i☆Ris 2021年を新曲とともに振り返
る「みんなが好きなことをしながら、
i☆Risを続けてくれればいい」

i☆Risが12月8日に両A面シングル「12月のSnowry/ハートビート急上昇」を発売した。冬の恋をテーマとしたこの21枚のシングルで更に声優アイドルとしての幅を広げた彼女たちだが、2021年のi☆Risは激動の一年だった。澁谷梓希の卒業、5人で行う初のツアーなど、様々な変革を乗り越えてきたi☆Risにインタビューを敢行した。新曲のこと、2021年の振り返り、そして来年に向けてー 撮り下ろし写真とともにお届けする

――今回は先日発売されたシングル「12月のSnowry / ハートビート急上昇」のお話と合わせて、2021年の振り返りをお聞きできればと思っております。まずシングルの話ですが、今回はテーマが“冬の恋”とのことですが。
若井:「12月のSnowry」は「Summer Dude」の続きで失恋の曲なんですよね(笑)。楽曲の世界観が続いていることも初めてだし、ストーリー性があるという意外さもあったし、失恋を歌うのも新しいと思いました。冬ってちょっと切ないのが合うじゃないですか。こういう切なめな歌も、冬がテーマの曲も今までのi☆Risちゃんになかったので。曲のバリエーションとしてあるべきだなと思いましたね。
「12月のSnowry」Music Video
――もう一曲はスイートを描いた「ハートビート急上昇」ですが。
芹澤:「12月のSnowry」のほうが先に解禁だったので、お客さん的にもi☆Risって方向転換しちゃったのかな? みたいに思った人もいるかも、とは思っていて。でも「ハートビート急上昇」は古くから私達を好きな人達にも「ああ~こういうのを見たかったんです」っていう曲になったらいいなと思って制作しました。テーマとしては“オトナカワイイ”なので、ちょっとオトナになったカワイイが表現されていて、良いんじゃないかなと思っています。
茜屋:両A面シングルっていうのも初めてなんですよ。私、モー娘。さんとかが好きなので、両A面って憧れがあって。個人的には、「12月のSnowry」は得意なジャンルですが、カワイイに振り切ったジャンルは苦手なので、「ハートビート急上昇」はがんばりました。でも、映像を見たら可愛く映っていたので、安心しました(笑)。
久保田:CDをゲットしたら、オトナ&カワイイ、どちらも見れるのでお得だと思いました。去年はあまりi☆Risとしての活動ができなくて。今年になって、ツアーやシングルを久々に発売させていただいたり、YouTubeとかも動かし始めたので、色んなきっかけでi☆Risを知ってくださった方もいると思うんです。今のi☆Risちゃんのオトナな面、そしてアイドルらしいカワイイ面、両方を皆さんに披露できました。
「ハートビート急上昇」Music Video
――夏の「Summer Dude」、そして今回冬の曲。皆さんの中で、春と秋の曲もやりたいという思いもあるんでしょうか?
山北:あるとセトリ入れやすいから、すごくいいなとは思います(笑)。
――ライブのことを考えたらそうですよね。
山北:そうですよ、やっぱり「Summer Dude」も「12月のSnowry」も、次のツアーでどこで入れようとか考えちゃいますもん(笑)。

山北早紀 撮影:大塚正明
山北早紀 撮影:大塚正明

――そして冬ということは、今年の振り返りをするタイミングだと思うんです。3月に『i☆Ris LIVE 2021 ~storiez~』、4月からライブツアー『i☆Ris 6th Live Tour 2021 ~Carnival~』、11月には『i☆Ris 9th Anniversary Live ~Queen's Message~』と。このコロナ禍でも積極的にライブをやられてきました。『storiez』が6人編成での最後。その後、約2週間後からはじまったツアーの時には5人になっていて。フォーメーションも歌割りも変わりましたが、やっぱり大変でしたか?
i☆Ris:大変でしたね!(声を揃えて)
山北:普段、うちのメンバーってi☆Risで集まっている時、苦労を見せない人が多いんです。でも、今回はしっかり苦労を見せていました。みんな同じ条件でキツすぎたから、変に団結感が生まれたというか。みんなで発狂しあってました。うわぁぁぁーって(笑)。
――YouTubeでライブリハのドキュメント映像も拝見しましたが、フォーメーションの変わり方も本当に大変そうでした。
若井:8年間ずっと変わらずやってきたので、それが変わるというのがけっこうしんどかったですね。
茜屋:まず、6人体制ラストライブの『storiez』が今年の話だということにもちょっと衝撃を受けています。本当に濃い一年だったなと思って。『storiez』が終わってすぐにツアーの準備が始まったんですが、1週間ちょっとで全部の振りを改めて入れ直して。ツアー中には「Summer Dude」とかのMVも撮ったりしていたので、前半がギュッと濃かった印象がありますね。
若井:去年がコロナ禍で何もできないというのがあったからこそ、今年これだけi☆Risの活動が常にあったというのは嬉しかったですね、それと、私達も5人体制になって、改めて一緒にみんなで頑張ろうというやる気もあって。充実していたと思います。常に何か目標があって素晴らしかったなと。
久保田:そうですね……。去年、i☆Risちゃんとしてお客さんを入れてのライブがほとんどできない状況下で、YouTubeで前回のツアー(i☆Ris 5th Live Tour 2019 ~FEVER~)の動画が公開されたり、11月の周年ライブはオンラインで開催したり、、オンラインを充実化させたことで、新しくi☆Risを知る方もいらっしゃったと思うんです。。そんな中で、年が開けて、2021年のツアーのタイミングでは我々もほぼ初心みたいな気持ちで挑むっていうのが、わたし的にはすごく複雑でした。。本当はもっと心に余裕を持って、初めて見に来てくれる人により好きになってもらいたいという気持ちがあるけど、目の前の5人のフォーメーションで精一杯みたいな。意識していないと体が昔の動きをしだすんですよ。
久保田未夢 撮影:大塚正明
久保田未夢 撮影:大塚正明
――体に染み込んでいる。
久保田:そうなんですよ。新しい曲はまだ動きが体に馴染んでいないから良いんですけど、昔の曲になればなるほど、意識していないと前の動きになっちゃう(笑)。そういう葛藤というか。己自身との戦いが今年はすごく多かったと思いますね。
芹澤:9年が経過したタイミングで一人抜けるということで、「6人のほうが良かった」って絶対に思わせたくなかったんですけど、私達的には完成させるので精一杯という部分もありましたね。本当はプラスアルファがたくさん作れたら良かったけど、ひとつのライブを作るのにすらテンパっていて。でも、過去の自分たちに負けたくないって思ったし。本当に、i☆Risの振りとか歌詞のことばっかり考えていましたね。
山北:3月からツアー完走までにかけて、11月のライブもそうですけど、ドラマがあった1年だなと思います。ずっちゃん(澁谷梓希)が抜けて……。でも、i☆Risのライブはクオリティを求められているから、しっかり完成させなきゃいけないんだけど、正直自分たちの中で不安も多いなか、初日がスタートして。私がツアー中に首を痛めて、4人で踊っている姿を後ろで見たりとか。その最中にMVの撮影があって、踏ん張りながらまた新しい曲・振付を覚えたりとか。次々にくる壁をみんなで乗り切った感がすごくて。なんだろうなぁ……アイドルオタクとかの人から見ると、そういうドラマも含めて応援したいi☆Risだったんじゃないかと思います。
芹澤 優 撮影:大塚正明
芹澤 優 撮影:大塚正明
――メイキング映像を見させて思ったんですけど、それぞれできない自分に苛ついている感があったというか。
山北:たしかにそれはありましたね。
――僕らから見ると『Carnival』はクオリティの高いライブだと思ったんですよ。でも本人たちからしたら、納得がいっていない部分もあったんだろうな、と感じたのもあって。「もっとできる」という葛藤があったというか。
山北:そのとおりですね。各々だと思うんですけど、自分はめちゃくちゃ悔しかったですね。
――そして雑誌『SPA!』での連載も今年始まりました。YouTubeも動いています。山北さんが「i☆Risの認知を上げたい」というコメントを出されていましたが、一般的な認知を上げたいというのは、皆さん共通の思いなんですよね。
山北:もちろんそうです!
若井友希 撮影:大塚正明
若井友希 撮影:大塚正明
――来年で10周年を迎えますが、皆さんの中の「i☆Ris」というものががどうなっているのかなと。やり続けるなかで変貌してきたものはあるんでしょうか?
若井:一人の時はまったく別のことをやっていても、「i☆Ris」という帰る場所・本拠地がある感覚です。その拠点があるというのはすごくありがたいことだなと思います。i☆Risがなくなった時のことを考えると、自分に誇りを持てるのかなとか思うし……「i☆Risの若井友希」、という誇りを持てるのは、すごくありがたいなって思います。
山北:友希ちゃんに近いかもしれないですけど、私もi☆Risあっての自分だなと思っていて。もともとグループアイドルをやりたかったというのもあるし。女の子と永遠に青春していたいんですよ(笑)。女の人って結婚とかしちゃうと、それぞれの道を行くことが多いじゃないですが。でも、男の人はけっこう昔からのツレと飲んだりしていて。いつまでも同じイツメンで集まってワイワイしたいっていうのが私のi☆Risなんです。みんなはそうじゃなくて、仕事って割り切っている子もいるかもしれないですけど(笑)。それはそれでいいんですよ。サークルじゃないけど、楽しい場という感覚です。
芹澤:私はi☆Risは最高のエンタメだと思っていて。私一人でもライブをやるからこそ、私には出せない味をみんなが持っているなと感じます。すっごいあざといみゆたんとか、すっごい歌が上手い友希ちゃんとか、すっごい踊れるひみちゃんとか、すっごい面白くて(笑)みんなをまとめてくれる、やまさんとか。この5人だからこそ作れる私達のライブは、バラバラだからこそ要素の集まり方がものすごい。本当にエンターテイメントをやっているなと思いますね。
久保田:私は、昔は、i☆Risが本拠地で、そのまわりに、ソロや作品があってという考え方をしていたんですけど、その考え方が実は私には向いていないのかも、って思って。
――向いてない?
久保田:はい、私はどっちかというと、まず自分があって、周りにi☆Risがあって、作品もあるっていうイメージのほうが、自分自身で楽しめるなってここ数年で感じたんですよね。i☆Risはずっと私の先を走っていてくれるから、自分のモチベを上げ続けてくれる場所っていうか。本当にデビューからずっと、みんなが前を走ってくれるから、私が、「自分があって、そのまわりにi☆Ris」という考え方に変わったとしても、追いかけたい背中がずっとある。自分の中のi☆Risってそういうイメージですね。
――追いつかなきゃという気持ちになる。
久保田:はい、追いつかなきゃってなるし、逆に別の現場に行くと、自分が追われる立場になることもあるんですよ。別作品に行ったり、i☆Risにいたり、そうすることで自分の中でいいバランスがとれてるな、というのを感じますね。
茜屋:間違いなく今この場にいられるのは、i☆Risがあったからだなというのは常に感じていますね。よその現場に言っても、i☆Ris知っているよ、と言ってもらえることも多いですし。無くなった時のこととかはあまり考えない……っていうのかな。当たり前にあったものだから。
茜屋日海夏 撮影:大塚正明
茜屋日海夏 撮影:大塚正明
――i☆Risが無くなるとかは意識したことはない。
茜屋:そういう概念で考えたことはないですね。私も前から自分のやりたいことがあって、外で仕事をして、ツアーとかのたびに戻ってくると、自然とスイッチが切り替わってi☆Risモードになったり。自分が外で仕事してきたことがこっちに還元できたらいいなって思うし、逆にi☆Risでやったことを自分が外に還元できたらいいし、けっこうWin-Winな関係だなというのはずっと思っています。
――皆さんの中のi☆Risというものが少しだけ分かった気がします。最後に『i☆Ris 7th Live Tour 2022』が4月から開催されることも発表されました。目の前に10周年が迫ってきましたが、今後i☆Risをどうしていきたいか、どうなりたいか。リーダーである山北さんにお伺いできれば。
山北:そうですね……みんなが好きなことをしながら、i☆Risを続けてくれればいいよって思っていますね。
――好きなことをして続ける、ですか。
山北:いつも一言目には売れたい、知名度を上げたいって言っているので、それは大前提なんですけど。なんかi☆Risって、全員が同じ方向を一生向かないような気もしていて(笑)。
――あはは(笑)。
山北:それだったら、みんな理想の像を目指しつつ、このグループで集まったときは最強というか。そっちのほうが私達には合っているんじゃないかなっていうのは感じますね。オンリーワンっていう感じで(笑)。
――あとは大前提の部分で、売れたい! という(笑)。
山北:そうですね! 認知してください! これを読んだあなたは必ずライブに来てください! 友だちを連れて来てください!(笑)
――本当に、どのライブを観ても面白いですよね。年々良くなってきているというとおこがましいですけど。
山北:嬉しいです。でもプレッシャーですね、常に超えていかないと!
撮影:大塚正明
インタビュー・文=加東岳史 撮影=大塚正明

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