DOPING PANDA 再結成キックオフパー
ティーで証明された、バンドとドーパ
メイニア不変のエネルギー

DOPING PANDA「Reunion Kickoff Party at FEVER」

2022.3.2 新代田FEVER
本当にこれが10年ぶりに人前で音を鳴らすバンドなのか? という嬉しい驚き。そして何より、ステージを上回る熱量でバンドに火をつけたドーパメイニア(※DOPING PANDAファンの呼称)のパワー。思いもよらなかったこんな日が人生には訪れるのだ。
今年1月28日に突如、再結成を発表したDOPING PANDA。90年代後半のメロディックパンク期から、バンドのキャリアを重ねるごとにダンスミュージックやエレクトロニックな要素を加味し、2000年代のバンドとしては早すぎる昇華を見せてきた彼ら。後のダンスロックバンドに多大な影響を与えたが、2012年4月19日のライブをもって解散し、メンバーそれぞれの活動に入った。2018年1月28日にYutaka Furukawa(Gt,Vo)が開催した自主企画で一度きりのサプライズ登場こそあったが、まさかの再結成である。しかも発表されて2ヶ月を待たずにセルフタイトルであるニューアルバム『Doping Panda』を3月2日にリリース。同日、CD購入者を対象に抽選で100名のみがチケットを買えるという、本格始動に向けたキックオフライブが、バンドにとっての聖地・新代田FEVERで開催された。
Yutaka Furukawa(Vo,Gt)
開演30分前にはすでにファンは整然とフロアで待機し、時勢柄、誰もが黙ってその時を待つ様子にむしろ熱量を感じる。ダンスミュージックやインディーロックが流れる中、大多数の人が今の思いをSNSに書き込んでいるように見えた。定刻に暗転し、ブレイクビーツのSEが流れ、まだ無人のステージに存在する楽器をライトが照らし、主役を待つ。
Taro Hojo(Ba)
SEが「DOPING PANDA」の名前を告げると、本当に100人か?と疑うほどの大きな拍手が起こり、メンバー登場。アーティス写真同様、各々の個性が際立つ“正装”だ。オープナーはFurukawaのファストなリフから始まる「Mr.Superman」。イントロ1秒を待たずに、すさまじいリアクションだ。FurukawaもTaro Hojo(Ba)もHayato Beat(Dr)も、しっかり演奏しようという、ある種固い表情とは裏腹に想像以上のパワーを受け止めたのか、演奏は走り気味。だが、それがどこまでも走っていけそうな気持ちにさせてくれる。間奏でクランチなフレーズを決め、本格的にスイッチが入ったFurukawaは「ありがとう、皆さん」とさらっと謝辞を述べ、続く「YA YA」に突入。《YA YA YA YA》の歌い出しから、フロアはハンドワイパー一色。カッティング命のトロピカルファンクを3人の生音でタフに組み上げ、ビビッドに反応するファンとともに大きなグルーヴを作っていく。そのままHayatoの四つ打ちのキックが力強く響く「The Fire」にノンストップでなだれ込んでいくと、これまたどでかいクラップが起きる。隙間の多いアレンジで気づいたが、出音も素晴らしく分離がよく、目視で3人の動きを確かめる以上に、3人それぞれが出している音に人を感じる。バランスのいいバンドアンサンブルをそのまま届けてくれるライブPAも、ドーパンの曲の良さを改めて認識させてくれる。
Hayato Beat(Dr)
すでに汗が光るメンバー。ノンストップで始まった「Hi-Fi」の同期のイントロにファンが“パパン・パパ・パパン”とクラップで応える。Hayatoの確かなキック、歌うことの楽しみが伝わるFurukawaのR&Bテイストのメロディ。ダンスチューンを支えるTaroの裏拍の弾力のあるベースライン。こんなにフロアが踊るライブを久しぶりに見た。Furukawaはブルージーなフレーズからライトハンドまで駆使し、その様子にまたフロアから熱量が送り込まれる。エフェクティブなギターのSEから「beautiful survivor」へ。全く休む暇も、ゆるく乗る暇もない。改めてFurukawaのギターリフで作るダンスミュージックのアイデアに見入ってしまう。この曲が2008年にすでに実現していたことにも驚きだ。
続く「Transient Happiness」は間奏で入るリフがスクラッチ的に聴こえるほど、エフェクトにも工夫を感じた。曲間でFurukawaが「盛り上がってるか? FEVER! こんなもんじゃないでしょ? もっと行けるでしょ。ドーパメイニア!」と煽り、お馴染みの開脚ダンスも披露。フレットを上から抑える奏法からライトハンドまで全て載せてくる。ノンストップのキラーチューンは「MIRACLE」まで続き、ラテンテイストのリズムを織り交ぜたこのディスコチューンで、ドーパンのポップネスを堪能。グッと3人のフィジカルの強さを感じるライブアレンジに弾けるフロア。いきなり本気の7曲連投に拍手喝采が鳴り止まない。
Yutaka Furukawa(Vo,Gt)
拍手を一旦制するようにFurukawaが話し始める。曰く「ライブが始まるまではそんなに緊張してなかったのに、君たちのエネルギーでむしろ緊張した」とか。Taroが「Mr.Superman」で走り気味だったことも指摘。「おわかりのように今、ゴールデンヒットみたいなのをやったから、後は新曲を挟んでババっと終わるから。その後、ファンクラブ用ラジオ収録のトークは2時間半あるから」と、演奏よりトークが長いのか?と笑わせたあとにしっかり「冗談ですけど」とエクスキューズを入れる。Hayatoが「新曲(初披露)って、いつぶりだろうね?」と問いかけると、Furukawaが「13~14年ぶり? 『YELLOW FUNK』(2011年4月発売AL)以来だから。おじさん3人があたふたする姿を見てもらえたら、って、君たちもおじさん・おばさんだろ(笑)」と、笑わせる。
この日唯一のニューアルバム『Doping Panda』からの披露はMVも公開され、新曲の中でもすでに浸透している「Imagine」。ギターの単音フレーズと裏を行くベースと四分キックで作る、トロピカルハウス要素が強い、今のFurukawaのアレンジを感じさせるこの曲にも即応するドーパメイニアたち。何しろ前向きでやさしさのある歌詞がいい。続けて《映るもの全てを今、歌に変えてゆく》と歌う「It's my life」が、改めての清々しい決意のように聴こえた。軽快なロックンロール「Candy House」へつなぎ、マスク越しだが笑顔が溢れているのがわかる。
このあと、ファンクラブ用のラジオ番組の公開収録が行われたのだが、再結成や新作のこと、知られざるエピソードなど、今の彼らを知りたい人はチェックしてみてほしい。
トークからの流れでHayatoが「もう一回、「Imagine」やろう。このまま徳島帰って、次もうZeppとか、そんなんで俺、帰りたくない」と言い出し、再び演奏。まさに公開リハといった感じだ。終盤は痛快に飛ばす8ビートが心地良い「The way to you」、そしてFurukawaのファルセットも聴けたチアフルな「Crazy」で本編終了。「ベース、タロティ。ドラム、Hayato。アンド、ドーパメイニア。ウィ・アー・ドーピング・パンダ!」と、互いを祝福した。
Hayato Beat(Dr)
早速沸き起こるアンコールに速攻で再登場。Taroのスラップが響くとフロアも跳ねる「GAME」だ。パンカビリーなこの曲のエンディングを決めて、「Zeppで会いましょう。愛してるぜ!」と、Furukawaは復活の手応えとドーパメイニアへの思いを告げ、DOPING PANDAエピソード2の序章は幕を切ったのだった。4月から始まるZeppツアーはどこまで新曲を盛り込んでくるのか? セットリストはどうなるのか? さらに期待値は高まるばかりだ。
取材・文=石角友香 撮影=橋本塁 [SOUND SHOOTER]

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