『RADIO CRAZY presents THE GRAND
SLAM』オフィシャルレポートーーWAN
IMA、sumika、SHISHAMOらが締めたロ
ック大忘年会

FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM 2021.12.28(TUE)京セラドーム大阪
12月28日(火)前半レポートはこちら
04 Limited Sazabys 撮影=井上嘉和
最終日もここから中盤戦へ。前日とは打って変わって、気温は低くても過ごしやすい日和で、観客は音波神社で記念撮影や来年のライブ運を祈願したり、寄って亭でゲームに興じたりとお祭り気分を楽しんでいる。
そこへ04 Limited Sazabysがサウンドチェックの腕鳴らしどころか、本意気で「escape」を鳴らし観客の視線を一気にかっさらっていく。続く本編でもオリックス・バファローズとのコラボグッズのメガホンをフルスイングしたりと、意気込みも十分。1曲目「Just」から爽快なロックを打ち鳴らし、昂る気持ちを抑えきれずに、RYU-TA(Gt.Cho)は早くもステージを駆けまわっていく。
04 Limited Sazabys
スピードアップした楽曲にコロコロと表情を変えるHIROKAZ(Gt)の奏でるメロディが、フライパンの上で弾けるポップコーンみたいな「Kitchen」。KOUHEI(Dr.Cho)のリズムが怒涛の展開で突き進む「message」。次々に届く楽曲に観客は夢中で喰いつき、ライブの楽しさと比例して大きな手拍子が鳴らされる。手が腫れそう……と心配もしてしまうけど、楽しさには代えられないから仕方がない。
04 Limited Sazabys
「さぁーいこぉぉーー!」、RYU-TAが初の京セラドームでのライブに感激の声を上げる。GEN(Ba.Vo)は「一緒にぶっ飛ばしていきましょう! 色々あった年だけど、何だかんだ良い年だったなとオレたちが思わせるんで!」と、「Jumper」へと繋げる。攻撃的でギラついたサウンドとGENのハイトーンボイス、そのギャップもまた気持ちがいい。
04 Limited Sazabys
「終わり良ければすべて良し。大変なこともあったけれど、最終的に今日みたいな楽しい一日があれば良い年だったなと思える。そんなライブを届けていきたい。抱えているモヤは今日の出演者たちが音圧で飛ばしてくれるから、04 Limited Sazabysは2022年もガンガン行きます。ライブハウス、現場で会いましょう。まだまだ人生は進む、一緒に人生を歩んでいきましょう」と来年への意気込みを語りつつ、バンド主催のイベント『YON FES』の開催も告げる。
04 Limited Sazabys
「みなさんの未来に光が差し込みますように」と、ラストは観客みんなでフロアを泳ぐ「swim」へ。GENが会場いっぱいに歌声を響かせ、ライブ終わりに自分たちのバンド名を何度も叫ぶ姿が印象的だった。観客にはもう彼らの存在は周知のはずでも、もっともっと先へ進みたいというバンドの気迫を感じとることができた。
SHISHAMO 撮影=渡邉一生
続くSHISHAMOもサウンドチェックから本編をより期待させる良い音ばかりを聴かせてくれる。大型イベントはどうしても時間に制約があるため、こうしたサウンドチェックもステージの楽しみのひとつになってくる。
バンドタオルを掲げながら1人1人ステージへ。宮崎朝子(Gt.Vo)が「『レディクレ』! 『レディクレ』!」と頭の上で小さく拍手しながら観客を盛り立て、さっそく名曲「明日も」へと繋いでいく。『RADIO CRAZY』はロック大忘年会。<月火水木金 働いた>なんて歌われたら、ひとまず仕事も学校も忘れてロックのパワーをチャージし、はしゃぎたくってたまらなくなる。続く「ねぇ、」は、前曲から一転して松岡彩(Ba)のシャープなベースラインが楽曲の雰囲気をぐっと高めていく。円熟味すら感じるバンドサウンドだけれど、宮崎の柔らかく高音域な歌声とのギャップが妙にハマって、耳に心地よく残る。
SHISHAMO
10代の頃から『RADIO CRAZY』に出演し続けている彼女たち。愛着のあるイベントながら、初となる京セラドームの会場に感動するシーンも。それでも、いつもと変わらぬ良い景色が見られていると感謝の思いを伝え、11月に配信された新曲「マフラー」を披露。宮崎の歌声がぐっと大人の色香を醸し出す、冬と夜の匂いを感じさせるメロウな仕上がり。しかも、吉川美冴貴(Dr)のリズムが楽曲に骨太さを加え、しっかりとロックに仕上がっているのだから、彼女たちの楽曲センスの高さに惚れ惚れしてしまう。
SHISHAMO
その後も「かわいい」「中毒」と、抜群の楽曲セレクトでライブを展開。MCでは、この日がライブ納めだと話し、「あっという間だね。もう終わり、寂しいけれど最後の曲です」と、「明日はない」を鳴らす。「明日も」で始まり「明日はない」で締める。今を突き進めと言わんばかりに、ぶっといロックンロールをかき鳴らす3人。ステージの最後にスクリーンに映し出された「明日はない」の言葉、改めて今この瞬間を楽しむことを決意させてくれた。
FM802 DJ 落合健太郎
この日もFM802のDJ落合健太郎がステージに登場し、4日間に亘り続いてきた数々のライブの興奮を観客と共有。また、次に出演するクリープハイプと同局との深い繋がりについても、ラジオ番組さながらの熱量で紹介していく
クリープハイプ 撮影=井上嘉和
薄暗い照明の下、SEもないまま静々とステージに登場した4人。1曲目「キケンナアソビ」で、怪しげなギターのイントロが鳴り一瞬にしてステージの空気が変わっていく。エロチックで濃厚な詞世界に早くも心酔しきった観客たちは前のめりになってライブに魅入っている。
クリープハイプ
次曲、長谷川カオナシ(Ba)がボーカルを取り、軽やかなメロがループする「月の逆襲」も聴くほどに癖になる楽曲だ。ライブは淡々と進められているようだけど熱量はものすごく高くて、スクリーンに映る尾崎世界観(Vo.Gt)の凄みのある表情にも驚かされる。
クリープハイプ
「こんばんは、クリープハイプです」。するりと挨拶を交わすと、12月にリリースされたばかりのアルバム『夜にしがみついて、朝で溶かして』に収録されている「ナイトオンザプラネット」へ。長谷川がキーボードを奏でるベースレスな楽曲、シンプルで緩やかなサウンドからは都会の深い夜の匂いが漂い、ラップ調で綴られるリリックからは心象がリアルに感じ取れる。ここまででわずか3曲ながら、クリープハイプが持つ多面性や実験的な音の遊び、それをフェスで披露する姿勢、全てが興味深いものばかりで一時も目が離せない。
クリープハイプ
ステージはその後も「イト」「ラジオ」「しょうもな」と続く。小川幸慈(Gt)はドラマチックな音色を奏で、小泉拓(Dr)が感情をえぐる言葉にさらにトドメを刺すようなエモーショナルなドラムを鳴らす。楽曲ごとに感情が忙しなく入れ替わり、ステージについていくのも必死だ。

クリープハイプ

最終曲「栞」を前に尾崎はイベントに懸ける思いや日頃の感謝の思いを語るも、「言葉が嘘になる前に歌ってごまかします」と天邪鬼な台詞に。2018年、FM802の春の「ACCESS!」キャンペーンソングのために制作された楽曲だが、バンド内でも大きな存在感を持つようになったこの曲を、キッカケとなったイベントで聴けるのは観客にとっても格別な時間だろう。最後には観客も盛大な手拍子で楽曲に参加し、華やいだ気持ちのまま全7曲のライブを終えた。
sumika 撮影=渡邉一生
音楽が感動を生む、その瞬間を体感させてくれたのがsumikaのステージだ。「愛情を込めて。sumika、始めます」と、1曲目「フィクション」から極上のポップセンスを見せつけていく4人。歌詞にある<喜怒哀楽 忙しい>、その言葉通りいろんな感情が押し寄せてくる。メンバーが互いを見合う笑顔も素敵で、それを見ているこちらも多幸感に満ちてくる。次曲は片岡健太(Vo.Gt)がハンドマイクに持ち替えステージを左右に駆けまわった「絶叫セレナーデ」。ど真ん中を突くポップソングは京セラドームの広い会場にぴったりとハマっていて、ワンマンライブのような大きな一体感が生まれている。
sumika
「忘年会やテレビの特番、年末年始はライバルが多い! 今年の年末、一番楽しかったのはいつか。それが今日だと思ってもらえる日を作っていけたら……絶対作ります!」。日々の生活の中での頂点を音楽でかっさらいたい。その意気込みを「イコール」でしっかりと伝えていく。スケールの大きな楽曲、その世界観を伝える片岡の歌声には安心感があって、共に高みを目指していけるんじゃないかと、夢を託していいんじゃないかと、頼もしさすら感じてくる。
sumika
ステージ中盤には、12月にリリースされたばかりの新曲「アンコール」をライブ初披露。片岡はマイクを両手で握りしめ、力強い歌声を聴かせていく。黒田隼之介(Gt.Cho)が紡ぐ美しいメロ、荒井智之(Dr.Cho)の感情に迫るリズム、楽曲に立体感を描く小川貴之(Key.Cho)のキーボードの音色。バンドの音ひとつひとつが強い印象を持っていて、すべての音が重なった瞬間、気持ちがグッと高まるのを感じる。
sumika
その思いは観客も同じで、最高の楽曲になんとか応えたいと声の代わりにスマホのライトを照らし、美しい景色を作りあげていく。思わぬサプライズに片岡は「ちょっと! 泣かせないでよ! 曲を作ったときの思いが成仏した気がします」と、感激の様子。
sumika
高まった気持ちをさらに昇華させるように、ラストは「ファンファーレ」「Shake & Shake」で駆け抜けていった4人。幸せが幸せを呼び込む、そんなステージに客席からは称賛の大きな拍手が長い時間に亘って送られた。

FM802 DJ 大抜卓人
『RADIO CRAZY』最終日もいよいよ大トリのステージへ。最後の場内アナウンスを担当したFM802のDJ大抜卓人は出演者全組へ、そしてこの日のイベントだけでなく、コロナ禍のライブ公演でもひとつずつ歩みを進め、たすきを繋げてくれた観客にも感謝の思いを伝える。「心躍る方へ、最後の思いを託します」と、声高らかにWANIMAを呼び込む。

WANIMA 撮影=井上嘉和
「JUICE UP‼のテーマ」をSEに、KENTA(Vo.Ba)は早くもテンション高くステージを左右に駆けまわり「ナニワにWANIMAが帰ってきたよ! 難しい話は考えんと、今日1日楽しんでよ!」、とキラーチューン「いいから」をフルスイングで鳴らす。ご機嫌なビートで良いところを突きっぱなしのライブ。メンバーの無邪気というか、遊ぶ気満々な表情に釣られ、こちらまで笑みが漏れてしまう。
WANIMA
「みんなが出来んこと、代わりにWANIMAがやります!」と、「Cheddar Flavor」ではFUJI(Dr.Cho)のハイスピードで展開していくリズムが会場を小刻みに揺さぶっていく。モッシュもダイブもコール&レスポンスも今は3人に託して、観客はとにかく拳を突き上げまくる!

WANIMA
会場いっぱいにスマホライトが灯された「LIFE」。幻想的な景色を目前にしたKENTAは「大阪でこんな景色見られるなら、もうちょっと長生きしたいと思えるね!」と喜びを隠せず、顔をくしゃくしゃにしながら全力で歌いきる。KO-SHIN(Gt.Cho)が奏でるシンプルなメロディーに合わせて綴られた歌詞に、なんでもない日常が、音楽に囲まれた日々が、ライブを楽しめる日々が愛おしくなるし、コロナ禍でもこんな素晴らしい1日が過ごせたことが嬉しくなってくる。「今年1年、いろんなことがあったけど、来年こそは良い年になったらよかね」。その言葉に大きくうなずいてしまう。

WANIMA
「エル」「つづくもの」と、メンバー3人そして観客の誰ひとりとして置き去りにしない一体感のあるライブが進んでいく。そして、ナニワとWANIMAの親和性の高さにぐっと心揺れ動かされたのが「オドルヨル」だ。ホイッスルにワウを効かせたギター、閃光煌めく照明が、ますます観客のテンションを煽っていく。終わらない興奮、強靭なリズム。ここで乗らずにどこで乗るのか、そんなイイ音の波が次々に迫ってくる。KENTAも思わず「頭クラクラするー。酸素ください……」と、酸素不足でヘタる場面もあるほどだ。
WANIMA
極上のライブサウンドをぶつけられても、観客はぐっと我慢して声を出さずにルールを徹底している。その姿を見たメンバーは「音楽を愛してくれてありがとう。どんな時代になっても、みんながおったから大丈夫。みんなと出会えたことが財産。全力でライブがしたい。今日出演してくれたアーティストをこれからもよろしくお願いします」と、出演者を代表して感謝の気持ちを伝える。「いま大事にしたい曲。元気にしとってよ」と、「離れていても」を披露。すべての言葉を、すべての音を、愛おしそうに奏でる3人。歌詞をすべて載せることはできないけれど、<黙ったままでも 伝わってる 繋がってるよ>と、誠実な思いが込められた楽曲は『RADIO CRAZY』4日間の全出演者の思いを繋げるようで、思わず涙がこみあげてくる。
WANIMA
「Hey Lady」で締められた本編のあと、アンコールでは全ての照明を消しスマホライトだけで灯りを作るドラマチックな景色のなかで「心踊る方へ、それを信じて来年も歩こう!!」と「ともに」を披露。この瞬間の今の思いをパッケージしたような真っ直ぐな気持ちが胸に沁み、また涙が溢れ出てくる。声が出せなくても思いが伝わる、繋がる瞬間がある。昂る気持ちを音にする3人の姿はもちろん、声を出さずに全力で拳を突き上げる、観客1人1人の姿も最高にかっこいい。アンコール含む全9曲、4日間の『RADIO CRAZY』を締めくくるにふさわしいステージに、観客からはこの日一番の大きな拍手が送られた。
WANIMA
初の4日間、京セラドームでの開催を終えた『RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM』。その名にふさわしい、全組満塁ホームラン&優勝独占のステージを体感し、生のライブの素晴らしさに改めて気づかされた人も多いだろう。この続きはそれぞれのアーティストのライブへ、そして全国のライブハウスへと繋がっている。来年は今以上に音楽の発表の場が、そして安心してライブが楽しめる日常が戻ってくることを願いたい。その日まで、4日間で感じた思いやもう一度聴きたいライブ音源、気になったアーティストの楽曲をぜひFM802にリクエストしてみてほしい。ライブで直接声を届けられない今こそ、大好きなアーティストへの思いを電波に乗せて届けてみてはどうだろう。
なお、年明けにはさっそく、『RADIO CRAZY』の名物企画「LIVE HOUSE Antenna」が会場をZepp Nambaに移し、『FM802 RADIO CRAZY presents LIVE HOUSE Antenna-GSシリーズ-』として3日間に亘って開催予定。FM802のDJやスタッフがプッシュする注目のアーティストが各日6組ずつ、計18組が出演。次代の『RADIO CRAZY』を担うアーティストたちによるライブパフォーマンスを、ぜひライブハウスで体験していただきたい。
『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM』
さらにこの4日間の模様は、FM802で2022年1月10日(月)にライブ音源のみで送る特別番組『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presentsTHE GRAND SLAM HIGHLIGHTS』にて放送される予定。番組はスマホアプリ「radiko」でも聴くことができるので、関西の人はもちろん全国のロック好きはぜひチェックしよう。
取材・文=黒田奈保子 撮影=FM802提供(渡邉一生、井上嘉和)
『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM​』オフィシャルレポート一覧はこちら

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • POP TUNE GirlS / 『佐々木小雪のイラスト花図鑑』
  • POP TUNE GirlS / 『涼水ノアの、ノアのはこぶ絵』
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」

新着