泉谷しげる×仲井戸“CHABO”麗市、
2年半ぶりの共演ライブのオフィシャ
ルレポートが到着

泉谷しげる仲井戸“CHABO”麗市が、東京・EX THEATER ROPPONGIで2年半ぶりの共演ライブを行った。2018年に東京で久々に同じステージに立ったことから翌年には大阪と名古屋でも共演、その後にも続く予定だったがコロナ禍で延期となり、今回ようやく実現したものだ。
盛大な拍手の中を登場した二人、まずは泉谷が「ようこそ!2年半ぶりのライブなので、うまくできるかどうかわかりませんけどね、今日はみなさんに感謝して、みなさんをいっぱい愛してしまいます。全力でやります、途中で倒れたらごめんなさい。頑張りますので応援してください!」と挨拶し、「仲井戸麗市!」と紹介すると仲井戸の力強いギターでライブがスタートした。
まずは二人で数曲。主に泉谷が自身の曲のヴォーカルを歌うスタイルだが、仲井戸は曲に合わせてギターを変えたりチューニングを変えたり、時に軽快に、時にしっとりと弾き、曲に新しい風情を吹き込んで行く。そのせいか泉谷の歌い方も丁寧で趣のある歌になる。途中のMCによれば、この日のセットリストは仲井戸が考えたそうで、泉谷は「私の発言権はない」のだが、唯一歌いたいと言ったという曲が、古井戸の曲。仲井戸がRCサクセションに参加する以前に組んでいたフォークデュオだ。この日の立ち位置が、ステージ向かって右手に泉谷がスツールに腰掛け、左手で仲井戸が立っているのは、古井戸時代を模しているとかいないとか。だが意外な曲をしっとりと歌う泉谷が新鮮だった。
泉谷しげる
一方、仲井戸が「泉谷の初期の名曲やらせてください」と観客に呼びかけ泉谷が「なになに?もうちょっと大きな声で言ってくれますか?」とニヤニヤした曲では仲井戸がボトルネックを弾き趣のある演奏に。また「個人的に「春夏秋冬」より好きだった」と言われて泉谷が「やればいいんでしょ」と照れた曲などもあり、演奏を聴きながら二人の素顔を見ているよう。その後のMCで、二人の付き合いは50年と仲井戸が言い、終盤ではその当時のことを二人で話していたが、1970年頃にアマチュア時代の古井戸とRCサクセションが出演していたライブハウス「青い森」に客として来ていたのが泉谷で、その交流から彼もシンガーソングライターとしてステージに立つようになったのだ。そして今も同じステージに立っている。
次いで仲井戸のソロ・コーナーでは、ステイホーム中に作った曲や敬愛するミュージシャンに捧げた曲などを披露。リズムボックスを使った演奏でバンド感を出したり歌の途中に朗読が入ったりと、ソロでやっていることを凝縮して見せた。そして泉谷を呼び込み1曲一緒に演奏し、今度は泉谷のソロにバトンタッチ。泉谷はMCを挟まず一気呵成に3曲を歌ってみせた。
再び二人が揃っての後半は、泉谷が「一気にいっちゃいましょう、お覚悟を!」と呼びかけてパワフルな曲を連発し、観客もハンドクラップや腕を上げてステージの熱に応える。二人の個性的な声とギタープレイが重なってさらにステージにヒートアップ。ある曲では客席で国旗が振られていたのが見えたのか泉谷が親指を立てて応えてみせた。この曲は皮肉を込めて国旗を歌にしているが、最近のニュースは国旗には重い意味があることを気づかせる。この曲の意味を改めて考えたくなった。
仲井戸“CHABO”麗市
素晴らしく熱量のあるこの曲を終えると泉谷は、数ラウンドを終えたボクサーのように椅子に座り込みローディに流れる汗を拭いてもらいながら「誰だ、こんなセットリストを考えたのは!」とブチギレ。それを眺めながら仲井戸が「しかもアコギ」と笑う。本来バンドでやる曲を二人のアコギだけでやる高いハードルを超えてみせたのだから、二人は互いに文句を言いながらも満足そうだった。一息ついて仲井戸が「マスクの中で一緒に歌ってよ。いつかでかい声で歌ってよ」と言って弾き始めたイントロは「いいことばかりはありゃしない」。二人で交互に歌いながら最終電車で六本木に着いた。
この後に思いがけないことがあった。本編での「春夏秋冬」を思うように歌えなかったと、アンコールで先に出て来た泉谷が一人で歌い直したのだ。俳優やアーティストとしての活動も多い泉谷だが、この日の彼は100%ミュージシャンだった。他の場所なら曲を褒められたら照れて乱暴なことを言ったりしそうなものだが、ここではそんなことがなく真摯に音楽と向き合っている。やはり音楽で繋がる盟友である仲井戸の存在が大きいに違いない。加えて何度も延期して来た公演に足を運んでくれた観客への感謝も並ならぬものだった。だからこそ歌い直したのだろう。その後は仲井戸が加わり観客が総立ちになった「雨上がりの夜空に」などを演奏、3時間に及んだライブは幕を閉じた。
『泉谷しげる✕仲井戸"CHABO"麗市 LIVE ロックンロールハート』は6月8日に大阪・なんばHatchでの公演が予定されている。

文=今井智子 撮影=三浦麻旅子

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