史上最大規模での開催、『SUPER MAW
A LOOP OSAKA 2022』2日目・なんばH
atchで魅せた熱狂のステージ

『SUPER MAWA LOOP OSAKA 2022』2022.5.8(SUN)@大阪・なんばHatch
5月7日(土)、8日(日)の2日間にわたり大阪・ミナミのライブハウス10会場でアイドルたちがライブを繰り広げる、大阪発の都市型サーキットイベント『SUPER MAWA LOOP OSAKA 2022』が開催。なんばHatchを加えての過去最大規模で実施された。そこで今回は8日(日)に、なんばHatchに出演した虹のコンキスタドールNEO JAPONISM、@onefive、真っ白なキャンバス、OCHA NORMAまねきケチャ、Kolokol、PassCodeの8組のライブレポートをお届け!
■初日のライブレポートはこちら
虹のコンキスタドール
虹のコンキスタドール
ゆっくりとした歩みで登場した虹コンの選抜メンバー7人が最初に披露したのは「ずっとサマーで恋してる」。先日行われた日本武道館公演をもってメンバー2名が卒業したばかりだが、堂々とした姿でパフォーマンスを見せていく。その後も「THE☆有頂天サマー!!」「限りなく冒険に近いサマー」と夏曲の連打によってフロアのテンションは上昇していく。
イントロが鳴った時点でフロアがどよめいたのは「戦場の聖バレンタイン」。このロックなディスコチューンでは各メンバーのクールな歌唱が存分に発揮された。特に、落ちサビで聴かせた桐乃みゆのロック魂溢れる歌唱に心を掴まれたし、その直後に中村朱里が繰り出したしなやかで打点の高いハイキックへと続く流れは見応えたっぷり。キュートさ溢れる序盤とのギャップで脳が揺れる。
虹のコンキスタドール
後半は高速曲ながら細かいフリと7人の連携が美しい「愛を心にサマーと数えよ」もよかったのだが、ラストにノンストップで繋いだ「パラドキシカル・コンプレックス」から「トライアングル・ドリーマー」という逆三角形からの三角形コンボがとにかく強かった。40分MC無しで突っ走ってきたにもかかわらず安定したボーカル、フォーメーションの美しさ、関西弁バージョンのセリフパート、そして、体力的にキツいはずなのにそれを全く感じさせない笑顔に虹コンの魅力がギュッと詰まっていたのだった。
NEO JAPONISM
NEO JAPONISM
驚くほど爆音のSEが鳴り響くなか、NEO JAPONISMの5人が登場するのだが、メンバーがステージに出揃う前から滝沢ひなのがフロアを煽る。喉が枯れそうなぐらいに叫んだ直後に「Trigger」を歌い出すんだから驚く。喉が強い。
ネオジャポは高い熱量や滝沢の煽りが印象に残りやすいが、メンバー全員歌が上手いというのも重要なポイント。しかも、比較的声が低めで迫力のあるボーカリストが揃っている中で、不意に耳に飛び込んでくる瀬戸みるかのキュートな歌声がフックになっている。
NEO JAPONISM
個人的にネオジャポで一番好きな「すすめ」は、滝沢が作詞作曲を手掛けた名曲。サウンドもメッセージもシンプルだが、そこに5人のロックな熱量が注入されることでビッグアンセムとなっている。もしかしたら、彼女たちのパフォーマンスは暑苦しく映るかもしれない。しかし、滝沢の煽りはあくまでも共有や団結を意識したものだし、振りコピしやすそうなダンスはキャッチー。何より、曲を届けようとする5人のポジティブな意識がいい。
気持ちはこもっているけど感情的ではない。感情が先走ってフォーメーションや歌を崩すこともない。自分たちが伝えるべきことが何なのかわかっているからこそ、大事なポイントは決して外さない。予備知識なしで見るとびっくりするけど、現場を重ねていくことで彼女たちの本質が少しずつ見えてくる。そして、好きになる。
@onefive
@onefive
「『MAWA LOOP』、盛り上がっていきましょう!」というKANOの挨拶とともに勢いよくステージに飛び出してきたのは、現役高校生ガールズユニット@onefive。これがサーキットイベント初出演だ。それどころか有観客ライブを始めてまだ3か月も経っていない。しかし、メンバーのMOMO、SOYO、KANO、GUMIの4人は元さくら学院のメンバーであり、かなりの実力者である。
注目すべきは、4人のダンスとフォーメーションの美しさ。オープニングの「まだ見ぬ世界」「BBB」と続くなかでステージの素晴らしさに目を奪われっぱなし。メモを取るために4人から視線を外す時間が惜しくて何もできない。今回の出演者のなかでトップクラスと言っても過言ではないダンス力とキメの細かい振付は、それだけで芸術品のようである。象徴的だったのはライブ後半にパフォーマンスされた「Let Me Go」。これは彼女たちの楽曲を手掛ける辻村有記の曲にKANOが振りをつけ、4人がダンスのみで披露するもの。この曲以外は4人とも当然生歌。驚異的である。
@onefive
しかし、よっぽど緊張していたのか、MCでは噛みまくり。ワンマンライブでもトークがこんがらがる場面はあったけども、ここではそれ以上。でも、その人間味溢れる慌てっぷりになんだか安心してしまった。そんなことを思ってしまうぐらい圧倒的なパフォーマンスだったのだ。並外れた実力と17歳らしい人間性という相反する要素が同居する@onefiveのステージは、ぜひ彼女たちと同世代の女子たちにも観てもらいたい。笑顔でステージを去っていく4人を見ながらそんなことを思った。
真っ白なキャンバス
真っ白なキャンバス
真っ白なキャンバスは、コミカルな振付がキュートなアゲ曲「ポイポイパッ」の冒頭数秒でフロアの心を掴んだあと、間髪入れずにラウドでメタルコアな「Whatever happens, happens.」へ。そして、後半の激展開を挟み、曲間をびっちりと詰めて「オーバーセンシティブ」へとつなぎ、数曲前のキュートさを忘れてしまうぐらいエモーショナルなステージングを繰り広げる。清楚な白衣装とのギャップがいい感じの違和感を生み出し、気づけば各メンバーの表情の作り方も別人のように変わっている。さらに、「セルフエスティーム」になると、ミュージカルというか演劇のような雰囲気が強くなり、より彼女たちの世界観に引き込まれていく。
真っ白なキャンバス
持ち時間は40分あるが、MCに割く時間は最低限。すぐに後半のブロックへと移る。ここでもパフォーマンスに注ぎ込まれる熱量の高さは変わらない。統一感のある衣装なのでしばらく脳みそが追いつかなかったが、真っ白なキャンバスは歌もダンスも各メンバーの個がむき出しで、いい意味でいびつで、そんなところに惹かれるんだとラストの「いま踏み出せ夏」で気づいた。3人と4人に別れて手を繋いでステージ後方から前へと走り出す場面、全力で汗をかきながら7人全員で肩を組んで歌う姿はまさに青春。ああ、これは白いキャンバスという名の40分映画だったんだ。こんなの、好きにならないはずがない。
OCHA NORMA
OCHA NORMA
OCHA NORMAは今年7月にデビューを控えているハロー!プロジェクトの10人組グループ。オープニングで披露したディスコチューン「恋のクラウチングスタート」は彼女たちのデビュー曲のひとつ。彼女たちの出演イベントでは高頻度でパフォーマンスされているが、観るたびにキレが増している。続く、ボサノバ調の「デート前夜狂想曲」も含め、楽曲派を唸らす高品質サウンドとそれに負けないクオリティの高いパフォーマンスはデビュー前から新人離れしている。特に、「ラーメン大好き小泉さんの唄」で魅せる10人のステップはその揃いっぷりに見惚れてしまうほどだ。
OCHA NORMA
この日は、OCHA NORMAとしては40分という長い持ち時間だったため、Juice=Juice「地団駄ダンス」やモーニング娘。「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」といった先輩グループのカバー曲を披露。ハロプロを代表するトンチキ曲のひとつ「地団駄ダンス」は親しみやすいOCHA NORMAの雰囲気に合っていて楽しいし、一人ひとりの歌をじっくり楽しめる「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」ではのびのびとその実力を発揮していた。この曲の落ちサビを担当するのは筒井澪心。彼女はオーディションを勝ち抜いて去年12月に田代すみれとともに加入したばかりだが、すでに重要なパートを任される存在になっているんだから驚きだ。OCHA NORMAはこれからもどんどん進化していくはず。
もう一度言っておくと、OCHA NORMAはまだデビュー前の新人。今年7月以降、どんな活躍を見せてくれるのかさらに期待が高まるステージだった。
まねきケチャ
まねきケチャ
まねきケチャに変革の時期が訪れようとしている。同月22日には深瀬美桜の卒業が決定していた。来年春には中川美優、宮内凛、松下玲緒菜の3人の卒業も控えている。現体制でのステージは大阪ではこれがラスト。寂しい思いで5人のパフォーマンスを見守ったファンもきっと多かっただろう。
そんな大切なステージだったが、スタート直後からトラブルに見舞われた。1曲目「妄想桜」の音が流れなかったのである。メンバーはしばらく待ったが、結局この曲の歌唱はわなかった。そんなつまずきを払拭したのは彼女たち自身だった。大して動揺した様子を見せることなく「モンスターとケチャ」へと切り替え、何事もなかったかのように軽やかなパフォーマンスを魅せる。1曲聴けないことは残念だったが、こういったハプニングで見ることができるメンバーの素の表情や動きは貴重だ。
まねきケチャ
中盤で印象的だったのは松下のボーカル。特に「あたしの残り全部あげる」における彼女のボーカルは凄みを感じさせるぐらいの迫力だった。この日は歌を聞かせることを意識したセトリだったが、松下の声があることで全体がビシッと締まっているように感じた。
そして、ラストの「きみわずらい」だ。DAY2で最も多くの振りコピが発生し、フロアの興奮は頂点を迎える。この日、大阪で最もオタクの心がひとつになった瞬間だった。解散するわけではないけれど、現体制が見られなくなるのはあまりにも惜しい。改めてそう感じる40分だった。
Kolokol
Kolokol
メンバーのコロナ感染で出演を断念したSTU48の代わりになんばハッチのステージに上がったのはKolokolだ。この日、彼女たちは15時10分から40分間のパフォーマンスをBIGCATで行い、その30分後にハッチで特典会。そして、特典会の25分後に同会場でライブというハードスケジュールだった。4人は前日にもBIGCATのステージに立っており、疲労が溜まっていることは容易に想像できたが、彼女たちはそれらすべてをパワーに変換して放出したのだった。
なんせ、1曲目が大名曲「Lullaby」だ。サビで多くの観客が両手を掲げる様は実に美しい。この曲をオープニングに配置したことにはじまり、この日は彼女たちの代表曲がバランスよく散りばめられたキレキレのセットリストだったのだが、それ以上に4人のパフォーマンスがいい。広いステージを使ったダイナミックなダンスや各メンバーの実力がフルに発揮されたボーカルは、自分が観てきたなかでは過去最高。本当に素晴らしかった。
Kolokol
Kolokol最大の魅力は歌だ。彼女たちよりも技術のある歌い手はたくさんいるが、こんなにも個性的な声をのびのびと響かせるボーカリストが集まったグループはなかなかない。誰一人として替えがきかない。まさに唯一無二。そのことを再確認する極上のパフォーマンスだった。
本来、Kolokolの名前はなんばハッチのラインナップにはなかった。しかし、今年の『MAWA LOOP』で最もインパクトを残したパフォーマンスのひとつだったことは間違いない。彼女たちは代役どころか主役級の役割を果たしたのである。
PassCode
PassCode
サウンドチェックの段階から場内の熱はすでに高まっていた。いつものワンマンライブとは明らかに異なる空気がハッチを包み込み、2階の関係者エリアにもこの日一番の数のアイドルが見学に訪れていた。バンドメンバーが「Ray」を試奏するたびにフロアからは大きな拍手が送られ、それを聞いてもうライブが始まったのかと勘違いした観客が急いでホール内へとなだれ込んでくる。
PassCodeの4人がステージに登場した瞬間に頭に浮かんだのは、かなり陳腐な表現だが、<女王の帰還>だった。もう、それでしかなかった。PassCodeがアイドルイベントに出演するのはなんと5年ぶりのこと。5年前、最後に出演したのは同じく『MAWA LOOP』だったのだ。
様々な要因が重なったことで観客の期待が最大限に膨らんだ状態で鳴らされた1曲目は「MISS UNLIMITED」。いきなりのキラーチューン投入に興奮しつつ、それと同時に危機感を覚えた。案の定、イベントの規定に反して興奮で大声をあげたり、周りに激しく接触する形で盛り上がる観客の姿があった。これは演奏を止めるしかないか――そう思っていた瞬間、南菜生はダンスをしながらシーっと口の前に人差し指を立てた。そんな彼女の姿を見てスッと落ち着きを取り戻すフロア。見て見ぬふりをしてパフォーマンスを続けるのではなく、演奏を止めて注意するのでもなく、人差し指一本でフロアを制し、そのままステージを続けたのだ。これは、コロナ禍以前から彼女たちが懸命に築き上げてきた観客との信頼関係の賜物。一朝一夕に真似できることではないし、これができるアーティストはジャンル問わずなかなかいない。当たり前のように4人のパフォーマンスは素晴らしかった(終始笑顔を浮かべつつも攻撃的だった)。しかし、彼女たちのステージは歌やダンス以外のことも決して疎かにしてこなかった結果として成立しているのである。
PassCode
生バンドということもあり、音圧やグルーヴはそれまでにステージに立ったグループとは比べようがないし、おびただしい数のレーザーが飛び交うなど演出も特別だった。しかし、それを差し引いても、4人の一挙手一投足には圧倒的な華があった。それは『MAWA LOOP』に出演していなかった5年の間に何度も泥臭い修羅場をくぐり抜けてきた末に獲得した宝。新メンバーの有馬えみりは加入してまだ1年も経っていないが、既存のメンバー3人に追いつくためにアスリートとアーティストをかけ合わせたような努力を積み重ね、3人はそれを全力でサポートした。だから、PassCodeは強い。
そうやって今年2月に行われた日本武道館公演までに必死で駆け抜けた結果、この『MAWA LOOP』のステージはポジティブな空気に満ちたパフォーマンスとなった。「It’ s you」前のショートMCで南はこう話した。「武道館をやったときに、『MAWA LOOP』の主催をしているうちらのマネージャーが「生きててよかった」と言ってくれたの。その言葉で今日出ることを決めました。誰かの生きる意味になりたくて、今日もステージに立ってる。いつか、この日々を、幸せだったと言い切れるようにまっすぐに走っていくので、これからもどうぞよろしくお願いします!」。
主催者やイベント、観客との関係性によって生まれた特別な空気には、ライブの熱さとはまた違った温かさがあった。パフォーマンス自体についてほとんど触れない変則的なレポートになってしまったが、演者側にこういったメンタルがあるからこそ素晴らしいステージが生まれるということを書き残しておきたかったのだ。ライブのラストにサプライズで特大級のアンセム「Club Kids Never Die」が放り込まれたのも、4人のアティチュードの前では些細なことなのである。
今年開催された『SUPER MAWA LOOP』は、単に出演者の数が多いだけでなく、アイドルという限られた枠組みのなかでも多種多様なグループがいることを可視化した。この2日目のなんばHatchだけでもシーンの多様性が十分に感じられてかなり刺激的だったし、これを実現した『MAWA LOOP』の懐の深さとシーンに対する愛情に感服した。今後のさらなる広がりを期待せずにはいられない。今度はぜひ東京でも『SUPER MAWA LOOP』の実現を!
取材・文=阿刀 “DA” 大志 写真=オフィシャル提供(photo by真島 洸)

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