ピアニスト石井琢磨が3つの願いを“
直談判”?! イープラスとエージェ
ント契約を締結

ウィーン在住のピアニスト・石井琢磨が株式会社イープラス(東京都渋谷区)と「エージェントビジネス」契約を結んだことを明らかにした。期間は2022年4月1日から。
コンサートのため一時帰国した2月某日、石井はライブレストラン「eplus リビングルームカフェ&ダイニング」(東京都渋谷区)を訪れていた。キャリーケースを引きながらやってきた石井を出迎えたのは、イープラスの橋本行秀代表取締役会長だ。“調印式”の名目で集まったこの日だが、石井の真の目的は、会長への“直談判”だった――?! その模様をお届けする。

時刻はお昼を少し過ぎた頃。普段は食事やライブを楽しむ客で賑わう「eplus リビングルームカフェ&ダイニング」はこの日、調印式のため関係者のみに開放されていた。到着早々石井は、「貸し切りじゃないですか!」と仰天。恐る恐る中に入って来ると、橋本から「こちらに」と、ソファーへと促される。
自身のYouTubeチャンネルの撮影も同時に行っていた石井は、橋本と向かい合う形で席に着くや否や、「会長に直談判しに来ました!」と意気込み。音楽活動をする上で大事にしているという「3つの柱」、そして、今後イープラスとの活動において実現したい「3つの願い」について熱く語り始めた。
石井が示した「3つの柱」とは、「応援してくださるファンを大切したい」「クラシックを広めたい」「生音を届けたい」というもの。これらを実現するため「1人ではできない規模感のことをお手伝いいただきたい」と子犬のような顔で橋本を見つめ、1つ目のお願いとしてファンが集える「ファンクラブの設立」を熱望した。
「会員の人だけが観られる、限定ライブ配信やイベントを行いたい」と願い出ると、橋本は「いいですね。ここでやったら?」と快諾。思わぬ反応に石井は「ここ!?」とグランドピアノが置かれた会場を見渡した。「ここで出来るんですか??」と目を丸くした後、動画を撮影しているスタッフを見て「ここ撮ってるちゃんと?」と確認。スタッフがうなずくと、「良かった。この動画、証拠になるよね??」と声をうわずらせていた。
2つ目に挙げたのは、47都道府県を巡るツアー。2月に行った初ツアーは、東京・神戸(兵庫県)・名古屋(愛知県)の3都市での開催だった。都市圏のみの展開だったため、ファンから(コロナ禍もあり)「遠方で行けません」というコメントが石井のもとに届いたという。
石井は「生の音を届けたいと思っている中で、とても心苦しいこと。みなさんが足を運びにくいのであれば、僕が47都道府県に出向いてコンサートを行いたい」と話すと、橋本は「やりましょう!」と大きくうなずいた。
「直談判だ!」と意気盛んに交渉を始めたものの、そうそうスムーズにはいかないだろうと覚悟していたのか、時折緊張と不安の色もにじませていた石井。玉砕覚悟で提案したアイデアが次々と快諾され、言葉を失ったが、橋本は「日本は世界で一番コンサートホールがある国だけれど、全てが稼働できている訳ではないんです。逆にぜひやってみたい!」と地方活性化にもなる活動を「イープラスとしても取り組みたい」と笑顔を見せていた。
さらに石井は、「サントリーホールで公演したい」と告白。石井にとってサントリーホールは「6、7歳の頃に初めて訪れてから、ずっと憧れている」場所だという。この3つ目の願いに、さすがにこれは断られるかなという表情で橋本を見詰めると、橋本から「来年ぐらいにやりましょう。琢磨さんなら無理なく大丈夫!」と太鼓判を押されていた。
3つの「思い」を全て承認された石井は「直談判、大成功!」とガッツポーズ。調印式後には「世界がひっくり返るくらい緊張した」と安堵の表情を見せていた。47都道府県ライブについては2022年秋頃から順次全国を周るという。ファンクラブは来年開設される予定だ。石井は「ファンのみなさんに待っていてくださいねと言いたい」と対面する日を心待ちにしているようだった。
この日が初対面だったという2人。橋本から握手で激励され安堵の表情を見せた石井と、発信力を持つアーティストを支援していきたいという橋本、調印式後も意見を交換し続けていた両者に話を聞くことができた。
今回石井とのエージェント契約に至った背景を聞くと、橋本は「クラシックのコンサートは『堅苦しい』とか『敷居が高い』などのイメージから、会場で演奏を聴いたことがない人が少なくありませんよね。足を運ばれる方の9割ぐらいが、5~60代という世界を僕は変えたいと思っています。琢磨さんはYouTubeチャンネルでウィーンの様子をレポートされていたり、ストリートピアノで演奏をされるなど、聴き手を広げる取り組みをすでになさっていらっしゃる。石井さんと手を組むことによって、若い人がクラシックのコンサートに目を向けるきっかけになればいい。琢磨さんの演奏はもちろん素晴らしいですが、親しみやすいキャラクターなので、『クラシックのコンサートって楽しいね』と思ってもらえるような公演を実現できると思っています」と期待を寄せた。
これをうけ石井は「正直に申し上げると、クラシックのイメージを根こそぎ変えたいと思っています。YouTubeなどで僕を知ってくれた1人1人と向き合って、クラシック音楽の魅力を伝えていきたいんです。僕のYouTubeチャンネルは9.33万人がチャンネル登録をしてくださっていますが、登録ボタンを押してくださった『1』がこの大きな数字に繋がっています。この『1』を大切に、僕の人生に関わってくれている人を幸せにしたい」と意気込みをみせる。
イープラスは2020年にアーティストやその会社に向け「エージェントビジネス」契約をスタート。石井はサクソフォン奏者の上野耕平や、ピアニスト角野隼斗らに続く6人目となる。橋本は契約をしている(ピアニストの)反田恭平が代表を務める『株式会社NEXUS』に触れ、「ピアニストが独立するなど、一昔前までは想定も出来ませんでしたが、いまはYouTubeやSNSなどからスターが生まれる時代。マネジメントができセルフプロデュース能力が高いアーティストは、事務所などの枠にとらわれずに活躍することができています。そういう発信力を持ったアーティストが活動しやすいよう、対等な関係で対話をしながら、活動を支えられればと考えています。例えば個人では難しいプレイガイドの顧客データをベースに組み立てる全国ツアーのブッキングなどがあります」と説明した。
始まりは横浜の赤レンガ倉庫で開いた野外音楽イベント『STAND UP! CLASSIC FESTIVAL』だったと振り返った橋本。「食べて飲んで、寝転がりながらクラシックや、オペラ、ミュージカル、アニメ音楽、ポップスなどを楽しむことができるフェスでした。『楽しい』と感じてもらえる体験を提供することが、次に繋がっていく。琢磨さんのように本格的なクラシックの技術を持っている方がビートルズを弾いたり、即興をしたり。変化球で音楽の楽しみ方を伝えてくださることによってジャンルの幅が広がることに繋がっていくと思っています」と思いを込めた。
石井琢磨
●石井がイープラスの橋本会長に直談判する模様は、石井のYouTubeチャンネル「TAKU-音 TV たくおん(https://www.youtube.com/c/TakuonTV)」で公開中。

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