【ライブレポート】スタ☆レビ40周年
<東西合わせて108曲 煩悩ライブ>「
スターダスト☆レビューは幸せ者です
!」

2021年、40周年を迎えたスターダスト☆レビューが、6月4日(土)彼らの地元である埼玉県のさいたまスーパーアリーナにてデビュー40周年記念ライブ<東西合わせて108曲 煩悩ライブ>を行った。

6月11日(土)大阪城ホール公演と合わせ、2公演で全108曲を披露するという、途方もないマラソンステージ。この日の公演だけで、通常のライブ2本分を優に超える長さだ。

108曲とはタイトル通り、煩悩の数に引っ掛けたもの。彼らはデビュー20周年の2001年に、静岡県のつま恋多目的アリーナで開催された<つま恋100曲ライブ>を行っており、24時間で最も多く演奏したバンドとして、ギネス世界記録にも認定されている。あれから20年。メンバーは全員還暦を超えたが、彼らの新たなる挑戦を支持し、40周年を祝福する数多くのファンが会場を訪れた。
ステージ後方には巨大スクリーンが配され、客席に向けて花道が伸び、アリーナ中央にサブステージが用意されている。黒と赤の着物姿という個性的な衣装で登場したメンバーたちは、気負うこともなくいつも通りのスタンスで、ステージに立った。序盤、「Baby, It’s You」に続いて「Magic~手をつなごう~」では、観客も両手を左右に振って、早くもメンバーとファンの一体感が生まれている。リーダーの根本要はノリノリでギター・ソロを披露。「たそがれラプソディ」では華麗なギターカッティングも魅せる。

5曲歌い終えたところで最初のMC。今回のライブは、曲を演奏するだけでも5時間あるというが「私のMC次第で8時間にも9時間にもなります(笑)。しかし、それは許されることではありません」と笑いを取り、トークは3分と決めている、と宣言しつつ、早速の約束破り。3分オーバーの合図を告げる演出があり、会場は大爆笑に包まれた。

さすがに58曲となると、全体の曲構成をどうするのか気になるが、彼らはパートごとにテーマを決めて演奏するかたちをとった。まずは“アルバムの1曲目コーナー“ということで、ホーン・セクションとともに「噂のアーパー・ストリート」「街まで50マイル-My Old Friend-」「KEEP ON ROLLIN’」。MCを挟んで今度は“アルバムの2曲目コーナー“で、「ラッキーレイン」「未来は今に」「昔話を繙くように」と、やや通向けの渋い3曲を。

前半戦のハイライトと呼べるのが、“MVやLIVE映像とともに40年を振り返るコーナー”で、根本曰く、「PVで見る老化現象(笑)」。バックのスクリーンには当時のメンバーたちの映像が映し出され、現在のメンバーがステージで演奏するという仕掛けだ。

1985年の「想い出にかわるまで」は、スタ☆レビの初PVで、東京郵便貯金ホール(現ゆうぽうと)での公演の模様。黒のイタリアンスーツに赤のシャツ、サングラスにネクタイ姿のメンバーは、クールでスタイリッシュ。途中から85年の根本と現在ステージで歌う根本の映像が切り替わり、ルックスよりもファッションの変化に目が行ってしまう。

97年の「何やってんだろう」は、地元・埼玉ロケを敢行。行田、羽生、熊谷とメンバーゆかりの地を歩くアットホームな映像だが、ソバージュのロングヘア姿の根本が映し出されると客席から軽いどよめきが起きる。続く2000年の「What is Love?」では、ブルージーな楽曲に合わせ、スタイリッシュなモノクロ映像に。2010年の「夢への地図」は再び、埼玉が舞台。地元の中学を訪れ、メンバーが学生たちと一緒に歌ったりギターを演奏したりと温かい交流が映し出される。そして最新アルバム『年中模索』から「偶然の再会」に。
次のコーナーは“おバカソング”! こういったコミカルなレパートリーも彼らの得意とするところ。「村長さんの娘」「若い二人は恋人同志」と続け、KANがプロデュースに参加した22作目のアルバム『SHOUT』に収録の「セガホ」に。小柄な根本をいじった「背が欲しい」男の歌で、このスウィンギンなサウンドもまたスタ☆レビの魅力だ。

ここからは一転、“人生の悲哀を歌った悲しい曲のコーナー”へ。中村中が作詞、根本の作曲というコラボで生まれた09年の「潮騒前夜」をしっとりと。多ヶ谷樹が奏でるバイオリンの響きも物悲しく、「どうして」「涙のエピローグ」と名バラードが続く。

前半戦最後は“歌いまわしのコーナー”。少しは俺を休ませろ! ということで、根本以外のメンバーがヴォーカルをつとめる。「デェラ・シエラ・ム」はCHAGE&ASKAとのコラボ曲をドラムの寺田正美、ベースの柿沼清史、根本、パーカッションの林“VOH”紀勝、そしてサポートメンバーのキーボード添田啓二とアコギの岡崎昌幸がリレーで歌い継ぐ。さらに「月光列車(ムーンライト・ロコモーション)」「大渋滞」と続き「4曲目は内緒です! 内緒ですって曲じゃないよ(笑)」とジョークを飛ばし、その内緒の4曲目を歌い終え前半戦が終了。ここまでですでに26曲を歌い終え、3時間近くが経過。ライブ1本分を軽く超える長さだが、実はまだ予定された楽曲の半分も終わっていないのである。

30分の休憩中には、映像によるグッズ紹介が行われ、観客はロビーで軽い食事をとったりトイレに行ったりと、思い思いの時間を過ごす。そして、時計の針が17時に近づく頃、後半戦の開始となった。

ピンクのジャケットと赤いパンツ・スタイルに着替えた根本が再び登場。他のメンバーもラフないで立ちで、後半はアリーナ中央のサブステージに移動しての、アコースティック・コーナーからスタート。「What A Nite!」は、小編成で行われる小さな会場のオープニングでよく演奏される曲。出だしを根本が間違えるハプニングもあったが、次の「Spice of Life」では、スパニッシュ風の楽曲に合わせ、間奏でメンバーのソロ・プレイで繋いでいく。個々のプレイヤーの凄腕ぶりがダイレクトに伝わる名演だ。ホンキートンクな「ダンスはいかが?」を歌い終え、ここでスタ☆レビのライブでは欠かせないアカペラへ。そのハーモニーの力量を見せつける「不思議なチ・カ・ラ」と、唯一のカヴァー曲「オリビアを聴きながら」を披露。

後半戦もユニークなコーナー分けが控えている。まずは20曲近いタイアップ作品の中から、TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のエンディング主題歌「うしみつジャンボリー」、カネボウ化粧品90年春のキャンペーン・イメージソング「君のキャトル・ヴァン・ディス」、そしてメニコンソフト MAのイメージソング「Stay My Blue-君が恋しくて-」を。このあたりからシティ・ポップ寄りのナンバーが続き、その流れのまま、根本以外のメンバーがヴォーカルを担当するコーナーへ。まずは柿沼のヴォーカルによる軽快なカリビアン「Moonlight Party」、次いで林がファルセットを駆使し、トロンボーンとの艶っぽいコラボで歌うメロウ・スウィート・ソウル「さよならの足音」、そして寺田がファンキーな16ビートを刻みながら歌う「Cassiopeia」。楽曲もサウンドも演奏も、彼らの高い音楽性を証明するナンバーが続く。
さらに、アルバムに収録された名曲たちを披露するコーナー。珠玉の隠れ名曲たちは「BAD MOONに誘われて」「星空のアリーナ」「夜更けのリフ~midnight riff」「Endless Dream」の4曲。バラード人気が高い彼らならではの選曲で、一度、MCを挟んで「空がこんなに青いはずがない」、そして根本自身が選んだ2曲のバラードへ。「時の隙間」から、ファンの間でも名曲の誉れ高い「春キャベツ」へ。ピアノ1本でスタートしたこの歌ではスクリーンに歌詞が浮かび上がる。優しく暖かい言葉で紡ぎ出される、スタ☆レビから観客へのメッセージ。その等身大の視線は、彼らと観客が同じ地平に立って、常に歩み続けてきたことを証明するかのようだ。歌い終えて天を仰ぎ、万感の拍手で迎え入れられた根本は、一瞬、言葉を失い、感極まって涙ぐむ。コロナ禍の中「僕らツアーを回りながら、こんな時期にやっていいんだろうかと思った時期もあったんです。でも、こんな時期だからこそみんなに会いたかった」。そして会場に来れなかった、スタ☆レビを応援してくれる人に届けたい、という思いで選んだ1曲であった。

今度は彼らのスタッフが選んだシングルの名曲群。3年前、「Single Night」、夏の野外公演での定番「7月7日」、そして「いのちのこたえ」「追憶」と、さらなる名曲を連打。バラードだけでもこれほど豊富なレパートリーがあることに、改めて驚かされる。

ライブもついに終盤戦。「ここからはガン!ガン!ガン!と盛り上がらせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか!」その言葉の通り、再びホーン・セクションを加えて、「Baby,とりあえずもっと」。続く「AVERAGE YELLOW BAND」は、WE ARE THE BANDという歌詞の通り、彼らのテーマソングともいうべき楽曲。この時点で53曲目だが、疲れもみせず、逆に一層パワーアップしていくステージングには驚愕させられるばかり。特に、歌って、喋って、ギターを弾きまくって、フロントに立ち続ける根本要は、悲壮感もみせず安定した高いパフォーマンスを披露。その精神力の強さ、サービス精神の旺盛さに応えるかのように、次の「働きたい男のバラッド」では観客が拳を振り上げてノリまくる。「Goin’Back To 1981」は、ライブこそ命、町から町へと演奏を届けに行く、彼らのツアー・バンドとしての生活を歌ったロックンロール・ナンバー。コール&レスポンス・スタイルも、観客はマスク着用で声が出せない分、思い切り腕を振り上げて応える。「No! No! Lucky Lady」では、両手を高く上げ、観客とバンドが一体化した。
56曲を歌い終え、ついに残すところ2曲となった。ラストの楽曲はシークレットにしておくが、57曲目に選ばれたその曲で、満員の観衆からメンバーたちへの、思いがけず温かいサプライズ演出が届けられ、根本はじめメンバーも感無量の面持ち。「スターダスト☆レビューは幸せ者です!」と語った根本は「最大のヒットは皆さんと出会えたことかもしれません。本当に、本当にどうもありがとう」。常にファンと同じ目線に立ち続け、40年間ライブ・バンドとして休むことなく活動し続けてきた彼らでしか言えない、本音の言葉だろう。デビュー40年の軌跡を振り返るかのようなこの鉄人ライブも、気負うことなくいつも通りのスタイルで臨んだスターダスト☆レビューは、おまけの1曲を加えた全59曲を歌い終え、19時30分に無事完走。伴走し続けてくれたファンへ、最後に厚い感謝の気持ちを込めて、6月11日の大阪城ホール公演へと繋げた。

撮影:渡部 伸

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