『BLEACH』生誕20周年記念原画展『B
LEACH EX.』大阪にて開幕、原画と共
に黒崎一護のルーツと藍染らとの死闘
を辿る

3月24日(木)から大丸ミュージアム梅田にて、漫画『BLEACH』の原画展『BLEACH EX.』が開幕した。同作は2001年から16年まで『週刊少年ジャンプ』にて約15年間連載されていた、久保帯人によるバトルアクション漫画。突如死神の力を手に入れた黒崎一護が仲間たちとともに、悪霊や敵の死神たちと戦いながら成長していく。漫画の生誕20周年を記念して開催される同展では、原画を通して作品の世界観や原作者のメッセージに触れることができる。今回はそんな見渡す限り「最高」の一言に尽きる会場の様子を、『BLEACH』とともに成長したと言っても過言ではない、SPICE編集者がレポートしていく。
(c)久保帯人/集英社
●世界観を際立たせる、キタニタツヤのオリジナルテーマ曲●
『BLEACH』のコミックス巻頭の詩が入場通路の壁に描かれており、すでに心が踊って仕方がない。足を止めてじっくりと読みたくなるのを堪えながら通路を抜けると、オープニング映像が出迎えてくれる。映像だけでも十分カッコ良いが、さらに魅力を際立たせてくれるのは、今回のために書き下ろされたキタニタツヤの楽曲「Rapport」。作風と曲がピッタリなのはもちろんのこと、歌詞のフレーズに合ったキャラが流れてきた時には鳥肌が止まらないので、じっくり観て欲しい。
●まずは死神にフォーカス●
(c)久保帯人/集英社
足を進めると合計200点を超える原画が、それぞれテーマごとにずらりと展示されている。まずは「死神」たちにフォーカス。死神が纏う黒い袴「死覇装(しはくしょう)」の色をバックに、メインキャラたちの見せ場や、朽木ルキアを救う戦いのカットが並ぶ。
(c)久保帯人/集英社
同コーナーで一際目を引くのは、一護の斬魄刀(ざんぱくとう)の「斬月(ざんげつ)」。伝説上の剣、エクスカリバーのように台座に刺さっているのだが、頭上まで柄が伸びており「一護はこんなに大きい刀を振り回してるのか……!」と思わず少年のように胸が踊る。また作品とともに掲示されている作者のコメントは、そのシーンに新しい視点を持たせてくれるので必見。
●死神の力を失った一護が出会う集団「XCUTION」●
(c)久保帯人/集英社
一気に物語は後半へ進み、「死神代行消失篇」のゾーンへ。死神の力を失った一護が出会った、銀城空吾率いる特別な能力を使える人間の完現術者(フルブリンガー)集団「XCUTION」のメンバーが展示されている。
(c)久保帯人/集英社
連載当初より作画がさらに洗練されているのはもちろん、黒く塗りつぶす「ベタ」に圧倒される。さらにモノの形に沿って黒く塗っており、真っ黒なのに服の皺や筋肉の形がわかったりと、印刷物で伝わりきらないのがもどかしいほど繊細なのだ。ベタ塗りしている箇所は✕マークがついているので探してみて欲しい。
●宿敵、藍染率いる破面や一護のルーツに迫る●
(c)久保帯人/集英社
ここからはしばらく真っ白な壁のエリアが続く。白い仮面と衣装をまとう虚(ホロウ)たちのお出ましだ。死神を裏切り、虚に死神の力を与えた藍染と、力を享受した破面(アランカル)を中心に物語を振り返る。藍染の隠された過去や、破面の中で最も強い10体「十刃(エスパーダ)」と死神の対峙に迫る。命をかけた攻防を繰り広げるカットが並ぶ中、幼女姿のネルのパネルが異様な存在感を放っていて一気に緊張がほぐれる。
(c)久保帯人/集英社
さらには一護のルーツが語られた60巻「EVERYTHING BUT THE RAIN」にフォーカスを当てる。一護の両親が出会った日は、タイトルの通り雨が降っているのだが、雨の表現がコマによって変わっていて、まじまじと観てしまう。またこのあたりから壁面にキャラクターや漫画のコマなどが描かれるようになり、つい足が止まるので時間配分に注意を。
●滅却師の始祖、ユーハバッハとの死闘●
(c)久保帯人/集英社
そして10月からアニメで放送される、最後の戦い「千年血戦篇」へと突入する。時系列としては死神代行消失篇の後の物語。滅却師(クインシー)の始祖、ユーハバッハとの死闘を見届けられる。
(c)久保帯人/集英社
大型の幕などを用いながら、滅却師や死神最強集団の零番隊など、新しく登場したキャラを含む、メインキャラ別に名シーンが展示されているブースは圧巻。誰がピックアップされているかは会場で確認しよう。ちなみに、人気投票一位を獲得していて、筆者の人生初推しの日番谷冬獅郎もブースが設けられていた。どの展示も絶妙にネタバレされていないので、漫画をもう一度読み返したいしアニメも早く観たいという思いが膨らんでいく。
死神、破面、滅却師と、同作品を代表する3つの勢力ごとにエリア分けされた同展。それぞれが対立関係ではあるものの、死神から破面へ、破面から滅却師へと移り行く間には、各要素を併せ持つキャラクターが登場していて、流れが非常に滑らかだった。そして一護がこの物語の軸になっているのだと改めて実感できる並びに、スタッフの愛を感じてならない。
●ストーリーの転機に訪れた数々の死を振り返る●
(c)久保帯人/集英社
展示はここで終わりではない。バトルものという性質上、ストーリーの転機には離別が伴うことも多々ある。続いてのコーナーはそんな心に焼きつき忘れられない、散りゆくキャラクターたちを追憶する。これまでの賑やかな雰囲気とは打って変わって、静けさと寂しさが急に押し寄せてくる。
(c)久保帯人/集英社
それぞれのキャラクターの詩が、原画とともに真っ白な壁に書き出されている。原画の下には、命が途切れる前後のシーンがプリントされたパネルが均等に並べられていた。油断すると涙がこぼれそうだ。
●カラー原画や作画資料も展示●
(c)久保帯人/集英社
しんみりしながら次のエリアに進むと、一瞬でテンションの上がるオブジェが。まじまじと眺めたい気持ちを抑えながら、次のコーナーへ。まずは生誕20周年特別企画としてスタートした公式ファンクラブ「Klub Outside」での投票によって選ばれた、ベストバウトの5戦が展示されている。会員の本気度が伝わってくる投票結果をその目で確かめてほしい。
(c)久保帯人/集英社
さらに死神や虚などにルーツを持つ一護が、姿を変えながら成長していく姿を追いかける。原画と共に展示されているのは、虚化した一護の仮面。あまりのカッコ良さとリアルさにシャッターの手が止まらなかった。横にはさまざまな姿をしている一護のカラー原画が並ぶ。
通常は観ることができない原稿や資料なども公開されている。全くイラストを描いたり、漫画を描いたり、デザインしたりしない筆者でも、構図の意図や色の塗り方などがわかりやすかった。『BLEACH』好きはもちろん、アートに関心がある人は参考にしてみてはいかがだろうか。また「漫画が生まれるところには音楽がある」とのことで、LPレコードのジャケット風にデザインされたオシャレなカラーイラストも。アニメ主題歌やサウンドトラックなどのLP盤がこのジャケットで販売されていたら、間違いなく全部揃えるだろう。
●完結後の読み切り「獄頤鳴鳴篇」が一挙公開●
(c)久保帯人/集英社
昨年『週刊少年ジャンプ』にて掲載された、本編完結のその後を描く「獄頤鳴鳴篇」。その複製画と設定画が一挙に公開されている。さらに同展に向けて、獄頤鳴鳴篇の時間軸で書き下ろされた全32体のキャラクターの集合絵や、キタニタツヤによる同篇テーマソング「タナトフォビア」に乗せた映像などもあり、次世代の子供たちが紡いでいく物語に想像が膨らむ。
次のエリアには、ストーリー内では観ることができない、特別なシチュエーションが魅力のカラーイラストが勢揃いし、同展のラストを飾っている。
(c)久保帯人/集英社
会場を抜けると公式グッズショップも展開。大阪会場から追加された商品もあるとのことなのでチェックしよう。『BLEACH』を懐かしむのもアリ、アニメ放送に向けて気分を上げるのもアリな『BLEACH EX.』は4月18日(月)まで開催中。
取材・文・撮影=川井美波

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