リンダ・ロンシュタット、スージー・
クアトロ、ウェストコースト・ロック
の歴史を辿る珠玉のドキュメンタリー
映画が3作連続公開

1960〜1980年代に時代の寵児となり、世界へ羽ばたいたミュージシャンたちの半生とその音楽的ルーツを紐解く珠玉のドキュメンタリー3作が、2022年春、連続公開される。まず4月22日(金)より『リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス』が、続いて5月6日(金)より『スージーQ』『ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック』が、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、ほかで上映される。いずれも、ロック・ミュージックの歴史を語るうえで、スルーすることのできない名作揃い。

◎『リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス』
本作は、タイトルの示す通り、リンダ・ロンシュタットの半生を描いたドキュメンタリー作品。2021年、第63回グラミー賞で最優秀音楽映画賞を受賞した。
リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt、1946年7月15日~)は、圧倒的な声量と豊かな表現力、野趣にあふれる美貌で人気を博し、1970年代~1980年代の米国ポピュラー音楽シーンでスターダムを築いた女性歌手だ。
デビュー当初はカントリー・フォーク畑から出発したが、やがてCSN&Yや彼女のバックバンドだったイーグルスなど西海岸系ミュージシャンらと交流を進めていく中でロックのフィールドへとシフトし、シングル「悪いあなた(You're No Good)」(1974)で全米No.1ヒットに輝く。また、アルバムも次々と大ヒットを飛ばし、『夢はひとつだけ』(1977)、『ミス・アメリカ』(1978)は、全米No.1アルバムヒットを記録した。1980年代以降は、エルヴィス・コステロの曲を好んで取り上げたり、ブロードウェイでミュージカル舞台(『ペンザンスの海賊』)に出演したり、ネルソン・リドル・オーケストラを従えスタンダード・ジャズのアルバム三部作を発表するかと思えば、エミルー・ハリス、ドリー・パートンとカントリー・アルバムを製作したり、さらには、自身の人種的ルーツにも係わるメキシコのトラディショナル・ソングを集めたアルバムを発表するなど、ジャンルの壁を次々と突き崩す活躍ぶりを見せた。私生活では「恋多き女」と呼ばれ、ジム・モリソン、J・D・サウザー、ミック・ジャガー、ジェリー・ブラウン(カリフォルニア州知事)、デイヴィッド・サンボーン、ジョージ・ルーカスなど浮名を流した相手は数知れない。グラミー賞を10度受賞。日本へは1979年以降、コンサートのため4回訪れている。しかし1990年代以降は病魔と闘い、引退を余儀なくされた。2013年にはパーキンソン病が明らかとなる。2014年に「ロックの殿堂」入りを果たすも、受賞式の会場に姿を現すことはなかった。
そんな、往年のアメリカン・ポップス界のトップスターの半生が、今度のドキュメンタリー・フィルムの中では、どのように紹介されるのだろうか。少なくともグラミー賞・最優秀音楽映画賞のお墨付きゆえに、彼女のファンはもちろん、彼女の歌声をリアルタイムで知らない世代にとっても、観て損はないはずだ。
『リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス』(Linda Ronstadt: The Sound of My Voice)
■出演:リンダ・ロンシュタット、ジャクソン・ブラウン、エミルー・ハリス、ドリー・パートン、ボニー・レイット、ライ・クーダー、ドン・ヘンリー、ピーター・アッシャー、デヴィッド・ゲフィン、キャメロン・クロウ
■監督:ロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマン
■製作:ジェームズ・キーチ、ミッシェル・ファリノーラ
■音楽:ジュリアン・レイモンド
■撮影:イアン・コード、ナンシー・シュライバー
2019年/アメリカ/93 分/ビスタ/ステレオ
■提供:ジェットリンク
■配給:アンプラグド
©LR Productions, LLC 2019 – All Rights Reserved
◎『スージーQ』(Suzi Q)
本作は、1970年代にヨーロッパや日本で人気を博した、ガールズロックの草分け、スージー・クアトロの音楽史を辿るドキュメンタリー。
スージー・クアトロ(Suzi Quatro、1950年~)は、米国ミシガン州デトロイト出身。1960年代に姉妹でガールズバンドを地元で始め、その後、渡英してソロとなり、1973年にハードロック(またはグラムロック?)路線へと方向転換。愛らしい容姿にして、黒革のキャットスーツ(革ツナギ?)に身を纏い、「Can The Can」「48 Crash」などのキャッチ―な楽曲群を、小柄な身体に比して大きなベースを弾きながら、強気なシャウト・ヴォイスで歌い上げる。当時、若い女子によるそんなパフォーマンスは前代未聞で、衝撃力は凄まじかった。英国をはじめとするヨーロッパ諸国で人気に火がつき、次々と大ヒットを飛ばした。また、日本でも熱烈に支持され、1974年から1978年まで5年連続で来日を果たしている。1980年代には女優業にも挑戦、1986年、ミュージカル『アニーよ銃をとれ』ロンドン公演では主役を務めた。彼女は、その後も地道に活動を続け、2019年にもソロアルバム『No Control』(邦題:永劫の女王)をリリースするなど、いまなお現役のアーティストなのである。
今回の映画では、活動を共にしたことのあるアリス・クーパーや、スージーに影響を受けたというジョーン・ジェット(元ザ・ランナウェイズ、その後ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ)などのインタビューも交える。日本でも大々的なツアーを行うなど世界中に刺激を与えてきたスージーのエネルギッシュな生き様が描かれる。特に、ガールズロックに携わる女性たちにとっては必見ムーヴィーだろう。
『スージーQ』(Suzi Q)
■出演:スージー・クアトロ、ジョーン・ジェット、デボラ・ハリー、シェリー・カーリー、リタ・フォード、アリス・クーパー
■監督・製作:リーアム・ファーメイジャー
■編集:サラ・エドワーズ
■撮影:ジャック・イートン、ジェームズ・ナトール、デビヴィッド・リチャードソン
2019年/オーストラリア/104 分/ビスタ/ステレオ
■提供:ジェットリンク
■配給:アンプラグド
© The Acme Film Company Pty Ltd 2019
◎『ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック』(Laurel Canyon)
アメリカ西海岸ロサンゼルスのハリウッド・ヒルズ近郊に位置する「ローレル・キャニオン」(Laurel Canyon)は、カリフォルニア・サウンドという言葉を生み出したウェストコースト・ロックの聖地である。この地では、1960年代後半から70年代にかけて、それ以前のアメリカン・ポップスとは毛色の違う新しいポピュラー音楽が生まれてきた。本作品では、当時のレアな映像や新たに発掘された映像などと共に、ウェストコースト・ロックと係わりの深いアーティスト、すなわち、ママス・アンド・パパス、ドアーズ、バッファロー・スプリングフィールド、CSN&Y、ジョニ・ミッチェル、ザ・バーズ、リンダ・ロンシュタット、イーグルス、ジェイムス・テイラー、ジャクソン・ブラウン、フランク・ザッパら、錚々たる顔ぶれの功績が振り返られる。洋楽ファンには、たまらない内容だ。
『ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック』(Laurel Canyon)
■出演:ヘンリー・ディルツ、ジャクソン・ブラウン、ジョニ・ミッチェル、デヴィッド・クロスビー、グラハム・ナッシュ、スティーヴン・スティルス、ニール・ヤング、ロジャー・マッギン、ドン・ヘンリー
■監督:アリソン・エルウッド
■撮影:サミュエル・ペインター
■作曲:ポール・パイロット
■製作総指揮:アレックス・ギブニー、フランク・マーシャル
2020年/アメリカ/120分/ビスタ/ステレオ
■提供:ジェットリンク
■配給:アンプラグド
© 2020 CANYON FILMS, LLC ALL RIGHTS RESERVED

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