『QUEEN50周年展』思い出の地 大阪に
て開催、バンドを追いかけ続けた展示
キュレーターと巡る70年代のイギリス
の街並み

QUEEN50周年展-DON’ T STOP ME NOW- 2022.3.11(FRI)〜5.9(MON)大丸梅田店13階特設会場
3月11日(金)から5月9日(月)まで、大丸梅田店13階特設会場にて、『QUEEN50周年展-DON’ T STOP ME NOW-』が開催中だ。ロックシーンを代表するロックバンドであり、今もなお世界中の人々に愛されるQUEENの結成50周年を記念して行われる同展が、2021年11月〜2022年2月に開催された東京展を経て、いよいよ大阪に巡回した。未公開写真や貴重な映像、メンバー本人と重要関係者のコメント、楽器関係をはじめ、QUEENゆかりの品々が展示される。なんと、東京では展示されていなかった初出しの品も。ファンは見逃せない垂涎の展覧会となっている。今回SPICEでは、一般公開に先駆けて行われたプレス内覧会の様子をレポートする。
1971年の結成から50年間の歩みを体感できる、没入型展覧会
同展はQUEENのフレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ジョン・ディーコン、ロジャー・テイラーが揃った1971年からの結成50周年を祝したもの。またフレディの没後30年でもあることから、彼の生き様にもスポットを当てて紹介する。プレス内覧会では、まずトークショーが行われた。
FM COCOLO DJ 加美幸伸(左)と朝日放送テレビアナウンサー 増田紗織
MCはFM COCOLO DJの加美幸伸と、朝日放送テレビアナウンサーの増田紗織。東京展にも足を運んだという加美は「QUEEN50周年は1つのパワースポットになるんじゃないかなと。フレディは今亡くなられていますけど、ここにいらっしゃるんじゃないかと思うような、そんな気持ち」と話した。
増田はQUEENとの出会いについて「QUEENには素敵な曲がたくさんある。子供の頃から聴いていましたが、それをQUEENの楽曲として知ったのは、映画『ボヘミアン・ラプソディ』を通して。あの映画を観てから、好き度がガツンと上がりました」と高揚したように述べた。
展示キュレーターのシンコーミュージック・エンタテイメント吉田聡志取締役
続いて、展示キュレーターをつとめるシンコーミュージック・エンタテイメント吉田聡志取締役がゲストで登場。吉田は、QUEENの活動を追い続けた洋楽雑誌『ミュージック・ライフ』にも長年携わった経験を持つ。
開催にあたっての気持ちを聞かれ「2年前に『QUEEN EXHIBITION JAPAN ~Bohemian Rhapsody~Supported by 集英社』を開催した時は、色々残念な理由があって大阪開催が見送られてしまいました。結成40周年のイベント『QUEEN FOREVER』も大阪では実施できなかったので、地方開催は念願ですね」と、感慨深げに話した。実は大阪はQUEENにとって特別な場所。1985年、フレディ在籍時における日本での最後のコンサートは大阪城ホールだったのだ。
同展の見どころについては、「せっかくなので、大阪のものを新しく展示したいねということで、制作委員会で会議を重ねました。1つはレオタード。フレディと言えば、レオタードの衣装が有名です。色んなバージョンがある中でも「伝説のチャンピオン(We Are The Champions)」のPVで着ていた、白と黒の真っ二つのレオタードを皆さんに観ていただきます。少し前に気が付いたのですのが、バレエシューズも白と黒なんです。これは世界初の展示です」。
他にも『ミュージック・ライフ』取材時のメンバーの肉声インタビューや、直筆のアンケート、オリジナルメンバーが揃った最後のライブ『A Night Of Summer Magic』のチケットなど、貴重な展示物が目白押しだと述べた。
左から加美幸伸、吉田聡志、フレディのフィギュア、増田紗織
そして吉田は「入り口でQUEENの50年を観ていただき、タイムスリップのような意味合いで、時代を感じながら1つ1つのシーンを楽しんでもらいたい。映画では描かれなかったQUEEENの真実が至るところに散りばめられておりますので、探して見ていただけたら面白いんじゃないかなと思います」とトークショーを締め括った。
同展はQUEENの歴史を7つの「SCENE」に分けて展開する。ここからは吉田によるナビゲートのもと行われた展覧会ツアーでの解説を交えながら、各シーンを紹介しよう。
SCENE1:クイーンの原点
QUEENがデビュー前に出演した老舗ライブハウス「マーキー・クラブ」
入り口でチケットを見せると、同展のため特別に作られたタブロイド紙『QUEEN TIMES』をゲットできる。展示内容を補足してくれる手引書となっているので、会場や自宅で読み込もう。展示会場に足を踏み入れると、1本の映像が目に飛び込んでくる。イギリスで制作された、QUEENの50年間を振り返る映像だ(ブライアン・メイの父親も一瞬登場する)。ルックスや音楽、50年のQUEENの変化をこの映像で味わってから次の部屋に入ると、そこには1971年のイギリスの街並みが広がっている。QUEENがデビュー前に出演したライブハウス、マーキー・クラブと、ビートルズらもレコーディングを行った、トライデントスタジオが、まるでそのままやってきたようだ。
1975年にアメリカでメンバーが記入した自筆のアンケート用紙
さらにメンバーの幼少期から青年期の写真や、当時のマーキー・クラブの雑誌広告、フレディが描いたクレストのレプリカなど、初期のQUEENを窺い知れる内容になっている。なんといっても1975年、日本に来る前にアメリカでとった直筆のアンケートは必見。好きなアーティストや好きな食べ物などの質問に答えている。それぞれのメンバーの筆跡や回答に目を凝らしてみてほしい。
SCENE2:「ボヘミアン・ラプソディ」の誕生と飛躍

ザンドラ・ローズが手掛けた、結婚式のドレスをカスタマイズした衣装(白鷺ルック)
メンバーに詳しい吉田曰く、「本当に4人とも個性豊かで、才能豊かで、音楽的な喧嘩は絶えなかったみたいです。ただ4人をがっちり結び付けていたのは、苦労したデビュー期から一緒に活動し、ツアーに出て、安給料で働き、共有した時間が大事だったのかなと思います。そんなお金がない時代でも、フレディとブライアンでずば抜けていたのは衣装です」と、ザンドラ・ローズが手掛けた衣装を紹介。バンドといえばTシャツやジーパンの時代に、新進気鋭の女性デザイナー衣装を依頼した2人の感覚には舌を巻く。
ロンドン郊外の「リッジファーム・スタジオ」
さらに、名曲「ボヘミアン・ラプソディ」が生まれたロンドン郊外のスタジオ、リッジファーム・スタジオも環境展示されている。白レンガの壁や、そこに咲き誇るバラの花。メンバーが過ごしたスタジオの雰囲気を味わうことができる。
本家の許可を得てダミーで再現されたオリジナルのマスターテープの表紙には、フレディがレコーディングの合間に描いた落書きが見つかる。また、QUEENといえばコーラス。マスターテープの24トラックのうち、半分以上をコーラスパートに使用しているという。「ブライアン、ロジャー、フレディ。音域が3人とも違うので、3人がハモると完璧なんです。これはQUEEN最大の武器の1つ。こんなにコーラスが上手で、熱いコーラスを出せるバンドはロックバンドの中では本当にQUEENが最高峰かなと思います」(吉田)。
SCENE3:世界のチャンピオンに
世界初の展示となる、フレディのブラックアンドホワイトレオタード
「We Will Rock You」と「We Are The Champions」を両A面シングルでリリースし、日本だけでなく世界的に大ヒットしたQUEENは1979年、世界を制覇したツアー『LIVE KILLERS』を行う。会場には当時のステージが再現されている。
初のライブアルバム『Live Killers』のジャケットにもなった、日本武道館公演での写真
QUEENは何度も来日したが、同年は最も長い1ヶ月間滞在した。そのツアーの中で、日本で撮影した1枚の写真が左手の壁に大きく飾られている。これは『ミュージック・ライフ』のカメラマン、長谷部宏が撮影したもの。メンバー自ら「撮ってほしい」と依頼したにもかかわらず、3度ほどメンバーが忘れてなかなか撮影できず、ようやく撮れたという逸話つき。この写真の前で拳を突き上げ、メンバーの1人になって撮影を楽しもう。
他にも、マニアが丹念に集めたメンバーの楽器を公式として展示したコーナーや、フレディのラメのレオタード、メンバー直筆の歌詞カードなど、このシーンだけでも見どころが多い。じっくりと目を凝らしてメンバーの息吹を感じてみよう。
SCENE4:新たな挑戦
メンバーのビデオ・コメントは見逃せない
ここまで破竹の勢いで進んできたQUEEN。しかしアルバム『Hot Space』が売れず、伸び悩みをみせる。そして、イギリスとアメリカを制覇した彼らは、サウスアメリカツアーに乗り出す。『Hot Space』の色にカラーリングされたカラフルな展示室には、護身としてついてくれた警官とともに撮影した写真や、オリビア・ニュートン=ジョンやアンディ・ウォーホルなど、多くの著名人と撮影した写真も飾られている。
SCENE5:ライヴ・エイドの奇跡
伝説の『ライヴ・エイド』
停滞していた彼らの人気が一気に戻るキッカケになったのは、映画でもお馴染みの『ライヴ・エイド』だ。
SCENE5では、『ライヴ・エイド』の映像と、それにまつわるメンバーのインタビューを観ることができる。「実はこのステージが終わってしばらく後に、フレディとブライアンがアンコールで出てきて「悲しい世界」という曲をやってるんです。その曲が本来の『ライヴ・エイド』の主張を歌った曲。上映中のビデオにはしっかり入っていますので、是非聴いてください」と吉田は述べた。
SCENE6:絶対王者の自信と誇り

『Magic Tour』最終日公演のネブワース・パーク公演のチケット
『ライヴ・エイド』以降、再びスターダムにのし上がったQUEEN。フレディとジョン・ディーコンが参加した最後のツアーで、バンド史上最大規模の『MagicTour』を、ヨーロッパで行った。SCENE6では『MagicTour』最終日、ネブワース公演の貴重なチケットや、フレディがこの公演で着ていた衣装が2点来日している。
『Magic Tour』のオープニングで着ていたイエロージャケット(通称バックル・ジャケット)
同ツアーのオープニングで着ていたイエロージャケット(通称バックル・ジャケット)とアンコールで着ていた有名な王冠とマント。「この2点を大阪展で隣同士に並べることができて良かった」と吉田はしみじみ口にした。
『MAGIC TOUR』のアンコールで着ていた王冠とマント
ついにロックバンドの世界王者にのぼりつめたQUEEN。しかし、メンバー間のバランスが徐々に崩れ始める。そしてここからフレディの病気が悪化、惜しくも1991年11月24日に45年の生涯を閉じることになる。
SCENE7:フレディとの別れ、そして伝説のクイーンへ
フレディについて語るブライアンの映像は必見
最後のSCENE7では、フレディについてブライアンがインタビューに答えている映像が流れている。吉田は「ブライアンがフレディの話をしているのは、すごく珍しいんです。フレディが亡くなって、どういうことなのかみんな知りたい。でもブライアンは一切喋らなかったんですね。言いたくもないだろうし、まだ悲しみの淵にいる人間に亡くなった人のことをズケズケと聞く方も聞く方だと思うので。ただ、このインタビューでは珍しくフレディの話をしてくれますので、ゆっくり観てください」と語った。
出口の前には、関係者や著名人からのメッセージが投影されている
会場には、フレディが亡くなった当日の新聞記事と、翌年のトリビュートコンサートのポスターが展示されている。そしてスイスのレマン湖畔に建てられたフレディの銅像の写真と、フレディが残した音源をもとに制作されたアルバム『Made In Heaven』が、50年展のラストを飾る。
吉田は「銅像の名前の下に、ブライアンが書いたと言われる言葉が刻まれています。「Lover of Life,Singer of Songs.」。僕は「命の尽きる瞬間まで魂を燃やし、人生を愛し、歌を歌い続けたフレディ」と訳しました。この言葉に込められたブライアンの思いはこういうことかなと思います。生涯フレディは歌を歌い続けていくことにこだわった。天国でもきっと歌を歌ってくれていると思っています。これからもQUEENの音楽を楽しんでいきましょう」と述べ、展覧会ツアーは終了した。
150インチ4面マルチスクリーンによる「イマージョンシアター」
最後の部屋に広がるのは、150インチの4面マルチスクリーンによる「イマージョンシアター」。視界いっぱいに広がる大画面で、まるでライブ会場にいるかのような臨場感あふれるQUEENのライブ上映を楽しむことができる。流れる映像は1982年の西武スタジアムでの来日公演。野球帽を被ったフレディのオフショットも見逃せない。
展覧会限定グッズなどが盛りだくさん
Tシャツも多数揃う
そしてグッズエリアでは、公式図録をはじめ、展覧会限定グッズやQUEENアーティストグッズなど、合計100点以上が販売される。ぜひこちらも要チェックだ。QUEENの50年の軌跡と魅力を存分に浴びることができる『QUEEN50周年展-DON’ T STOP ME NOW-』は3月11日(金)から5月9日(月)まで、大丸梅田店13階特設会場にて開催中。
取材・文・撮影=ERI KUBOTA

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