小池徹平、黒羽麻璃央、加藤和樹らが
魅力的なキャラクターたちの生き様を
魅せる ミュージカル『るろうに剣心
京都編』会見&ゲネプロレポート

1994年より「週刊少年ジャンプ」にて連載された和月伸宏原作の剣劇漫画『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』。明治時代の日本を舞台に、新撰組や紀尾井坂の変、池田屋事件といった史実とオリジナルストーリーを組み合わせた人気作品だ。2017年からは続編の『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚・北海道編-』が「ジャンプSQ.」に掲載されている。個性豊かなキャラクターたちの生き様が多くのファンを魅了し、シリーズ累計発行部数は7200万部超え、アニメや小説、実写映画、舞台と様々なメディアミックスがなされてきた。
今回は、数々の人気ミュージカルを手掛けてきた小池修一郎が、特に人気の高い“京都編”を新作として書き下ろし、客席が360°回転するというユニークな機構を持つIHIステージアラウンド東京でミュージカル『るろうに剣心京都編』の上演を行う。初日に先駆けて行われた会見とゲネプロの様子をお届けしよう。
(c)和月伸宏/集英社
――いよいよ初日を迎えるにあたり、今のお気持ちを教えてください。
小池徹平(緋村剣心役):ちょうど昨日通し稽古を無事に終え、ついに初日。バタバタしながらも形になり、実感が湧いています。2年越しにお客様の前で演じられるのが非常にワクワクしますし、ようやくここまできたのであとは全力で挑みたいですね。
黒羽麻璃央(志々雄真実役):まず「誰?」という感じだと思いますが(笑)、包帯を巻くようになる前の志々雄真実さんです。久しぶりに顔を出しているのでちょっと恥ずかしいですね。稽古場から劇場に来て、いろいろなことが明確になり、新たな発見もあり、昨日の通しも本当に楽しかったので、初日がすごく楽しみです。
加藤和樹(比古清十郎役):正直、この劇場でこのお芝居をやるのは相当大変なこと。でも、それに勝る楽しさとワクワクがあります。通し稽古の間、自分が出演しないシーンを見ていて、本当に心が踊る場面、ぐっと惹きつけられる場面など、多くの名シーンがありました。ぜひ楽しんで観ていただきたい気持ちです。
――本作やご自身が演じられるキャラクターの魅力、自分との共通点を教えてください。
小池:なんといっても、京都編は戦いが多くあります。このステージアラウンド東京という劇場の良さを活かし、原作をなるべく再現した殺陣を行なっているのが見どころです。その中でも、剣心の優しさ・頼もしさですね。不殺を誓った剣心が、対峙する相手にも道を示すなど、なんて優しい男なんだろうと思いますし、僕も演じていて救われます。共通点としては、守るために生きるという信念には共感する部分があります。
黒羽:悪というのが志々雄のテーマの一つですし、剣心と同じような道を辿ってきたと思いきや行き着く思想は正反対。剣心の存在があるから志々雄真実という悪が光りますよね。剣心と志々雄の戦いは志々雄にとっても物語的にもクライマックスなので、大事に、そして勢いよくやっていきたいです。共通点は、あったらちょっと危ないですからね(笑)。でも、「所詮この世は弱肉強食」っていうのは正直分からないでもないので、志々雄の思いを理解しようと努力はしています。
加藤:僕が演じる比古清十郎は、2人に比べると出演シーンは本当に少ないんです。その中で剣心の師匠らしい圧倒的な強さや底しれなさを見せないといけない。誰も比古の強さを測れないミステリアスさは魅力だと思います。演じていて難しかったのはこのマントですね。原作ではめちゃくちゃ重いという設定なんですが、これもそれなりの重みがあって。殺陣でマント捌きをいかに美しく強く、力強く舞えるか研究しています。
――体力的にかなり大変だと思いますが。
小池:本当に、体の痛みと日々戦いながら頑張っています。ただ、痛みを越える楽しさがあるんですよね。剣心はたくさんの人と戦うので大変ですが、不思議と戦っている間は痛みを感じません。ずっと戦ってればいいのかな(笑)。
黒羽:大変ですがようやく馴染んできて、包帯の暑ささえも心地よくなってきました。今は早くお客様に届けたいという気持ちです。あとは表情の見える面積がどうしても少ないので、お芝居を大きくするなどの工夫は考えました。
――小池修一郎先生の演出についてはいかがですか。
黒羽:劇場が360°回転するので、稽古場だと転換の想像などがつきづらくて。僕らが想像しきれない部分も先生の中では広がっているんだなと。劇場に来てようやく「こういうことか!」と感じました。
小池:演出自体は、すごく寄り添って丁寧に指導してくださいました。厳しさよりも愛の方が大きいです。
加藤:先生は一度やって見せてくれるんですよね。頭の中になる流れを提示していただいて、我々がそれに沿って作っていく。でも形だけではダメで、いかに気持ちを乗せていくかが役者の仕事です。演出のイメージに追いつくけるかは毎回の課題ですよね。今回は舞台セットが360°なので、全体を把握しながら演出をつけるというのはとんでもない人だと改めて思いました。
――最後に、皆さんへのメッセージをお願いします。
小池:こだわりの詰まった素敵なセットや衣装もあり、本当に漫画から飛び出たような『るろうに剣心 京都編』が観られると思います。ミュージカルなので歌もありますし、もちろん派手なアクションも。とにかく良いものと面白さを詰め込んだ作品になっていると思うので、ぜひ期待して劇場に来ていただければなと思っております。
(c)和月伸宏/集英社

続いて、ゲネプロの模様をお届けする。
(c)和月伸宏/集英社

<あらすじ>
幕末の世に最強の刺客“人斬り抜刀祭”として恐れられた緋村剣心(小池徹平)。明治維新後は不殺の誓いを立てて流浪人となり、刀の峰を刃とした「逆刃刀」を手に静かな暮らしを送っていた。そんな剣心の元に、志々雄真実(黒羽麻璃央)が国家転覆を計っているという報せが届く。剣心の役目を継いで人斬りとなった志々雄だったが、同志に裏切られて身体を焼かれ、明治政府への復讐を企てているという。
志々雄を止めるため、一人京都へ向かう剣心。
そしてそんな剣心を追って、神谷薫(井頭愛海)、相楽佐之助(岐洲匠)ら仲間たち、因縁の相手である斎藤一(山口馬木也)、四乃森蒼紫(松下優也)も京都へ集結する。
剣心は旅の途中で出会ったくノ一・巻町操(鈴木梨央)と共に志々雄一派の瀬田宗次郎(加藤清史郎)と対峙するも、逆刃刀を折られてしまう。さらなる強さを手に入れるため、剣心は師匠の比古清十郎(加藤和樹)を訪ねる――。

(c)和月伸宏/集英社
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小池の剣心は優しく穏やかな中に陰があり、寂しそうな雰囲気が印象的。薫たちに対してもどこか壁を感じさせる佇まいだ。甘く澄んだ歌声から剣心の深い苦しみや葛藤、優しさがにじんでいる。殺陣の鋭さはそのままに、人斬りの頃と流浪人になってからの違いを細かな表情で魅せ、言動に深みのある剣心をチャーミングに演じている。
(c)和月伸宏/集英社
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黒羽演じる志々雄は、冒頭以外のシーンで顔がほとんど隠れているものの、目の表情や声音から強さへの意志とカリスマ性がひしひしと伝わってくる。力強い太刀筋、残酷ながら部下たちへの理解や情も見せる様子など、悪役ながら魅力的。傍に寄り添い志々雄を一途に愛する駒形由美(伶美うらら)、十本刀の宗次郎、佐渡島方治(猪塚健太)や本条鎌足(奥野壮)らが心酔するのも頷ける。
その他の十本刀も、個々のシーンは短めながら存在感を放っており、見ていて楽しい。敵味方ともに様々な武器を扱うため、数多くの殺陣のシーンが単調にならず迫力満点だ。
さらに、悠久山安慈(郷本直也)と佐之助のバトルはお互いの思いをぶつけ合うラップ調の楽曲だったり、鎌足と薫、操が戦いの中で切ない胸の内を歌ったりと、多彩な楽曲も物語に華を添えている。
(c)和月伸宏/集英社
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山口は自らの正義と信念を貫く斎藤の生き様を渋く好演。クールな中にも熱さを見せている。四乃森を演じる松下の流麗な殺陣や伸びやかな歌声も心地よい。歌唱シーンは御庭番衆たちのアクロバットと合わせて見応えは十分だ。
そして、会見で加藤本人も言っていた通り出番は少なめな比古清十郎だが、圧倒的な存在感で強い印象を残していた。剣心に対する厳しくも優しく、少し子どもっぽさのある態度がかわいらしく、師弟のやりとりが微笑ましい。また、殺陣は重さと軽やかさが両立しており、剣心をもしのぐ強さに説得力があった。
(c)和月伸宏/集英社
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また、シリアスな物語の中で、一心に剣心を想う薫のひたむきさ、2人を見守る佐之助や弥彦、恵のあたたかさ、操の明るさがホッと和ませてくれる。志々雄一派との戦いがメインではあるが、剣心の心を支える人々との交流や新たな仲間との出会いなど、心温まるシーンも多く緩急がついている。
(c)和月伸宏/集英社
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ステージアラウンドの機構を存分に活かし、京都の街や志々雄のアジトなどのセットが豪華で華やかに組まれているのも大きな見どころだ。場面転換の際に客席が動くことで、剣心たちの旅路や最終決戦で志々雄の元に辿り着くまでの距離感をリアルに感じられるのも楽しい。
長編をぎゅっとまとめていることもあり一部展開が違うため、原作ファンも新鮮に楽しめるだろうと感じた。イキイキと演じられる個性豊かなキャラクターが揃い、歌あり殺陣あり、魅力的な衣装や美術もありと見どころたっぷりな本作は、5月17日(火)より6月24日(金)まで、IHIステージアラウンド東京にて上演される。
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取材・文・撮影=吉田沙奈

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