初来日公演迫る! ベルリンの木管五
重奏グループ「パシフィック・クイン
テット」 メンバーが語る、サウンド
の秘密とは?

ベルリンを拠点に活躍する木管五重奏のグループ=パシフィック・クインテット。2017年に札幌で出会った5人、アリヤ・ヴォドヴォゾワ(フルート・ロシア)、フェルナンド・マルティネス(オーボエ・ホンジュラス)、リアーナ・リスマン(クラリネット・ドイツ)、ヘリ・ユー(ホルン・韓国)、古谷拳一(ファゴット・日本)により結成された本グループは、2022年7月に東京(16日(土))・京都(18日(月祝))で初来日公演を予定している。
一カ月後に迫った来日公演に向けて、ファゴットの古谷拳一へのインタビューに続いて、個性的なメンバーたち全員に話を聞いた。
さまざまな民族的背景をもつメンバー 「友人」であり、「家」「家族」のような存在
――パシフィック・クインテットは、メンバーのみなさんにとってどのような存在ですか?
フェルナンド・マルティネス(以下、フェルナンド):パシフィック・クインテットは室内楽のグループですが、年間を通してとても素敵なコンサートができていて、良い友人同士でもあります。
アリーア・ヴォドヴォゾヴァ(以下、アリーア):さまざまな文化、さまざまな民族的背景もったメンバーが集まったグループですが、音楽を通じてつながり、お互いに言葉を尽くして語り合いながら、妥協点を見つけて新しい何かを生み出しています。これは個人的に私にとって大きな意味があります……
リアナ・レスマン(以下、リアナ):このグループは、私の音楽のホーム・グラウンドです。 一緒に演奏する度に、家に帰ったような気分になります。 グループで生み出す音楽は、私の人生において欠くことができないものとなっています。
ヘリー・ユー(以下、ヘリ):最後になると、みんなに言い尽くされた感じですが、リアナの言った「家」「家族」みたいなところは、本当に自分もそう感じていますね。
左から 古谷拳一(ファゴット・日本)、ヘリ・ユー(ホルン・韓国)、フェルナンド・マルティネス(オーボエ・ホンジュラス)、アリヤ・ヴォドヴォゾワ(フルート・ロシア)、リアーナ・リスマン(クラリネット・ドイツ)
――ファゴットの古谷拳一さんも以前のSPICEでのインタビューでやはり「国を超えた家族」という表現をされていましたが、皆さんも同じように感じていらっしゃるのがよくわかりました。さて、今回の日本公演のプログラムでどんなところを聴衆に聴いてほしいですか?
フェルナンド:今回のすべての曲が本当に好きで、クラシックになじみのない人でも気に入ってもらえることを期待しているので、コンサートの全てを皆さんにも楽しんでもらえると思います。
アリーア:私たちのプログラムはとてもユニークで、聴いてほしい曲を1つだけ選ぶことはできません……
この木管五重奏団が大きなステージをだんだん経験できるようになって、私自身とても幸せに感じていますが……異なる色の組み合わせを楽しんでほしいと思います。あえて、ひとつ挙げるなら、弦楽四重奏のためのドヴォルザークの「アメリカ」の木管五重奏での編曲を聞くのは面白いと思いますし、私たちもいつも楽しんで演奏していますね。
リアナ:私たちが日本で演奏するプログラムは、私たちの多面的な音楽のアイデアを表現しており、「ウェスト・サイド・ストーリー」は、札幌のパシフィックミュージックフェスティバルでオーケストラとして一緒に演奏した最初の曲の1つでした。今回は、木管五重奏曲の編曲版を演奏します。 なので、オーケストラのスピリットを木管五重奏で感じて欲しいと思います。
ヘリ:わたしも「ウェスト・サイド・ストーリー」をおススメしたいですね。今年はスピルバーグ監督によるミュージカル映画のリメイクも公開されて、その魅力が再発見されている気がします。
サイモン・ラトル、キリル・ペトレンコ、サラ・ウィリスほか、ベルリンでしかできない音楽体験がパシフィック・クインテットのサウンドの秘密
――皆さんのクインテットは、世界的なコンクールでも賞を取られて、各個人でも世界的なミュージシャンと交流もされていますが、アリーアさんはヴァイオリンのダニエル・ホーブさんやルノー・カプソンさんとも共演されたとうかがいましたが?
アリーア:パンデミックの間、私たちは皆、困難な時間を強いられました。特に私たちミュージシャンにとって、演奏できない時間が続くことは辛いことでした。そんな中で、世界中でオンライン放送されたミュージシャンのためのアリーアリアナte シリーズ(ドイツのテレビ番組)に参加できたのは幸運でした。 ダニエルやルノーのような有名なアーティストが、若い世代にもチャンスメイクしてくれたことは非常に意義深いことだと感じました。
リアナ:オーケストラの一員として、サイモン・ラトル、パーヴォ・ヤルヴィ、キリル・ペトレンコ、ネルソンスなど、多くの著名な指揮者の下で演奏してきました。特にキリル・ペトレンコ氏と演奏することは、オーケストラでの経験でハイライトの1つでした。 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の新シェフとして本当に素晴らしい指揮者だと感じました。彼は想像した音が出るまでミュージシャンと共に一生懸命音楽づくりをして、それは作曲家がオーケストラのために書いた楽譜に非常に忠実でありながら、しばしばその瞬間瞬間に活き活きとした感動を生み出すのです。
ヘリ:私が学んだホルン奏者の一人にベルリン・フィルのサラ・ウィルスさんがいるのですが、2017年にパシフィック・ミュージック・フェスティバルで日本に来たとき、彼女に出会って、ベルリンに来るべきだと言われたので、それが留学するキッカケになりました。 彼女は本当に素晴らしい人で、学生をサポートし、世界中のホルンを吹く仲間たちのために多くのことを実践しています。 私は彼女からたくさんのことを学びました。ホルン演奏だけではなく、音楽家として生きる方法、人間的な面もサポートしてくれて、そのことが、カラヤンアカデミーを修了してからも、私の心の支えになっています。
まだ、私はケルン放送交響楽団のホルンのトップになることができましたので、今はライブストリームコンサートや多くのツアーを行っています。8月にロンドン/アムステルダム/ハンブルク/オーデンゼー/ボンでの公演が予定されていて、とても楽しみです。
リアナ:わたしは、デュッセルドルフ交響楽団とブレーメン室内管弦楽団のクラリネット奏者に就任します。 オーケストラの新シーズンことを楽しみにしていますし、オペラを演奏することは新しい体験でそのことが本当に好きなんです。 たとえば、リヒャルトワーグナーのオペラを演奏すると、5時間かかったりするものもあるのですが、私の感情と音楽表現を別世界に誘ってくれるのではないかと期待しています。
PACIFIC QUINTET(パシフィック・クインテット)
初の来日公演 滞在中の楽しみは?
――ファゴットの古谷さんが反田恭平さんのオーケストラでいろいろな刺激をうけていらっしゃるように。皆さんの個人個人の活動、ペトレンコやサラ・ウィリスからの良い刺激、そんな様々な音楽的体験が、パシフィック・クインテットの血となり肉となり、素晴らしいコンサートを作ってくれそうな予感がして参りました。ところで、みなさん日本は初めてではないと思いますが、日本についてどのような印象を持っていますか? 訪れたり食べたりしたいものはありますか?
フェルナンド:私は日本に2回行ったことがあり、とても気にいっています。札幌のパシフィック・ミュージック・フェスティバルが最初で、文化、日本人の優しさがとても好きです。日本にいることはいつも夢のようです。今回はもう少し東京を見て、美味しいものを食べつくしたいですね(笑)。
アリーア:私は2017年と2018年に2回日本に滞在しましたが、その文化には毎回驚いています。日本のリアルな伝統が今も生きていて、12以上のユネスコ世界遺産があり、素晴らしく美しい国です。京都の金閣寺に行ってみたいですし、歌舞伎も見たいです。
リアナ:パシフィック・ミュージック・フェスティバルに参加するため2回来ましたね。日本にはとても特別なオーラがあり、いつもそれを感じ楽しんでいます。
国と文化はとても美しく豊かで、毎回新しいことを学ぶために何度でも戻ってきたいと思っています。
ヘリ:日本に3回行ったことがありますが、はなまる寿司と日本の辛いラーメンが恋しいです。プライベートで、年明けのユニバーサルスタジオジャパンにも行きました、とても楽しかったです!

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