BiSHが感情を高ぶらせた『MONSTER b
iSH 2022』2日目、緑黄色社会とLONG
MANも万感の思い「BiSHにはたくさん
夢を見させてもらった」

『MONSTER biSH 2022 〜最後にもう一度!絶対出たいぞモンバス!!〜 supported by MONSTER baSH』2022.5.28(SAT)・29(SUN)香川・さぬき市野外音楽広場テアトロン
5月28日(土)、29日(日)に香川県・大串自然公園内のさぬき市野外音楽広場テアトロンで開催されたイベント『MONSTER biSH 2022 ~最後にもう一度!絶対出たいぞモンバス!!〜』。BiSHがロックフェス『MONSTER baSH』への出演を目指して2017年にスタートさせた同イベント。その2日目も、BiSHを含む3組が熱いライブを繰り広げた。
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緑黄色社会「BiSHの曲を聴いて泣いてしまった」
緑黄色社会
2日目の1番手をつとめたのが、緑黄色社会。1曲目「陽はまた昇るから」から長屋春子(Vo.Gt)が伸びやかで生命力あふれるボーカルで心身を躍らせたあと、「みんなの音を聴かせて。このリズムではじまるので。今日一日、この調子で楽しくいきましょう」とクラップを呼びかけると、観客もと手拍子で反応。2曲目「Landscape」で早くも祝祭感たっぷりのピースフルな雰囲気に包まれた。
<いつもと違う髪のにおい 踊らされてしまう悔しいな 緩んでしまう口元 マフラーにそっと沈めた>と長屋の独唱ではじまった3曲目「Shout Baby」。森林のざわめき、鳥や虫の鳴き声と共鳴するように、長屋の繊細なビブラートが広がっていく。
緑黄色社会
緑黄色社会
「2年越しの今日を楽しみにしていました。ここで最高のゲストボーカルをお迎えしたいと思います」とBiSHのセントチヒロ・チッチ、アユニ・Dを呼び込んで披露した「Mela!」では、3人が円形の特徴的なステージの最前線へ繰り出したり、肩を組み合ってヘッドバンキングをしたり(長屋曰く「人生で初めてのヘドバン」)、自由なスタイルで歌い上げた。

緑黄色社会

チッチ、アユニとのコラボ後は「sabotage」「キャラクター」でさらに観客を沸かせた緑黄色社会。長屋はMCで「数年前、ふとしたきっかけでBiSHの『オーケストラ』という曲に出会って、すごく衝撃的でした。ミュージックビデオと歌声を聴いて泣いてしまって、どんどん好きになって。それから彼女たちの人柄や歌声にも惹かれていきました。2年前、そんな彼女たちと『MONSTER biSH』でご一緒にできると聞いたけど、そのときはタイミングがいませんでした。2年越しの今日です。2年越しの気持ちを、みんなと一緒に最高の日にしたい」と万感の想いを語ったが、まさにその喜びを反映したパフォーマンスとなった。
緑黄色社会
LONGMAN「BiSHからもらったものを持ってがんばる」
LONGMAN
「僕らは愛媛のバンドです。でも四国のバンドだから呼ばれたわけじゃないところを証明してみせます」。ライブ中にそう叫んだのは、2番手のLONGMANだ。
誰もが即座にノレるポップなパンクサウンドを鳴らす3人。「やって来たぞ、モンビス」「いくぞ」と言葉を弾ませながら、「Hello Youth」「Turning Away」で一気に観客のハートを引き寄せていく。「チッチが好きって言ってくれた曲」という「Excuse」は、この日の3人のテンションの高さがそのままあらわれたかのように、スピーディーに曲が展開。「今日はめちゃくちゃおもろいぞ!」とひらい(Gt.Vo)も楽しさを爆発させた。
LONGMAN
MCではひらいが「最初に対バンしたのが2017年、代官山の400人くらいのライブハウスで。そのときもすごかったけど、今日はさらにすごいことになっていて。昨日(5月28日の初日)も観に来ていたけどめちゃくちゃ感動した。でも裏(バックヤード)ではリンリンがほっぺにコガネムシをつけてずっと笑っていたり、ハシヤスメがシャボン玉で遊んでいたり。小学生の夏休みみたいだった。そうやって飾らないBiSHが大好きです」と彼女たちの魅力を明かした。
LONGMAN
一方で「『MONSTER biSH』には初年度の2017年から出させてもらって、BiSHは当時から人気だったけど今ほどではなかった。ただ、どんどん人気が出て『MONSTER baSH』にも楽勝で出られるようになったはずなのに、それでもコツコツとライブハウスでやってきたところがすごい。それが今日につながっている。その姿を僕らも目の当たりしてきて、めちゃくちゃ感動しています」と盟友をたたえた。
LONGMAN
終盤では、BiSHとLONGMANのコラボバンド「BiSHMAN」としてBiSHの6人も加わり、「Back Home」でお祭り騒ぎ。チッチがひらいの足のすね毛を抜くという珍場面もまじえつつ、駆け抜けるように楽曲を演奏。芝生エリアの観客も跳ね上がりながら両者のコラボを楽しんでいた。
ひらいは「BiSHにはほんまにたくさんの夢を見させてもらいました。まだ恩返しできていないけど、BiSHからもらったものを持ってこれからもがんばりたいです」と全10曲、すべて直球勝負のようなステージ。最高の形で大トリのBiSHにつなげた。
●BiSH「『MONSTER biSH』が明日からの糧になってほしい」
BiSH
前2組のライブ時はかんかん照りだったが、BiSHの出番になると山間部特有の冷たい風が強く吹き始めた。
「今日も目いっぱい盛り上がれますか?」、チッチがそう呼びかけて「BiSH―星が瞬く夜に―」のイントロが奏でられる。いきなりフルスロットルの6人。「オー、オー、オー!」と拳を突き上げる彼女たちと、心のなかの叫びを全力で吐き出す清掃員たち。
BiSH
「GiANT KiLLERS」では「最終日だぞ、全員バカになろうぜ」とハシヤスメが声を張り上げると、リンリンとアイナ・ジ・エンドも体を寄せ合いながら雄叫びを見せるように歌った。3曲目「遂に死」でも舌を出し、中指を立て、狂気的に振る舞う6人。はっきりとギラついていることが分かる。
BiSH
4曲目「LiE LiE LiE」では、モモコグミカンパニーが「四国といえば徳島県の阿波踊り。この曲は阿波踊りの振付が入っているのですが、日常でイラっとすることがあってもお祭り気分で吹き飛ばしていきたいですね」と、<あぁイライラしちゃう>と鬱憤を振り払うように踊る。
アイナの気合十分なダンスに目が釘付けとなった「FOR HiM」。会場が揺れそうなくらい、メンバーと観客全員が激しくジャンプする「ぴらぴろ」。気温が下がって半袖では肌寒くなっても、熱気はどんどん増していく。
BiSH
MCではチッチが「今、すごくみんなとひとつになった気持ちがしています。香川に来るたびに思い出ができていくんです。この『MONSTER biSH』が、みなさんにとって明日からもがんばる糧になってほしい」とメッセージを投げかけ、「空が綺麗ですね。この香川の大っきな空を越えて、広い海も超えて、どこまでもどこまでも響き続けますように」と空を見上げて願った。
●アユニ・D「悲しくなったらこの景色を思い出して」
BiSH
あたりが暗くなり、ステージに向けられた照明の光の輪郭がより色濃く浮かび上がる。
<見上げたあの夜空に 浮かぶ星達>。時間が止まったような一瞬の静寂を切りひらくように、チッチがそう口ずさむ。「オーケストラ」だ。誰もがきっと、この曲が今回の『MONSTER biSH』のハイライトになることを分かっていたはず。しかし6人はその大きな期待をさらに超えてきた。「この幸せな時間を終えたくない」というように、6人は歌詞のひとつひとつを大切に噛みしめながら歌っていく。曲の山場に向けて、ドラムの音がどんどん押し寄せてくる。そしてサビで一気に広がる感情。その瞬間、顔が上げられなくなったのはアユニだ。はっきりとはうかがえない、しかし彼女はそこで涙を流していた。清掃員たちもメンバーの歌に呼応する。誰もが「今がずっと続けば良いのに」と考えていたはずだ。
BiSH
BiSH
「全員でひとつになりましょう」と一体感に包まれた「サラバかな」、チッチがまわりを見渡してグッと胸を抑える様子が印象的だった「Nothing.」、「明日からも歩んでいけますように」と手を振って歌った「beautifulさ」。アンコールを含めて、BiSHは全10曲を披露した。アユニは「みなさん、この景色を忘れないでほしい。悲しくなったらこの景色を思い出してください」と目を潤ませながら伝えた。
3年ぶりの開催となった『MONSTER biSH』。新型コロナで誰もがしんどい思いをしたこの2年。やっと、多くの人たちと一緒に音楽を聴くことができる日がやってきた。その幸せは何ものにも代えがたい。そう感じさせる2日間だった。
BiSH
あと、あらためてBiSHが鳴らす音楽は苦しい時代を突破する力を持っていると気づかされた。良い意味で、すべてを忘れることができる。そして感情を大いに揺さぶる。テアトロンの豊かな環境もあいまって、誰にとっても忘れられない空間になったのではないだろうか。
文・取材=田辺ユウキ 写真=オフィシャル提供(酒井麻衣)

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