Editor's Talk Session

Editor's Talk Session

【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
コロナ禍の中で変化を続ける
楽器店の実情

音楽に関するさまざなテーマを掲げて、編集部員がトークセッションを繰り広げる本企画。第27回目は東京・新大久保駅の近くで30年以上、楽器の中古販売を専門に行なっているTC楽器より企画室の富田道彦氏をゲストに迎え、コロナ禍における楽器販売店の実情、現状を逆手にとることで生まれたサービスについてなど、楽器ファン、お客様を第一に考えるTC楽器の想いを語ってもらった。
【座談会参加者】
    • ■富田道彦(TC楽器 企画室)
    • 都内の大手楽器店を経て2001年よりTC楽器に勤務。アンプを担当後、企画室へ。各種イベントの企画やエフェクターなどのオリジナル商品の開発を行なう。
    • ■烏丸哲也
    • ミュージシャン、『GiGS』副編集長、『YOUNG GUITER』編集長、BARKS編集長を経て、現JMN統括編集長。髪の毛を失った代わりに諸行無常の徳を得る。喘息持ち。
    • ■千々和香苗
    • 学生の頃からライヴハウスで自主企画を行ない、実費でフリーマガジンを制作するなど手探りに活動し、現在はmusic UP's&OKMusicにて奮闘中。
    • ■岩田知大
    • 音楽雑誌の編集、アニソンイベントの制作、アイドルの運営補佐、転職サイトの制作を経て、music UP's&OKMusicの編集者へ。元バンドマンでアニメ好きの大阪人。

楽器を知っているからこそできる
会話を活かした新サービス

岩田
2020年4月に緊急事態宣言が発令され、世の中がステイホーム期間に入ったことで、どの業種も大きな影響が出ました。TC楽器さんも影響はありましたか?
富田
そうですね。最初の緊急事態宣言が発令された時は、やはり来店されるお客様の数が減ってしまいました。我々としてもそういう事態が初めてだったのでどうしたものかと。時短営業要請もありましたし、今も開店時間を少し遅らせるなど引き続き行なっています。
烏丸
新型コロナウイルスが出てきた当初は、まずは3密を避けると同時に、世の中はマスク着用・手洗い・うがいの徹底とともに、アルコール消毒に注力しましたよね。楽器にアルコール消毒は避けたいところと思いますが、そのあたりはどうでしたか?
富田
感染予防対策に関しては、日本小売業協会のガイドラインに沿って当店でもやれる対策をとっていました。どこでもやっている対策ではありますが、お客様に入口で検温とアルコール消毒をしていただいています。発熱があるお客様には来店をお断りして。あと、お客様が楽器を試奏されたあとの消毒については、スプレーでピック類やテーブル、椅子などを消毒しています。試奏が終わった楽器は手を使って消毒しているんですよ。それ以外はポリッシュ等で対応して楽器にダメージが出ないように気をつけています。
岩田
コロナ禍が始まった当初はスタッフの方も大変さを感じていたと思いますが、その点はいかがでしたか?
富田
時短営業ということで、少しは時間ができたと思います。ですが、WEB上での問い合わせなどが増えてきていたので、営業時間が短い中で来店のお客様とWEBのお客様の対応をするというのは大変だったと思いますね。
岩田
店頭だと直接お客様と会話をしながら対応ができますが、WEBだと時間が空くとお客様が不安になってしまう可能性もありますもんね。
富田
でも、当店ではお客様とのビデオ通話サービスがあり、遠方のお客様に対するフォローをしています。コロナ禍に入って、そのサービスに力を入れることもできましたし、最初の緊急事態宣言の時に帰宅するスタッフのことも考えて開店と閉店時間を2時間ずつ狭めたんです。スタッフの出勤に関しては通常どおりにしていたので、ずらした2時間を使いYouTubeの配信にも力を入れました。スタッフもお客様に少しでも楽しんでほしいという想いで動画を作成して。YouTubeを本格的に始めたのが、最初の緊急事態宣言の期間でしたね。
岩田
ビデオ通話のサービスもコロナ禍に入ってから開始されたのでしょうか?
富田
そうですね。
烏丸
ビデオ通話と対面との違いについて、実際にサービスを開始してみて気づいた良い点や悪い点はいかがでしたか?
富田
良い点はお客様と一対一になれるということですね。ビデオ通話の予約が入っていると、その時間はヘッドセットをして対応しています。店頭では他のお客様から声をかけられたりするため、なんとなく周りを気にしながら対応をしてしまうので。悪い点は…限界ということになりますが、試奏ができないということですよね。実際にお客様はネックの握りがどうなのかという点も分からないですから。
烏丸
そうですよね。
富田
ただ、逆にビデオ通話をしてでも楽器のことを知りたいというお客様は、楽器に対する意欲が高い方だと思うんです。なので、WEB上の写真では分からない角度から楽器を見せたり、木目やキズの具合をお見せして。ネックの握り具合に関しては、実際に手で感触が分からなくても我々が握りながら“こんな感じですね”とお伝えすることができるので、写真で見るよりは具体的に良さをお伝えできていると思います。なので、ビデオ通話を希望されるお客様は通話後に買っていただけるケースが非常に多いです。発送したあともしっかりと気に入っていただけることが多く、結果的に良いサービスのひとつになっていると思いますね。
烏丸
確かにネックの握りひとつに関しても、触らなきゃ分からないと言いながらもお店の方もプロですから、質問に対して的確な答えが得られると、納得感が得られ購入動機に直結しますね。“70年代のフェンダーみたいな感じですか?”“いや、どちらかと言うとミュージックマンのEVHみたいな握りです”みたいなやりとりができたりすると、楽器を知っている者同士の信頼感も生まれますし。
富田
そうですよね。お客様もスタッフも楽器を知っているからこそできる会話でもあります。

OKMusic編集部

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