゴと手塚治虫
大野はルパン以外にも「キャプテンフューチャー」や「学園戦記ムリョウ」などいくつかのアニメ音楽を担当しているのだが、そのなかでも特に気に入っているのは、79年の「24時間テレビ 愛は地球を救う」内で放送された手塚治虫監督の「海底超特急マリン・エクスプレス」だという。主題歌の「ザ・マリン・エクスプレス」はゴダイゴのトミー・スナイダーをボーカルに迎えた全編英語詞のグルービー・ディスコで、アニソンDJイベントなどではいまだにスピンされる名曲だ。
「僕が作るのは英語の歌が多いんだけど、英詞はぜんぶ奈良橋陽子さん。あの人は日本語にも精通してるのに夢を英語で見るっていうんだからすごい能力だよ。だから英語の歯切れがいいのよ彼女の詞は。日本人独特の『英語もできます』みたいな作詞家じゃなくて、もうほとんどネイティブだからですよ。で、彼女の英語の弟子がゴダイゴのタケカワユキヒデ
当時ゴダイゴは、大野率いるYou & Explosion Bandと共にコロムビアの洋楽部に所属していたという。「僕ら2バンドだけのために洋楽部の中にレーベルを作ってくれたんだ。邦楽部は美空ひばりさんがいて演歌メインだからディレクターとも感覚が違っていたし。それを洋楽扱いにしてくれたんでわりと自由にやれたと思うよ」と大野は述懐する。その縁もあってか、トミー・スナイダーは「ルパン三世 PART2」の挿入歌「Lovin' You(Lucky)」や「SUPER HERO」でもボーカルを務めている。
「なんでトミーがその2曲を歌ってるかというと、タケカワはゴダイゴのリードボーカルでバンドの顔だったから、あまり違うバンドに貸し出せなかったんだよ。でもトミーならオッケーってことでね。ドラマーだけど歌うのが大好きでうまかったよ。タケカワにも何回か歌ってもらったけど、当時、僕はタケカワを日本で一番新しい歌い方をする歌手だと思っていた。シンコペーションの仕方とか、日本語で歌っても言葉の区切り方とか新しいなあと。それと彼は声をダブル・レコーディングしたソロ・シンガーの創始者でもある」
先述したように「海底超特急マリン・エクスプレス」は手塚治虫の作品だが、大野と手塚の初顔合わせはさらに1年前に遡る。大野は「24時間テレビ」の第1回から数年にわたり実質的な音楽監督として番組に参加していたのだが、第1回放送の目玉が手塚監督による本邦初の2時間テレビアニメ「100万年地球の旅 バンダーブック」だったのだ。その打合せのエピソードが面白い。
「手塚プロに打ち合わせに行ったらさ、手塚さんがベレー帽を被って、なぜかアコーディオンを抱えて入ってきたの。これは何か弾いて説明するのかなと思ってたら、最後まで一切楽器は触らなかったんだよ(笑)。で、打合せの内容も具体的にこうして欲しいっていうのは何もなくて、『自分はクラシックが好きだけど、でもこの仕事はちょっとロックでいいかなと思ってるんです』くらいしか言われなかったんだ」
どうやら手塚にとっては最新の音楽=ロックというイメージだったらしい。大野はそれを「クラシックぽくしなくていいですよ」という意味で捉えて「バンダーブック」や「マリン・エクスプレス」の音楽を書いたが、実際はロックというよりもソウルやディスコ風である。
「そうなんだよ。だけど手塚さんは最後までずっとロックだと思っていたんじゃないかな(笑)。でもね、手塚さんは本当に天才だよ。あのクラスの人になるとやっぱりすごく変わっているんだよ」
三波春夫からパイドパイパーハウス
この辺りから話題は大野が出会ったもう一人の天才の逸話へと移っていく。その天才とは、ルパンの劇場版第1作「ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン)」のエンディングで「ルパン音頭」を歌った三波春夫である。
「そもそも映画のエンディング曲は最初、『ベイシティローラーズに歌わせるから大野さんイギリスに飛んでもらいます』って話をディレクターからされてたんだけど、しばらくして『あの話はダメになったから三波春夫さんでいきます』って言われて、どんだけの振れ幅なのよ!と思ったよ(笑)」
当時の三波春夫といえば、現在の芸能界では比較できる人も思い当たらないほどの超大御所だが、三波との仕事は大野にかなり強烈なインパクトを残したようだ。
「スタジオに着いたとたんにお付きの方がリポビタンDを山ほど抱えて、スタッフから掃除のおばちゃんにまで『三波春夫でございます』って言って全員に配ったんだよ(笑)。それからスタジオの中にゴザを敷いて座布団敷いて鏡台セットして、MY楽屋を準備していてびっくりしたね。じゃあ始めましょうかとなって歌ってもらったら、一発で『うわ~っ、こりゃ完璧だ!』ってひっくりかえっちゃった。文句がつけようないくらい歌が上手いんだもん。なのにすぐ僕のところに来て『先生、これでよろしいでしょうか』って言われて(笑)。もう音程から人柄から全部すごい、いままであんな人は二度とみたことないね」
しかも「ルパン音頭」には最高の副産物があった。実はその時シングル発売でB面曲が必要となったために作られたのが、今やおなじみの名曲「銭形マーチ」だったのだ。これがルパン以外のキャラクターテーマのさきがけになったことで、峰不二子の「ラブ・スコール」や次元大介の「トルネイド」など人気曲が次々と誕生してくことになる。その点でも大野にとって三波は忘れられない恩人のようである。
「三波さんほど音程は完璧ではなかったけど、しばたはつみも特殊な歌手だった。彼女はいつもコンサートの最後の曲で声を伸ばしすぎて失神しちゃうんだよ」
少し懐かしそうな表情を浮かべつつ大野が語ったのは、2010年に57歳の若さで没した実力派シンガー・しばたはつみの思い出だった。2人は洋楽志向の強い3枚のアルバムをタッグで制作しているほか、ルパン楽曲でも何度か仕事を共にした盟友のような存在だった。
「はつみはステージの最後に倒れるのが癖になってて、もはやそうならないと気持ち悪いんだって(笑)。『ワーーーー』ってまだ伸ばすかまだ伸ばすかってところで幕が閉まって、お客から見えなくなるあたりでバタンて倒れちゃうから、スタッフは先に後ろで待っていて支えるんだよ。とにかく完璧にやりきらないとダメな人なの。僕は歌の終りまでファルセット使わずに地声で押し通す人がわりかし好きなんだけど、彼女はそのタイプの最後の歌手かもしれないね」
もはや話はどんどん脱線するが、70~80年代当時の大野は仕事に必要な音楽知識をインプットするために世界中のあらゆるジャンルのレコードを聴きまくっていたのだが、そのときに足繁く訪れていたのが南青山にあった伝説的なレコードショップ、パイドパイパーハウスだった。その話がまたとある人物の回想に繋がる。
「あそこは本当に色んなジャンルに詳しいスタッフがいて、信じられないような店だったね。僕はよく大量にレコードの取置きをしてたんだけど、それを買いに行くと大野様って書いてある袋の横に必ず筒美(京平)様っていう袋が置いてあったの(笑)。そう、筒美さんは僕の1つ年上でジャズ・ピアノ弾いてたから慶応大学の頃から知ってるんだけど、本名は渡辺栄吉さんていうんだ。で、いつだったかレコーディングのスタジオで偶然見かけたので『あれ、なんで渡辺さんがいるの?』と思ったら、スタッフに『え? 筒美京平さんですよ』って言われてすごく驚いた」
巨匠2人が常連だったパイドパイパーハウスは89年に惜しまれつつも閉店したが、2016年にタワーレコード渋谷店内にショップinショップとして奇跡の復活を遂げ、現在も変わらずこだわりのスタンスを貫いた営業を続けている。
■犬神家と大野ドメスティック、そして
「ルパン三世」と並ぶ大野ワークスの代表作ともいうべき作品が映画「犬神家の一族」だが、今年で劇場公開から45周年を迎えた。それを記念して12月24日には4Kデジタル修復Ultra HD Blu-ray(HDR版)が発売。先立つ11月19日からは劇場でも4Kデジタル修復修正版の上映が行われて盛況を博している。つまり、犬神家もまた2021年の大野エポックの一つである。
同作は角川映画の記念すべき第1作であるのと共に、日本で初めてメディアミックス戦略を展開した画期的な作品でもあるが、音楽の制作現場は苦労の連続だったようだ。
「当時角川は、初めて映画を作るのにあたって三位一体(映画、原作、サントラの相乗効果を狙ったメディアミックス)をやろうとしていたんだ。プロデューサーの角川春樹さんには、映像が完成するよりも先に音楽を作るように頼まれていた。本(横溝正史の原作)はあるので『犬神家の一族』のイメージアルバムみたいなものを先に作ってくれって。だから映像よりも前にアルバムの形で音は仕上がってたんだよ」
ところが実際に完成した映像と音を合わせる段になって、市川崑監督からはほぼ全曲NGが出されてしまったという。「市川さんとはイヤってほどバトったよ」大野は苦笑交じりにそう語る。
「『大野くん、ここはね、地の底からグワーッとマグマが……』みたいなことを1曲目から30曲目くらいまでずっと言われた(笑)。たぶん市川さんはメロディのあるものが好きじゃなかったんだろうね」
それでも紆余曲折を経ながら次第に音楽の使用頻度も増えていき、最終的には我々のいま知る犬神家サウンドが完成する。大野の奮闘が間違っていなかったことは、主題曲「愛のバラード」が邦画史上に残る名曲として未だ語り継がれていることでもたしかだろう。またそれを裏返せば、新進気鋭の大野を音楽担当に抜擢したことが、角川のメディアミックス商法を成功に導いた一因でもあるということだ。
「角川春樹さんは(映画業界で実績のない)僕を冒険的に起用したってわけじゃなく、ちゃんと僕のことリサーチしてたみたいで信頼しれてくれていたから、音楽には何も言わなかったね。」
ところで「ルパン三世」や「犬神家の一族」に比べるとささやかではあるが、実は大野に関連した今年のエポックがもう1つある。それは大正~昭和文学の影響が色濃い幻想シンガー・佐井好子のアルバム5作をまとめたアナログ・ボックスがリリースされ、即完売したことだ。大野は初作「萬花鏡」と3作目「胎児の夢」で全編のアレンジを担当しているのだが、特に前者は海外での人気が非常に高い。また「犬神家の一族」のレコードも同様で、共に中古市場では異様な高騰が続いている。どちらも和楽器を取り入れたドメスティックな感覚を持つサウンドだが、それが日本以上に海外で注目されているのが興味深い。
「外国の人がそうしたテイストを喜んでくれているのだとしたら、それは僕のハーモニー感覚が洋楽的だからとっつきやすいんじゃないかなと思う。たぶん完全に和のハーモニーだけの人が作っていたら、そこまで海外では受けないと思うよ」
なるほど。大野には先述したしばたはつみを始め歌謡曲フィールドでの仕事も多いが、それがどんな曲想であれ必ずソフィスティケートされた洋楽テイストを内包しているのだ。「自分でも気付かないうちに(ドメスティックな感じを)ちょっとマイルドにしている。いくら隠しても洋楽的なものがでちゃう」と言うが、それは作曲家以前にジャズ・ピアニストとしてキャリアを出発していることが大きいに違いない。ではこの先、ルパン以外の劇伴やCMでその洗練されたセンスを発揮する可能性はあるのだろうか。最後の質問として尋ねてみたが「それはない」と迷うことなく答えた。
「もうルパンだけって公言してるからね。仕事ってさ、自分からやりたいとは思わないんだよ。僕は与えられないとやらない人だから。プロになるとみんな怠惰なもんですよ。でも、それでももし何かをやるのだとすれば、ジャズ的な、人に受ける受けないではない音楽かもしれないね」
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