sankaraが初のワンマンライブを開催
。愛と感謝に溢れたパーティーの真骨
頂がそこに 

sankara ONE MAN LIVE 『SIMCITY special』2021.12.11TOKIO TOKYO
ラッパーのTossとシンガーのRyoによる二人組、sankaraが主催パーティー『SIMCITY』の2021年を締めくくる、自身初のワンマンライブ『SIMCITY special』を開催した。
年代やジャンルを超えたトラックと、ときにストレートでときにシニカルな言葉が重なり合い、自由を表現してきたヒップホップをツールに持つ二人の、「さまざまなカルチャーがクロスオーバーする新たな情報発信地を作りたい」という想いから、『SIMCITY』は始まった。そして、ヒップホップやR&B、ダンスミュージックやロックなど、多岐にわたる分野からアップカミングなアーティスト/バンド/DJを招き、皆が共鳴し合う空間作りにこだわり続ける。その結果、特定のジャンルや個の力に偏ることのない終始グッドバイブスに溢れた理想の空間を実現。それは言うまでもなく、各演者の確かなパフォーマンス力と意識のシェア、オーディエンスの個性が生んだ相乗効果の賜物だ。今回のワンマンは、そんな『SIMCITY』に関わってきたすべての人々へのsankaraからの感謝と、この先も共に豊かな未来を切り拓いていきたいという願いのように思えた。
バックDJは2015年の『DMC JAPAN』でチャンピオンに輝いた実績を持つDJ SHOTA。sankaraのライブ活動を屋台骨で支えてきたお馴染みの存在だ。映像の制作はVJ Ryomaで、この日の現場はVJ HIDeが担当し、二人のパフォーマンスを豊かに彩る。先に一人でステージに立ったDJ SHOTAが1曲目の「hide and seek」を鳴らすと、TossとRyoがゆらりと登場。音楽を空間に溶け込ませるように、開場と開演の境界線をシームレスにした平熱のオープニングが実にsankaraらしい。そこから、トラックの夢見心地なサウンドスケープに寄り添いながらも、自己の本質を探すような強さを併せ持つリリックが光る「Louder」、本格派のファンキーなネオソウル「Move」へと、じわじわとパフォーマンスの濃度を高めていく。
そしてパワフルなラップと力強いフックが印象的な「The Scar」、何度もライブのハイライトを演出してきたDJ HASEBEによるプロデュース曲で、Tossが“愛の歌”だと話した「Callin」を披露し、フロアの熱はぐんぐん上昇。続く「Train」では大きな手拍子の波が巻き起こる。その高揚感をさらに更新するように「Trip」へ。タイトル通り宇宙的な世界を描き出すトラックと高らかに響くRyoの声が、観客をTOKIO TOKYOのダンスフロアから異空間へと誘う。気がつけば我々は日常からsankara、すなわち『SIMCITY』という街の真ん中に。そのグラデーションが見事な前半だった。
ステージは後半へ。〈好きにすればいい〉というRyoの歌が響く「State of Mind」では、コロナ禍ということでフロアに大きなアクションは見られないものの、多くのオーディエンスが心を解放するように踊っていた。続いては、DJ SHOTAの巧みなスクラッチから「Wash」と「Off」を繋ぎ、sankaraの根にあるヒップホップならびにクラブカルチャーの力強さを表現。そしてまだまだと言わんばかりに、sankaraが幾度となくライブを重ねてきたTOKIO TOKYOの上階にあるホームグラウンド、hotel koe tokyoでミュージックビデオを撮影した「Elevator」、アッパーなブレイクビーツが躍動する「My Life」とダンサブルな曲を立て続けに。フロアを大いに盛り上げたところで、最新シングル「Lullaby」を披露。二人の盟友であるJQ from Nulbarichが満を持してプロデュースを手掛けた勝負の1曲で、フロアのボルテージは最高潮に達した。
ステージはいよいよフィナーレ。70年代の空気を感じるスウィートなソウルを下敷きにした「HOME SWEET HOME」、オーディエンスの前途を祝し再開を祈るように「Walking the river」を。最後は未来に繋げていくことを静かに誓うように「KATASUMI」で締めた。
sankaraの曲は“チル”と形容される曲が多いように、トラックのバリエーションは豊かだが、総じて表面温度は“高い”というより“心地良い”という印象が強い。そんな曲のグルーブとともにあるRyoの歌声と、英語と日本語を自由に往来するTossのラップも実にスムースでスタイリッシュだ。
しかし彼らの魅力は決してそれだけではない。悶々とした日々や世間との葛藤といったネガティブな感情も飾ることなくさらけ出したうえで、希望の光を見出すリリックは実直で熱い。さらにこの日は、MCでも不器用なほどに感謝と愛を口にしていた。そんな言葉の数々がリアルに響く、sankaraがSIMCITYで共演者やオーディエンスから得たことに対するリスペクトそのもののような、パーティーとしての流れを大切にしたセットリストとパフォーマンス。これから二人と仲間たちが進む未来は、きっと明るいだろう。
取材・文=TAISHI IWAMI 撮影=後藤壮太朗

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